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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

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夜明け前より瑠璃色な SS   『エース同士の語り方』

正直言いますとこれが「夜明け前より瑠璃色な」で自分が一番最初に書いたSSです。
ちょっと個人的理由(?)からまだ表に出ておりませんでしたが、一応書いた以上は表に出したいのでとりあえず公表することにしました。

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謝辞

PCを立ち上げて何故か接続が出来なかったので今日の書き込みは止めようかな・・・と思ったら突然接続しやがった・・・。
というわけで書き込み


早坂さん、SSの紹介・感想どうもありがとうございます。
とんでもございません。本当に心から感謝しております。


早坂さんSS「楽屋裏狂想曲~順番~」
ということはかなでさんはまだその台本を読んでない・・・と?
くわばらくわばら・・・(笑)

早坂さんSSフィーナ誕生日記念SS「約束の証」
いかなる手段を使ってでも行こうとする達哉と、いかなる手段を使ってでも行かせまいとする貴族との抗争・・・とか(オイオイ)
でもなるほど!そういう手もあるんですね。

夜明け前より瑠璃色な SS   『フィーナ誕生日記念SS「絆というもの」』

フィーナの誕生日ということで書いてみましたがどうもネタが被った気がするので一応伏せておきます。
無い知恵を絞って思いつくまま一気に書いたので『何だかな~』って感じになった気も・・・

もし気が向きましたら・・・どうぞ

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謝辞

やまぐうさん、SSの紹介、感想どうもありがとうございます。

そう言って頂けるとこちらも嬉しいですね。



[雑記]
FAの4コママンガが出たらしいが・・・仕事の帰りに本屋によるのを完全に忘れてた・・・(ToT)

謝辞

早坂さんTMさん SSの紹介・感想どうもありがとうございます。

早坂さん>瑛里華がこれまで抑圧された反動だったりして(笑)

TMさん>喋らなかったらそれこそどっちがどっちだかでしょうね



今日突然(?)届きました。

20080925224227_convert_20080926002847.jpg

まだ封はきってませんが、さて・・・いつきくことになるだろう?(てなこと言う暇があったらさっさと聞け!!)

FORTUNE ARTERIAL SS 『お洒落をして街に出よう!』

「母様、早くー!!」
「あせるでない、瑛里華」
今日は母様と二人で初めて街に買い物に行く日。
他人から見れば何の変哲もないこういった平凡といえる生活を送ることを私はどれだけ待ち望んだであろうか。


コトは先週の休みの日に遡る。
学院が休みの日に実家に帰った私は久しぶりに親子水入らずの休日を楽しんでいた。
もっともすぐ横には紅瀬さんもいたのだが彼女は彼女で適当にその場を楽しんでいたみたいだ。
久しぶりに家族で食事をしてその後はお茶を飲みながら他愛のない世間話に花を咲かせていた中で私は
「母様と街へショッピングに行きたいな・・・」
「ショッピング??」
「要するに買い物の事よ、伽耶」
「買い物って・・・別にあたしと行かなくてもいいだろう?適当に店に行って好きなのを買ってくるがよかろう?」
「そうじゃなくて・・・母様と一緒に行きたいの!!」
「あたしと一緒にか?まぁ別に付き合ってやらなくもないが・・・で、何を買いに行くのだ?」
「う~~~~~~~ん、服とか・・・いろいろとね」
「なんだ、何を買うのか決まっておらぬのか?」
「伽耶、そうじゃなくて千堂さんは買い物にかこつけて伽耶と一緒に街へ遊びに行きたいだけなのよ」
「そ・・・そういうことよ・・・母様もずっと館にばかり篭っていないでたまには外の世界にも出てみたらいいんじゃない?」
「そうならそうと最初から言えばいいだろう?まったく・・・判りにくい言い方をしおって」
「んも―――、いろいろあるの!!」
「なに怒っておるのだ?」
「別に!!」
私達のこのやり取りが面白かったのか、横にいた紅瀬さんが突然笑い出した。
「何がおかしい?桐葉」
「二人ともこういう所は全然変わってないわね」
「何よ―――!」
「フッ、別に・・・」
「まぁよい。たまにはそのショッピングとやらに行ってみるのもよかろう」
「ありがとう。母様」
私は嬉しくて思わず母様に抱きついていた。
「こ、こら瑛里華 やめんか!!離せ!!」
「だって母様とお出かけできるのがうれしくて」
「わ・・・分かったから!!とりあえず離せ!!」
「あ、ごめんなさい」
「ふう・・・まったくこの娘は・・・」


そして待ちに待ったお出かけ当日。
「母様、準備できてる?」
「あたしはいつでもいいぞ」
「って母様、その格好で行くつもり?」
「別にいいであろう?なにがおかしい?」
母様の格好はいつもの豪奢な和服姿であった。
「決して悪いってわけじゃないんだけど・・・たまには洋服着てみない?」
「あ、あたしはこれでいいのだ」
「う~~~ん、母様だったら・・・こんな感じとかいいかもね」
「伽耶だったらこんなのもいいかもよ」
「何をしとるか?お前達」
「いや、これなんかもどうかしら?」
「それだったら下はこれがいいかもね」
「だから何をしとるんだ!!お前達!!」
「よし、決まりね」
「あたしを無視して二人で何をしとるか?」
「じゃ服がきまったら・・・あとは着せる、と」
母様を見て紅瀬さんと二人でニヤリとする。
「な・・・なんだ?お前達のその目は?」
「それ!!かかれ!!」
「こ、こら!!何をする!!やめんか!!」
「大人しくしなさい!!伽耶」
「母様をコーディネイトしてあげるんだから抵抗しないの!!」
「桐葉!!離せ!! こら瑛里華!!変なトコ触るな!!」
ジタバタする母様を紅瀬さんが押さえつけて私がさっさと洋服を着せてしまった。
「さぁできたわ。どう?母様」
「どう・・・って、よくわからん、それにしてもこんなハイカラな服・・・」
「ハイカラ・・・って、いつの言葉よ」
「うふふ、よく似合ってるわよ 伽耶」
「う、うるさい!!ったく」
「母様、行きましょう」
「二人ともいってらっしゃい」
「わ、分かった。ちょっと行ってくる」


しかし一応親子連れではあるが傍から見るとどう見ても親子逆、あるいは姉妹か。
でもさすがにいつもの和服を着ていたら物凄い注目を浴びていたであろうはずだが、今日は洋服を着ているからか一応風景に溶け込んでそれ程の注目を浴びていない。

