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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

FORTUNE ARTERIAL SS 『蛍』

※時期的に遅いですがふと思いついたので書きました。



いつの日か館の窓から見えたあの光は何だったのだろうか?

毎年ある時期になると無数のキレイな光が飛び交っているのが館の窓からも見え、館に閉じ込められていた当時の私の荒んだ心を癒してくれていた。

あのキレイな光は何だったのだろうか?


母様から学院に通うために館を出ることを許された私は、ある日ふとこの事を思い出し、調べてみることにした。
でもさすがに漠然と調べてもイタズラに時間が過ぎるばかりである。
なのでここは博学の征一郎さんに聞いてみることにした。
だってクラスメイトに聞いたらもしかしたらバカにされそうだもんね。

放課後の監督生室
兄さんが所要で出かけているのを見計らって
「ねぇ 征一郎さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」
「何だ? 瑛里華」
「毎年この時期になると何ともいえないキレイな色の光がたくさん飛んでいるのを見たんだけどこれって何なのかしら?」
「あぁ、それは蛍と言う虫なんだが館のところにもいたのか?」
な~んだ・・・という感じであっさり疑問は解決。
「えぇ、館の近くに確か毎年このくらいの季節になると窓からたくさんの光が見えたわ。 凄くキレイでずっと見とれてた」
「そうか。 ふむ・・・そういえば確か千年泉にもいたと思うが・・・」
征一郎さんは少し考えていた。
「たっだいま~~~!」
「あ、兄さん お疲れ様」
「ん? どうしたんだ? 征」
「伊織、ちょっと相談なんだが」
「ん? なんだい?」
「一つイベントを企画したいんだが」
「ほう? 征がイベントの企画とは珍しいな。 で、どんなのだい?」
「千年泉で蛍狩りというのはどうだろう?」
「ほほう。 征にしてはまた面白いアイデアだね」
「俺が言ったら悪いか? 丁度いい時期だしな」
兄さんは私をチラッと見て
「風流でいいんじゃないの。 やってみよう。 たぶん瑛里華が“蛍を見たことがなーい”という話からそういう流れになったんじゃないの?」
「んも―――――!! 蛍くらい見たことあるわよ!!」
「ふっ・・・まぁいい。 ではそういう流れで。 準備は俺と瑛里華でやるから伊織はすまんが学院側との交渉を頼む。 企画書は俺がこれからすぐ作る」
「やれやれ・・・俺はいつもそういう役だね」
「と言うかお前の場合はそういうパターンが一番活躍できる」
「さすがに扱いなれてるわね・・・」

兄さんの学院側との話し合いの結果を待って私達は早速蛍狩りの準備に入った。
「さすがは兄さんね。どんなふうに話をしたのか知らないけど学院側をやり込めるなんてそんなに簡単にできることじゃないのに」
「あいつはああいったことでしか役に立たん。いずれにしても期間は限られているから準備も早くやらないとな」
「そうね。先ずは告知からかしら? せっかく企画しても人が集まらなければ話にならないし」
「あとは携行品だな。 先ず懐中電灯に虫除けスプレーは幾つか必要だな」
「俺は何をしたらいい?」
「あぁ、兄さんは宣伝をお願い」
「なんかつれないね・・・」
「他にできる事があるのか?」
「宣伝に行ってきま~す」

兄さんの宣伝が効いたのか後日作成した参加者名簿にはかなりの人数が記載されていた。
「まさか兄さん、何かやるとか企んでるんじゃないでしょうね?」
「とんでもない! あの場所で妙なことをしようものなら征に殺されかねないし!」
「ならいいけど。 まぁ、もっとも兄さんの場合は死なないから半殺しってトコでしょうね・・・」
「全く・・・物騒な妹だね」
「誰が物騒ですって・・・?」
「俺が何をするんだって??」
「あ、征一郎さん。 参加者もかなりの人数になったわよ」
「そうだな。このくらい集まればイベントとしても十分成り立つな」