「何だ?あちこちをウロウロしているばかりで買い物といってもまだ一つも買っておらぬではないか?
「そりゃ、気に入ったのがあったら買うわよ。それよりも母様と一緒にこうして街を歩けるのがうれしいのよ。あっ!!」
私は1軒のアイスクリーム屋を見つけた。
「ええっと・・・これとこれ下さい」
「何をしておるのだ?」
「はい母様、アイスクリームよ。ここのは結構いけるのよ。食べてみて」
「あいすくりーむ?ふむ・・・うん、なかなかだな」
「でしょ?母様に是非と思って前もって調べておいたんだから」
「それはすまぬな」
アイスクリームを食べたあとはまた二人で街をウロウロ、気に入った店で服とかを買い込む。


「そろそろお腹がすいたわね。お昼にしましょう」
そう言って私は一軒のレストランに入った。
「何か食べたいものある?」
「別に。瑛里華に任せる」
「そう?それじゃドリアを二つ」

しばらくして運ばれてきたドリアを食べてると別のテーブルから親子の会話が聞こえた。
「ママ―――!私もそれ食べたいよ―――!!」
「あなたはもうちょっと大きくなったらね」
「だってあそこにいる子も食べてるもん」

私は思わず噴出しそうになった。
明らかに母様のコトを言っているからである。
「まさか、あたしのコトを指していたのか?」
「そうみたいね。でも子供の言ったことだからいちいち怒らない」
「別に怒りはせん。ちょっとムッとしただけだ」
いけない。話題を変えないと。
「そ、そう言えばこのドリアはどう?美味しいでしょ?」
「あぁ、悪くないな。たまにはこういうハイカラな食べ物もいいもんだ」
だから『ハイカラ』っていつの言葉よ・・・

「さて、と お腹も一杯になったところで母様の服を買いに行かないといけないわね」
「なんであたしの服なんだ?あたしは着物があるし自分のを買えばいいではないか」
「いいじゃないの?母様もたまには洋風のお洒落をするのも。さ、行きましょう」
「こ、こら瑛里華!!」
入っていったのはデパートの子供服売り場。
「こ、子供服って・・・お前はあたしをバカにしておるのか?」
「仕方がないじゃない?母様のサイズだったらそうなってしまうんだから。でも一口に子供服って言っても最近の子供服って凄いのよ。デザインも豊富だしカワイイし」
「いらっしゃいませ」
「あ、適当に見て回るからお構いなく」
さすがに店員からも子ども扱いされたら母様も気を悪くしかねないわね。
「あ!母様、これなんかいいんじゃない?」
「母様、これもいいかも」
「どれでもいい!!」
「母様、試着してみたら?」
「うわっ!!母様、カワイイ!!」
「やかましいわ!!」
とにかくちょっとわざとらしく店員に聴こえるように“母様”という言葉を連呼しておく。
これだけ言っておくと店員も二人の関係が分かったみたいだけど、さすがに会計の時に不思議そうな顔をしていた。そりゃそうかもね。


「さて、いろいろまわったしそろそろ帰りましょう」
「そうだな。さすがにあたしも疲れた」
「でも楽しかったでしょう?」
「あぁ、いろいろと見て回れたしこんな風に意味もなくぶらつくのもいいもんだな」
「でしょ? それに母様にピッタリの服があってよかったわね」
「それにしてもこんなの着て何処へ行くんだ?」
「え?また来週でもそれを着て街を歩きましょうよ。今度は孝平も誘おうかしら?」
「やめんか!!支倉まできたらそれこそ親子が逆転してしまうではないか!!」
「う~~~~~ん、確かに見た目はどう見ても私と孝平の子って感じに見えてしまうのかしら?」
「・・・これ以上言うと本当に怒るぞ!!」
「ごめんなさ~い、だって母様とこんな風に話せるのが楽しくって」
といった下らない話をしながら私達は館に向かって歩いて帰った。




あとがき・・・らしきモノ
やまぐうさんの「着飾って、気分を変えて」を読んだあと、何となく自分なりに頭に浮かんだ状景を書いてみました。



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謝辞

早坂さん、紹介どうもありがとうございます。

自分が考えるに伽耶ちゃんは瑛里華の性格プラスお茶目で現代っ子、人には強気で言うがでも自分の恋愛ゴトに関しては苦手分野という風に考えています(分かったような分からないような表現ですが)
ついでに言うと外見は瑛里華似でアホ毛は1本で黒髪で・・・って、もうええってか(笑)


早坂さんSS「楽屋裏狂想曲~かなでの一番~」
自分思うにかなでさんも突撃派ですけどスカ喰らうのも多いって感じでしょうか。でもそこがまたいいんですけどね。そう言えば自分もかなでさん主体の話をほとんど書いてないな・・・(汗)

やまぐうさんSS「誘いに惑う」
かなでさんの“強気に振舞っているんだけど実は・・・”という素直になれない微妙な心境というのがすごくいいですね。
本当は孝平を求めたいんだけど口では全然違う事を言っているということでしょうか。

やまぐうさんSS「地球におけるささやかな式典」
なるほど確かにこれもいわゆる一つの儀式というコトですね。
達哉が地球にいるということはこの時点でまだ二人は結婚してないんですね。
うわっ!!そう言えばもうすぐフィーナの誕生日なのに全然何もしてない・・・(汗)

今日のネタ


やまぐうさんSS「着飾って、気分を変えて」
最初はエロ系かなと思いきや、母と娘のほのぼのとしたやりとりが何ともいいですね。
二人で並んで街を歩く姿も目に浮かぶ様な気がします。


早坂さんSS「秋空」
伽耶さんの幸せそうな表情が自分なりにも想像できます。
こういったほのぼのした話を読むと自分も何だか微笑ましい気分になりますね。


自分もこういったほのぼのした話を書きたいのですがやはり実力不足でしょうか、なかなか・・・。

FORTUNE ARTERIAL SS 『First Love ~支倉伽耶の初恋~』

「あ~~~~ぁ、長いと思った夏休みも終わってみると早いもんだな~」
学校も2学期が始まって私もそろそろ高校受験も考えないといけない時になってきた。
自分で言うのも何だけど、一応上位の成績をキープしているつもりだからそこそこの高校だったらこのままでも大丈夫だと思うんだけれど一応パパやママが行っていた修智館学院の後期過程を希望しているからいい加減本格的に始めないと少々不安もある。
そんな思いの中での登校中・・・。
ドンッ!!
考え事をしていたら横道から出てきた人にぶつかってしまった。
「あ!!ごめんなさい!!大丈夫ですか?」
「うん。こっちこそごめん。ケガはない?」
「はい。私は大丈夫です。ってあれ?」
よく見ると同じクラスの男子だった。それも私が以前から気になっていた・・・。
「あれ?支倉も家はこっちの方だったんだ?」
「う・・・うん、偶然だね」
結果として一緒に登校することになってしまった。
他愛もない世間話をしながら一緒に教室へ入ると
「おっはよー!!あれ?伽耶が男子と一緒に学校へ来る光景なんて始めてじゃん!どうしたの?」
「え?来る途中でたまたま出会ってね」
友人は不敵な笑みを浮かべながら
「ふ~~~ん、アンタいつの間に彼氏なんて作ったわけ?全く隅におけないね。で、どこまでいったのよ?」
「ちーがーうーかーら―――!!」
「まあまあ、そんなムキになって否定しなくてもいいじゃん。ま、これからどうなるかだしね」
「だーかーら―――!!」
やっぱ止めた・・・これ以上言ったら墓穴を掘りそうだし・・・

チラリ・・・チラリ・・・
無意識のうちに彼にチラチラと目線が行ってしまう。
朝、友達にあんなこと言われたからか分からないけど授業中にも関わらずついつい彼のことが気になってしまう。
一応ノートもキチンととっているんだけど何だか自動的に書いている感じで先生の言葉が頭に入っていかない。
「おっかしいな~?どうしたんだろう?私・・・」


ここ数日間同じ感じだ。
登校時間も何故か彼が来る時間に合わせて行くようになってしまったし、学校にいるときは無意識に彼のことを目で追っている。
勉強をしないといけないのは判っているんだけど、どうしても手につかない。
彼のことを考えると心臓がドキドキしてしまう。

もしかして・・・私、彼のことを好きになっちゃった?

ヤバイ・・・そう思うと更に心臓がドキドキしてきて益々授業が身に入らなくなってきた。
一度そう思い始めるともう隠すのに必死だ。
そういえばパパとママって恋愛結婚って言ってたけどもしかしてママもこんな気分を味わったのかな?


とあるお昼休み
「伽耶――!!お弁当食べよう!!」
「あ・・・うん・・・」
「どうしたの?アンタこのところ何だか変だよ」
「そ・・・そう?いつもと変わらないと思うけど・・・?」
「ホント?ぜったい怪しい」
顔を覗き込まれる
「う―――――――む・・・・」
「な・・・なによ?」
「あ!分かった!!なるほどね、アイツのことが気になってるんだ!!」
「う・・・」
「そっかそっか!!伽耶にもとうとう春が来たんだね」
「春って・・・もう秋になるんだけど・・・」
「その春じゃないっつうの!!分かってて言ってるでしょ?」
これ以上は隠し切れないと思った私は
「・・・分かったよ、白状するから。お弁当食べた後で付き合って」
昼食後私達は裏庭に来ていた。
人気がないのを確認して
「実は・・・」
「そうなんだ。でも好きな人がいるっていうのはいい事だよね。私達も応援するよ」
「ありがとうね。そう言ってもらえると何だかホッとしたよ」
「あとは早いうちに勇気を出して告白しちゃいなよ!!」
「えぇ?!!」
「アイツはああ見えて案外人気があるんだからね。モタモタしてると他の人に取られちゃうよ」
「そう・・・だよね。もうちょっと気持ちが固まったら・・・」
「ホント意外だよね。いつもはあれだけ強気に言いまくる伽耶が恋愛ゴトになったらからっきしなんだから・・・」
まぁ・・・事実だから否定はしないけどね・・・。


とりあえずその日は何の進展もなく帰宅。
「ただいま―――」
「おかえり。ケーキがあるから手を洗ってきなさい」
「・・・いらない」
「え?どうしたの?珍しい。何かあったの?」
「・・・何でもない」
「まぁ、ムリには聞かないけど相談してくれたらのるわよ。これでもアンタの親なんだから本気で考えるわよ。溜め込むよりは吐き出した方が楽になるかもしれないしね」
「・・・ありがと」
しばらく一人で考えてみて『ママだったらいいかな・・・?からかわれるかもしれないけど・・・』
「ママ、ちょっといいかな?」
「どうしたの?」
「ママは・・・告白した方?それともされた方?」
「何よ?いきなり」
「うん・・・ちょっと・・・ね」
ママは“突然何を言い出すのか”って顔をしたけどママは勘が鋭いからもしかしたらこれで分かったかもしれない・・・。
案の定すぐ元の表情に戻った。
以外だったのはそのあと真面目な表情になったことだ。
あれ?いつもだったら詮索するみたいにからかってくるのに?
「そうね。確か私たちの場合はどちらかと言うとパパから半ば強引に告白された、って感じだったかな?いろいろと複雑な事情があったんだけど、『そんなこと関係ない』って感じで」
「・・・そうなんだ。実は私・・・好きな人ができちゃったんだ・・・同じクラスのコなんだけど・・・」
「ふーん。で、告白はもうしたの?」
「ううん。まだ・・・」
「だったら『善は急げ』じゃない。いつまでもウジウジしてるなんてアンタらしくないわよ。私もパパから同じような事を言われたけど、ここで相手に対する気持ちを無かったことにしたらきっと伽耶は悔やむと思う。どっちに転んでもいつまでも悩むくらいならさっさと終わらせて楽になったほうがいいかもよ。それにこんな事言うのは何なんだけど、アンタは受験生でもあるんだから余計な悩みを抱えちゃぁダメ!!」
「そう・・・かもね。ありがとう、ママ。頑張ってみる」
「じゃぁさっさとケーキ食べちゃいなさい」
「うん」


次の朝、私は彼の下駄箱に一通の手紙を忍ばせておいた。

『今日の放課後、体育館の裏で待ってます。
                    支倉伽耶』

たった一行ではあるが、昨夜ありったけの勇気を振り絞って書いた手紙である。
ちゃんと読んでくれるかな?
いや!!絶対読んでくれる!!
そう信じて私は放課後が来るのを待った。
その間にも色んな思いがよぎってきて相変わらず勉強が頭に入らない。
そういうときに限って時間というのはすっごく長く感じる。