イベント当日
もしかしたらこの蛍狩りというイベントを一番楽しみにしていたのは私かもしれない。それくらい今日は朝から機嫌がよかった。
幸いなことに学院側からは青砥先生が同行してくれることになったので気分的にも心強いというのもあったのかもしれない。
夕暮れ近くになり集合時間も迫ってくると集合場所には参加者が続々と集まってきた。
「参加者のチェックをしますのでみんな集まってくださーい!」
やっぱりこういうイベントとなるとさすがにカップルでの参加が結構多いみたいである。
ま、さすがにそういう雰囲気かもね・・・。
「あら? そういえば兄さんは?」
「伊織ならたぶん一足先に、ってヤツだろう。 ヤツは当てにするな」
私はこめかみに青筋を立てながら
「・・・そうね」

「そろそろ出発しますが、その前に簡単に注意事項を。 暗くなってきて危険ですので足元等十分注意してください。 それと千年泉は地元の方にとっては大切な場所ですので決して騒いだりふざけたりしないように静かに鑑賞して下さい。 途中で抜けるという方は勝手に抜けたりせず私か征一郎さんに一言言ってから抜けるようにしてください。 後で捜索願いとかの騒ぎにならないようにお願いします。 それでは行きましょう」
征一郎さんを先頭に参加者全員で山道を登っていく。 私は一番後ろで遅れた人がいないかチェックしながら歩いていった。

しばらくすると先頭が現地に着いたみたいで溜息のような声が聞こえた。
そして私もたどり着いた。
すると目の前にはあの時見た光が・・・
ただあの時と違うのは周囲何処を見てもあの光が、しかもすぐ近くで見えることである。
「・・・キレイ」
目の前で繰り広げられるその何とも幻想的な光景に私はもう言葉も出ず時間も忘れてひたすら見入っていた。

どのくらい時間が経ったのだろう・・・
「瑛里華?・・・瑛里華?・・・」
「・・・・・・」
「おい! 瑛里華?」
「え?! あ!! に、兄さん・・・」
「どうしたんだい? ボ―――っとして」
「な、何でもないわ。 キレイだから見入っていたのよ・・・」
「そうか。 ま、確かに館の窓から見るよりは全然いいかもね。 こんな近くでこんなスペクタクルな光景を見れるんだから」
「大袈裟ね。 確かに遠くに見えるのもそれはそれでいいかもしれないけどこうして目の前で見れるのはいいことね。 みんなも感動してくれているみたいだしイベントとしても成功じゃないかしら? ねぇ征一郎さん」
「そうだな。 もっとも今回は瑛里華の一言から始まったことだしな。 そういう意味では今回のイベントは瑛里華の手柄かもしれないな」
「でもここまでイベントとして作り上げたのは征一郎さんでしょ?」
「俺も結構活躍したと思うけどね・・・」
「あ、そう言えばそうだったわねー」
「ホント冷たいね・・・この妹は・・・」
「おーい千堂、今夜は特別に門限を大目に見てやっているとは言ってもさすがに余り遅くなるわけにもいくまい。そろそろ帰らないとな」
「そうですね、わかりました 先生。 私も十分堪能させてもらったわ。 それではみなさーん、そろそろ帰りまーす」
正直まだ見入っていたいのは山々なのではあるけど、もしかしたらこの位が一番いいのかもしれない。
帰り道も征一郎さんが先頭、私が最後尾で千年泉を後にした。

帰り際に何故か一匹の蛍が私の前を横切った。
まるで“またね。バイバイ!”って言ってくれたかのように・・・。

今日のこの感動は私は一生忘れる事が出来ないと思う。

また来年も是非見に来たいな。







あとがき
冒頭にも書きましたがはっきり言ってタイミング的に季節感無視って言うか、かなり遅かったです。
まぁ大体自分の場合はこういった季節モノは後になって思い出したように出てくることが多いのですけど・・・



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寂しいの

初めて投稿します。

すごく内容の濃いブログですね♪

また、お邪魔させて頂きます。

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