そして、運命の放課後。
私は下校時間になるとダッシュで体育館裏に行った。
少し遅れて彼がやってきた。
来てくれたんだ・・・。
多分彼は私が何が言いたいのか分かっていると思う。
「来てくれてありがとう」
暫く沈黙の時間が続いたが私は遂に意を決して

「私はあなたのことが好きです。もしよかったら付き合ってください」

「・・・・ごめん。俺、別のクラスに彼女がいるんだ。公表はしてないけどね。だから支倉とは付き合えない。・・・ごめん、せっかく勇気を持って告白してくれたのに・・・」

「・・・ううん、ありがとう。でももしよかったら今まで通り友達の一人としてだったら付き合ってもらえないかな?」

「それならいいよ。これからもよろしく」

「うん・・・ありがとうね」

「じゃぁ」

「・・・うん」
不思議と涙は出なかった。逆に何だかスッキリした気分だ。
「・・・振られちゃったなー」
こうして私の初恋は終わった。


「ただいま――」
「おかえり」
私はそのまま部屋に入った。暫くすると
「伽耶―――!!支度しなさい。出かけるわよ!!」
「どこ行くのよ?」
「今日は例のお店がケーキバイキングをやってるって。せっかくだから付き合いなさい!!」
何も言わなくてもママは全部分かってるんだね。
ママ・・・ありがとう・・・ね。
「どうしたの?早く行かないと美味しいのを全部取られちゃうじゃない!!」
「ヨッシャ――!!今日は食ったる!!食いまくったる!!覚悟しとけ!!」
「お!!そうこなくっちゃ!!じゃぁ出撃よ!!」
「うん!!レッツゴー!!」






あとがき・・・らしきモノ
久しぶりに書いた『支倉伽耶ネタ』ですが、突然ネタを思いついたので今まで書いていた他のSSを放り投げて一気に書きました。
まぁ・・・突っ込みどころはあるかとは思いますが、お手柔らかに(笑)
ちなみに他の“支倉伽耶ネタ”は投稿した作品ですので他所様のサイトにあります。



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今日のネタ

本日は休日だったのですが特に予定も無かったため一日の殆どPCの前にいたにも関わらずSSの進捗率が上がってません(ToT)

気分転換じゃないんですが本屋に行ったら今更ながらですが『月は東に~』のコミックを見つけたので買ってみました。正直言うと自分はまだこのゲームはやっていません。まぁネットである程度の情報は得ていたという程度ですわ。そのうち気分がそっちに向いたらやってみたいと思います。


追記

早坂さんSS「楽屋裏狂想曲~月見の夜~」
ある意味凄まじい月見ですね。この場合は満月がメンバーを狂わせたのでしょうか?(って狼男の話じゃないっつうの)
最後で孝平が誰を選ぶかでこのあとの彼の運命がきまるわけですね。っていうか誰を選んでもこの後どうなるか考えたら・・・怖いです・・・

謝辞

遅くなりましたが、やまぐうさん早坂さんTMさん SSの紹介及び貴重な御意見どうもありがとうございます。


やまぐうさん>あ----!!なるほど!!その手がありましたか!!後で言われて気付く私の能力はその程度のものです(汗)

早坂さん>こちらもいい月が見れました。

TMさん>あのお方なら本当に感じたりして(笑)

夜明け前より瑠璃色な SS   『十五夜のひと時』

本当にどこに行っても上の連中の考えることというのは分からない。

誰の気まぐれかどうかは分からないがフィーナの留学の期間が伸びたらしいのである。
俺としてはフィーナやミアとまた一緒にいれるのは嬉しいものである。
「いつまでいられるか分からないけどまたよろしく」
「家族なんだから地球にいるときはここにいるのが当り前だろ?改めて言う必要もないよ」
「うふふ、そう言ってもらえると私も嬉しいわ」
「それに9月はまた色々行事もあるしな」
「どんな行事が?」
「そうだな・・・例えば・・・」
「今夜がその一つかな」
台所で麻衣が何かを作りながら答えた。
「何作ってるんだ?麻衣」
「ん?見ての通りお団子で~す」
「あ~そうか!お月見か」
「ピンポーン」
「え?お月見・・・って何ですか?」
一緒に団子を作っていたミアも教えてもらっていないらしい。
「ま、詳しい事は後で」
俺はそう言ってバイトに出かけた。


「今夜はいい月夜だな」
バイトが終わって外に出ると空にはキレイな満月が輝いていた。家に帰ると窓際にはススキと団子が飾られすっかり準備が出来上がっていた。
「で、結局お月見ってどんな行事なの?麻衣も教えてくれなかったし・・・」
どんなことか知りたがっているそのご当地の方が約2名ほど・・・。
「えへへ・・・、実は私も詳しい事は知らなかったりして・・・」
「おいおい・・・、まぁ、ごく簡単に言うと『月を見る』ってこと」
「え??それだけ?って言うかそのまんまじゃない?」
確かにフィーナ達が疑問に思うのも当然だろう。
「その言い方も決して間違いじゃないんだけどね」
「あ、姉さん お帰り」
いつの間にやら帰ってきていた姉さんが
「昔から旧暦8月に当たる9月頃は、空気が乾燥して月が鮮やかに見え、また湿度も低く夜でもそれほど寒くないので、月を眺めるのに最適な時期とされていたのよ。で、この夜は、月が見える場所などに祭壇を作りすすきを飾って月見団子・里芋・枝豆・栗などを盛り、お酒を供えて月を眺めた、というわけなの。まぁ、今日はお団子だけだけどね。それとか昔だったら月を見ながらお酒を飲んだり和歌を詠んだりしたらしいわね」
「・・・だそうです。さすが姉さんだな」
「これでも一応月博物館の館長代理だからね。それなりに勉強はしてるわよ!!」
説明を聞いてある程度納得したのかフィーナが
「それではこの時期になると地球から月に人々の目が向くわけね?」
「確かに言われてみればそういうことになるな」
「なるほど、どおりでこの時期に地球の方から妙に物凄い視線を感じると思ったらこういうことだったのね」
「え??そうなのか??」
「うふふふ・・・。冗談よ」
「あ――――!びっくりした――!」
一同大爆笑

「でも月を見てどうするの?」
「そう言えばそうだな。考えた事なかったよ・・・姉さん、どうなのかな?」
「どうする、というよりも結局のところキレイなものを愛でる・・・ってことじゃないかしら?特にこの時期の月は一番キレイということだしね。もっともお月見のルーツ自体はよく分からないらしいけどね。まぁ地方によっていろいろやり方は違うみたいだけれど、結局月を愛でるという点では同じじゃないかしら」
「ふーん・・・そうなんだ。それより早く夕食にしようよ。お腹空いちゃったよ~」
麻衣が空腹に耐えかねて叫んだ。
「は――――い」
みんな食卓に移動を始めた。

最後に姉さんが居間から食卓に向かう前に月を見て一言呟いた。
「昔と違って今や月に人が住む時代になったけどこういった風流な習慣というのはいつまでもなくなって欲しくないわね・・・」




あとがき
今夜が十五夜ということでとりあえず思いついたまま速攻で書きましたのでかなり雑な文章になってる気もしますが・・・


追記

早坂さんTMさん SSの紹介どうもありがとうございます。

早坂さん>これのシリーズ化までは考えていませんでしたがとりあえず頭を悩ませてみようかと思います(汗)

TMさん>やっぱいざとなったらみんな目つきが変わるんですかね(笑)




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夜明け前より瑠璃色な SS   『音と気持ちの相関関係』

「朝霧君、来てくれないかな・・・?」
今日は今まで一生懸命練習してきた吹奏楽の発表会の日である。
もちろん私と麻衣を始め、吹奏楽部の部員は市内のホールに集合して、今は近くの公園でそれぞれ音を出しながらウォーミングアップ中である。
私も適当な場所で音を出していると麻衣がやってきて
「遠山先輩、何だか調子があまりよくないんじゃないですか?」
「あ、麻衣か。そ・・・そんなことないよ。大丈夫だから・・・」
「でも・・・絶対おかしいです。間違いなく何か悩んでいますよね!!」
麻衣とは結構長い間顔をつき合わせているから分かっちゃうのかな?
「やっぱり麻衣には隠せないな・・・」
「そりゃもう私が入学してからほとんど毎日見ている顔ですからね。先輩の考えている事は何となく分かるつもりですよ」
「そりゃ大したもんだ。うん・・・何となく不安なんだよね。最後だから確かに悔いを残さないように今まで一生懸命練習はしてきたけど・・・」
「あ――――、確かに最後の大会ですから悔いだけは残したくないですよね。でも・・・本当の悩みの原因というのはそれですか?」
「・・・う、うん」
「絶対にウソですよね。私の目を見て言えますか?」
麻衣が『じ―――』っと私の目を見つめてくる
「うわっ!!完全に見透かされているのか!!」
「先輩が分かりやすいんですよ」
「巧みに隠していたつもりなんだけどな」
「どこがですか?もうバレバレなんですけど。本当は見に来て欲しいのにお兄ちゃんに今日のこと話していないんでしょ?」
「ゲッ・・・!!」
飲み込んだはずの反応が言葉になって出てしまった。
「やっぱり図星だ~。でも今日発表会があることは一応私がお兄ちゃんには話しの中で出しておいたから間違いなく知っているはずですけどね」
「うぅぅ・・・、ホントによく出来た後輩を持って遠山さんはうれしいよ・・・」
「あとは先輩の祈りが通じるかですよね。頑張ってください」
「何を頑張るのよ。ってか今日は麻衣も頑張る日だからね」
「それとは話は別です。『一心岩をも通す』ですよ。心を込めて祈ればきっとお兄ちゃんに届きますから」
「・・・アンタいつから宗教家になったのよ?」
「えへへ、じゃ頑張ってくださ~い!」
麻衣は笑いながらフルート組の所へ走っていった。その姿を見ながら
まったく・・・私の教育方針が間違ってたかな・・・?

でも麻衣と雑談をしていたらその時は何となく少しは気持ちが楽になった気がした。
でもまたすぐに不安が襲ってきた。
麻衣も鋭いな・・・実はその通りなんだよね。
本当は朝霧君に告白してそのまま誘って今日の私の晴れ舞台を見に来て欲しかった・・・けど出来なかった。
こんな自分がすっごく情けなかった。
どうしよう・・・体の震えが止まらないよ・・・このままだと間違いなく失敗する・・・どうしよう・・・どうしよう・・・
「翠、大丈夫?何だかいつもの翠じゃないみたいだけど?」
仲間が心配して声を掛けてくれた
「え?あ!!そ、そう?何でもないよ。だ・・・大丈夫だから・・・」
「本当?いつもならムダにやかましいのが今日は妙に静かだからどうしたのかな?と思って」
「“ムダにやかましい”とはどーゆーコトじゃい!!コラ!!」
「わ―――!!うん、翠はやっぱりこうでなきゃね」
「どんだけ――――!!」
「よかったよかった。でも悩みとかあるのなら聞くよ。友達じゃん」
「ありがと。もう大丈夫だから」
「そう?ならいいんだけどね・・・リラックスだよ!リラックス!!」
「うん・・・ありがとね」

気を取り直して再びクラリネットを構えて音を出すがやっぱりいつもの音じゃない。
どうしてだろう?こんなことは今までなかった。
自分愛用のクラリネットのはずなのに全然手につかない。まるで他人のを使っているみたいだ。
このままじゃダメだ・・・と思いながら必死で音を出すが、やればやるほどマイナス方向へ向かっているのが自分でもよく分かる。
「翠。まだやってるの?時間だよ」
「あ、うん。わかった・・・」
結局何の成果もないまま練習を切り上げてこのまま本番に臨まなければいけなくなってしまった。

控え室で待機している間も体の震えが止まらない。
「スタンバイお願いします」
係員の声がした。
「さぁ、行くよ!!」「オ―――!!!」
みんなで気合入れを行うが全然気合が入らない。
お願い!!もし神様が本当にいるなら朝霧君をこの会場に連れてきてください!!このままじゃ私、本当にボロボロになっちゃうよ・・・。
ステージに向かう足がブルブル震えている。
自分の席に座り愛用のクラリネットを構える、が全然手につかない。

もはやこれまでか・・・と思い、ふと顔を上げたその時・・・たまたま見た客席には一人の男子の姿が!
「あ・・・朝霧君!!来てくれたの?」
少し遠くではあるがその姿は絶対に見間違えるわけがない。
次の瞬間私の体内にパワーと自信がみなぎってきた。
“今の私なら絶対に出来る!!”
指揮棒が振り上げられ演奏が開始された。
するとついさっきまでボロボロだったはずの音がいつも以上に生き生きとした音になっていた。
ついでにその音につられたのか分からないけどみんなの演奏まで生き生きと盛り上がってきた気がした。
す・・・すごい!!何なの?この盛り上がりは・・・何だかわからないけどすごいよ!!気持ちいいよ!!
私達の演奏に客席までが手拍子で答えてくれている。
そして物凄い盛り上がりの中で演奏は終了した。
客席は割れんばかりの拍手の嵐。
何て気持ちいいんだろう!!吹奏楽をやってきてよかったと思う瞬間だ。
その拍手に送られてステージを後にする。

私は外に出て深呼吸をした。
「もうこれで・・・悔いはないな。思いっきりできたし・・・」
「遠山先輩、凄かったですね。さっきとは見違えた演奏でしたね。何だか先輩の元気に私もつられちゃったみたいです」
「あ、麻衣。ありがとうね。それと心配かけてゴメン」
「そんな。いい演奏が出来たんだからいいじゃないですか」
「お疲れ、遠山、麻衣」
「あ、お兄ちゃん」
「朝霧君、来て・・・くれたんだね。・・・ありがとう」
「何か遠山に呼ばれたような気がしてさ、気がついたらここに来てた」
「うわっ!!それって何かモロどっかのドラマの話みたいだよ」
「でも遠山先輩の願いが通じたんですよ。私の言った通りじゃないですか?先輩の熱い願いが岩をも通してお兄ちゃんに伝わったんですよ」
私は顔を真っ赤にして
「あ!!コラ!!麻衣、余計な事を!!」
「何かあったのか?遠山」
「な・・・何でもない!!」
「そ、か。じゃ俺は帰るな」
「あ・・・朝霧君!!」
「ん?何?」
「いや・・・何でもない・・・今日は見に来てくれてありがとね」
「あぁ、じゃぁな」
帰っていく後姿に向かって麻衣が
「ったく、お兄ちゃんってホント鈍感なんだから・・・。遠山先輩、いいんですか?このまま返らせちゃって?」
「・・・まったくだよね。私も人にはあーだこーだと言いたいコト言ってる癖に自分のこととなるとからっきしダメだよね」
「も―――、早くしないと私か菜月ちゃんがお兄ちゃんを横からかっさらって行っちゃうぞ!!」
「そりゃ困る・・・って菜月はともかくアンタは妹じゃんか―――!!」
「えへへ、でしたでした」
でも私の願いが通じてくれたのはうれしいな。今日は神様に感謝だね。
このまま私の気持ちに気付いてくれたらもっとうれしかったんだけどな。

よし!!決めた!!
いつまでも弱気な気持ちでいるのは私らしくない!!
昨日までは楽器の腕を磨いてきたけどこれからは女っぷりに磨きをかけて朝霧君に猛烈アタックするぞ!!
「朝霧君、絶対に逃がさないからね!!」

「と、遠山先輩・・・何だか獲物を狙うハンターの目に・・・なってますけど・・・」




あとがき
遠山さんは個人的にもかなり好きなキャラなので遠山さんをメインにしてSSを書きたいと思う気持ちはかなり前からあったのですが、なかなかいいネタが見つからなかったため先延ばし状態になってましたがようやくここにきて書くことができました。
まぁ遠山さんらしさが出ていればいいんですけどね。



追記

やまぐうさんSS「錯視錯に溺れる」
はい。間違いなくこういうのも期待しておりました(コラ・・・)
もっとも自分でも頭の中にはある程度の妄想はあっても実際に文にするとなるとなかなかこれが・・・


早坂さんSS「楽屋裏狂想曲~去りゆく夏の終わりに~」
ある意味シスター天池は会長の上を行く大物ですな(笑)
プールに落とされることを見越して水着を着ているだけならともかく・・・それがスクール水着とは絶対反則でしょう!!思わず想像してしまったじゃないですか!(自爆)


TMさんSS「1日の始まりと、終わりと」
今回は予告編ということでこれからが楽しみです。
それにしても最後の一文・・・怖いです



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謝辞

早坂さん、紹介どうもありがとうございます。

楽しんでいただけたみたいで大変うれしく思います。
やっぱり先ずミアがミアでなくなってしまったんじゃ話にならないですしね(笑)


早坂さんSS「楽屋裏狂想曲~先手必勝!~」
この先孝平はどうなる??!!でも何だか孝平のもてっぷりが羨ましいようなそうでないような・・・(笑)

やまぐうさんSS「tread your dick」
なんだかいいエロ具合です(笑)
おーーーい、孝平!元の世界に戻ってこれるのかーー?!

謝辞

やまぐうさんTMさん SSの紹介どうもありがとうございます。

やまぐうさん>結構いろいろ詰め込みすぎたかな?といった感じも無きにしもあらずといった気もしましたが、楽しんで頂けて何よりです。 フィーナに関してはもう既に色んな方が書かれているでしょうから自分にとっては少々難しい気がします(汗)

TMさん>そういえば何処かの銘菓に『○の月』(○の部分は分かるんですが念のため伏字に)ってのがありましたね(笑) 結構美味しいお菓子でした。

昨日今日(ってもう日が変わってますが)所用で神戸大阪に行っておりました。 大阪で所用の合間に日本橋でSSの資料に使えるのがないか色々物色してたんですが・・・こうして探している時に限ってなかなかいいのが見つからないもので・・・。
ただその所用の内容に関しては使えるものもあるかな?



やまぐうさんSS「貴方の大きさ」・・・このタイトルで先ずよからぬ想像をしてしまった自分は欲求不満なんでしょうか? それにしても日常の僅かな時間の間に行われている出来事でこれだけの話が出来てしまうのは凄いですね。

夜明け前より瑠璃色な SS   『二人の愛とその証  最終話』

退院の日が来た。
私は朝起きたら朝食後早速身の回りを片付け、達哉さんが来るのを待った。
達哉「おはよう。 あれ?早いな、もう支度は終わっているのか?」
私「もういつでも行けますよ」
達哉「それじゃ行こうか」
私「はい」
達哉さんが荷物を、私が瑠那を抱えて病院を後にし歩いて帰った。
私「今日はいいお天気でよかったです」
空はまるで私達を祝福してくれているかのように気持ちよく青く晴れ渡っていた。
達哉「そうだね! 絶好の散歩日和だな」
タクシーを使う事も考えたけど距離が近いので歩いてもそれ程問題ないのと距離的に丁度いいので私がお散歩がしたかったということで歩いて帰る事にしました。
「あ~らミアちゃん、今日退院かい?おめでとう。おやまあ、ミアちゃんそっくりの子だね~」
「おぉ本当だー。カワイイコだね~ おめでとう。大事にしなよー」
私「はい、ありがとうございます」
商店街の人もいつも通り明るく声をかけてくれた。
達哉「まったく、ミアはどこでも人気者だな」
私「そ、そんなことないですよ~」
達哉「でもこうして声を掛けてくれるのはありがたいな」
私「そうですね」

あと歩いて帰るのにはもう一つ理由がありました。
家まで帰る通り道からちょっと外れて細い小道を暫く歩いてたどり着いたのはとある墓地。近くの売店でお花と線香を買って私達は目的の場所に向かいました。
そこには達哉さんのお義父さんとお義母さんが眠ってらっしゃいます。
線香に火をつけ、お花をお供えし 二人で手を合わせて
達哉「親父、母さん 今日は孫の顔を見せに来たよ」
私「お義父さん、お義母さん お久しぶりです。この子が私達の娘で『瑠那』といいます」
達哉「ミアに似て可愛いだろ?二人の孫なんだからしっかり見守っててくれよ」
いろんな報告も兼ねてしばらく話をして
達哉「そろそろ帰ろうか。じゃあ親父、母さん またゆっくり来るよ」
私「それでは失礼します」
積もる話はあるんですけどまた今度ということで私達はお墓を後にしました。

その後はゆっくりと久しぶりのお散歩を満喫して無事家に到着。
達哉・私「ただいまー」
「おかえりなさい。達哉、ミア」
リビングには久しぶりに見る姿が。
私「あ! 姫様、母様!! いつの間に?」
フィーナ「今朝着いたばかりよ。それよりこの子が瑠那ちゃんね。わぁ―――!本当にミアにそっくりでカワイイ~」
私「母様、是非瑠那を抱っこしてあげてください」
私は瑠那を母様に手渡した。
クララ「遂に私も孫を抱く日が来たんですね。姫様に初めてお会いした時に私の影に隠れておどおどしていたあの子が・・・。はいはい、おばあちゃんですよ~~」
私「母様ったら、自分で“おばあちゃん”って言ってるし」
クララ「でももう紛れもない事実だし。はい、姫様も是非」
と言って瑠那を姫様に手渡した。
フィーナ「うふ、かわいい。よしよし」
達哉「この人がフィーナおば・・・」
ギロリ!!
・・・姫様の矢のように鋭い眼光が達哉さんを貫いた。
瑠那「えええ――――――ん!!!!!」
姫様の殺気(?)に驚いたのか突然瑠那が泣き出した。
フィーナ「あらあら、ごめんね~。よーしよしいい子だから泣かない泣かない」
姫様が必死にあやしたら案外すぐ泣き止んだ。
フィーナ「ごめんね、ミア。それにしても元気ね。いいことだわ」
私「すみません。でもあやすのが凄くお上手ですね、姫様」
フィーナ「ふふ、そうかしら?それにしても達哉、“おばちゃん”じゃなくて“おねえちゃん”だからね」
達哉「はいはい・・・わかりました・・・。でも瑠那の前であの視線は勘弁してくれ。実際俺が見ても本当に怖いぞ。さすがに子供なりに殺気を感じたんじゃないか?」
フィーナ「殺気って、失礼ね。でも・・・気をつけるわ」
麻衣「うふふ・・・、あの時言った通りだね」
フィーナ「え?何が?」
麻衣「フィーナさんも絶対自分のことを“おねえちゃん”って呼ばせるに違いないって前に言ってたんだよね」
フィーナ「ふふ、当然でしょ」
麻衣「あ! それと今夜はお隣でお祝いをするからしっかりお腹減らしておいてって左門おじさんが言ってたよ」
フィーナ「そう? 楽しみね。クララは始めてよね」
クララ「そうですね。先日いくらかお弁当を頂いて以来ですね。楽しみにしてます」
フィーナ「あんな美味しい料理は月にいたらなかなか食べられないわね。もちろん別に月の料理が悪いわけじゃないのだけれど、月ではなかなかお目にかかれない料理だから」
達哉「そういえば姉さんは仕事だよね?」
麻衣「そうだよ。今日は早めに帰ってくるとは言ってたけど。それはそうとミアちゃん、胸大きくなったね。私より大きくなっちゃって・・・いいなぁ・・・」
麻衣さんが羨ましそうな顔をして見ていた。
私「え?!! そ、そうですか?あ、そう言えばそろそろおっぱいの時間かな」
私は瑠那を抱きかかえておっぱいをあげた。
フィーナ「こういう光景を見ていると改めてミアはお母さんになったんだなって思うわね」
クララ「そうですね。私もフィーナ様やミアにおっぱいをあげてたときのコトを思い出しました」
お腹一杯おっぱいを飲んだ瑠那は、満足したのか眠りについた。
その光景を皆微笑ましい顔をして見守ってくれていた。
麻衣「幸せそうな寝顔だね。こっちまで癒されちゃう。さて、私達もお昼にしよう」
私「あ、今日は久しぶりに私に作らせてください。入院中にいろいろ勉強しましたし、もうお料理を作りたくてウズウズしてました」
麻衣「それじゃ私も手伝うね」
達哉「お!! 久々にあのゴールデンコンビ復活だね」
麻衣「何それ?お兄ちゃん」
達哉「一応褒めたつもりだったんだけどな・・・」
フィーナ「じゃぁ瑠那はあずかるわね。久しぶりのミアの料理も楽しみだわ」
私「お願いします、姫様」
私はまるでこれまでできなかった鬱憤を晴らすかのように腕を振るった。
麻衣「ミ、ミアちゃん お昼ご飯にそんなに手をかけなくてもいいから・・・」
私「はい、でもせっかくだからと思いまして」
達哉「おいおい・・・一体何が出来るんだよ・・・」
フィーナ「久しぶりに台所に立つから張り切っているのかしら?」
姫様の言ったとおり久しぶりのお料理なのでついつい張り切ってしまってお昼ご飯にしては何故か豪華とも思えるものが出来てしまった。
達哉「何か昼飯にしては凄すぎないか?」
麻衣「ま、いいんじゃないの?今日くらいは」
フィーナ「どっちにしても久しぶりのミアの料理ね。いただきましょう」
一同「いただきまーす」
しばらく料理をやってなかったのでちょっと不安もあったけど、皆美味しそうに食べてくれたのでホッとした瞬間でもあった。

フィーナ「美味しかったわ。ごちそうさま。あと久しぶりにミアが入れてくれたお茶が飲みたいんだけど」
私「はい、かしこまりました」
麻衣「それじゃ私も秘蔵のモノを出さないといけませんな」
達哉「何だよ、もったいぶって」
麻衣「じゃ――――ん!! この日のために作った私特製のケーキで―――す!!」
フィーナ「わ―――! 美味しそう」
私がお茶を入れている間に麻衣さんがケーキを切り分けて食後のお茶会が始まった。
フィーナ「困ったわね・・・夕食までにお腹を空かせておかないといけないわね。 でも・・・」
麻衣「“デザートは別腹” でしょ?」
フィーナ「当たり!!」
このあとは他愛も無い話に華が咲き、いつの間にか時間も過ぎていった。

菜月「こんばんはー。準備が出来たわよー」
達哉「お、菜月おば・・・じゃない、おねえちゃんが来ましたよー」
菜月「よしよし、言葉は正しく使いましょう」
達哉「正しく・・・って、・・・使わされる方の身にもなれっての・・・」
菜月・フィーナ・麻衣「何か言った?」
達哉「・・・ごめんなさい、ってか3人で睨まれると本当に怖いから止めてくれ!!」
菜月「あ、こんな事やってる場合じゃないんだ!!」
この後いつの間にか帰ってきていたさやかさんも一緒に私達はお隣へ向かった。

仁「えー、ではこれから達哉君とミアちゃんの娘『瑠那ちゃん』の誕生記念お披露目パーティーを執り行いまーす。それでは達哉君から一言」
達哉「え!? そ、それでは今日は瑠那の為にパーティーを開いてくれてありがとうございます。え―――・・・瑠那には皆に愛される子になって欲しいと思います。 そのためにも皆さんからもいろいろご指導とかをよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました」
私「ありがとうございました」

パチパチパチ・・・・

仁「それでは私が乾杯の音頭を取らせて頂きます。瑠那ちゃんの誕生のお祝いと健やかな成長、そして達哉君とミアちゃん またここに居る皆の今後の幸せを祈願して、乾杯します!!  乾杯!!」

一同「かんぱ―――――い!!!!」

菜月「・・・兄さん、今日は珍しく真面目に喋ってるわね・・・いつもそうならこっちも余計な気苦労はしないのに」
左門「いい加減真面目になってもらわんとな。何といっても仁には将来『トラットリア左門:月店』を任そうか?とか考えているしな」
一同「えぇ―――――――――――!!!」
仁「お、親父殿! 冗談にしては過ぎるんじゃ・・・?」
左門「こんな時に冗談なんか言わん!!」
フィーナ「でもこの味を月でも味わえると思うと楽しみですわね。私も一日も早い実現に向けて協力しますわ」
仁「うわ~~~~~~!!そりゃ大変だ―――!!もっと精進します・・・」
達哉「ははは・・・、頑張ってくださいよ!!仁さん。この店がアーシュライト家御用達になるかどうかは仁さんの双肩にかかってますからね」
仁「おいおい達哉君、あまりプレッシャーかけないでくれよ」
左門「お前の場合はプレッシャーをかけんと本気にならんからな」
仁「そりゃないでしょ?俺はいつもで本気ですよ」
左門「そうか、ではその本気とやらを見せてもらおうか!」
仁「まかせなさい!!親父殿」



あれから数年・・・
姫様も即位して女王様となり、ご公務もこれまで以上にお忙しくなられたため地球においでになられてもなかなかお家の方へは来て頂く事が難しくなりました。
それでも僅かでも時間が出来ると大使館をこっそり抜け出して、お家においでになられて瑠那と遊んでくださいます。
「ミア、こんにちは」
私「あ!! こんにちは、姫様・・・じゃない、フィーナ女王様・・・でしたね」
フィーナ「ここでは今まで通りでいいわよ。何だか堅苦しくなって疲れちゃう」
瑠那「あ!!フィーナおねえちゃんだ―――!!わ―――――い!!」
瑠那がパタパタと走ってきて姫様に飛びついた。
私「瑠那!『こんにちは』でしょ? ちゃんとご挨拶しなさい」
瑠那「フィーナおねえちゃん、こんにちは」
フィーナ「はい、こんにちは。いつも元気ね」
姫様は瑠那を抱きかかえながら
フィーナ「瑠那も大きくなったわね。そろそろ一度月に連れてきたら?クララも会いたがってるわ」
私「そうですね。達哉さんと相談してみます」
姫様のご尽力により地球と月との国交が回復し、まだ数はそれ程多くないものの月・地球間の定期便も就航されました。
それによって月への旅行も可能になったのですが、私達は子育て等に時間を取られてなかなか実現できずにいます。
でもそろそろいいかな?
私「瑠那、ママの故郷のお月さんへ行ってみたい?」
瑠那「うん」
フィーナ「うふふ、決まりね」

カレン「フィーナ様、やはりこちらでしたか」
フィーナ「あら、ばれちゃったかしら?」
カレン「困りますね、 大使館を勝手に抜け出されては」
フィーナ「あら、ごめんなさい」
というカレンさまの表情は全然困った表情には見えませんでした。
むしろ“今日もしてやったり!!”という感じで楽しそうです。
姫様も姫様で全然申し訳なさそうな表情ではないですし。
今のお二人の会話、凄くわざとらしくて私は思わず笑い出しそうになりました。
大体考えてみれば『勝手に抜け出す』とカレンさまは仰られますが、あの警戒厳重な大使館をしかも女王様ともあろうお方が一人で勝手に抜け出す様な事など容易にできるはずがありません。
ということは?・・・やはりこの人が?

フィーナ「さすがにそろそろ帰らないとまずいわね。カレン、行きましょう。じゃぁミア、瑠那ちゃん またね。達哉にもよろしく伝えて」
私「何もお構いできませんで申し訳ありませんでした。ほら瑠那、フィーナ様にご挨拶しなさい」
瑠那「フィーナおねえちゃん、またね~ バイバーイ」
フィーナ「はい、またね。ミア、また来るわ」
姫様は帰っていかれた。
月旅行・・・か。
考えてみればこうして達哉さんと一緒になっていなければ、私が『月に行く』という立場になることはなかったわけですね。

達哉「ただいまー」
私「おかえりなさい」
瑠那「パパ、おかえりなさーい」
私「あ、今日姫様がおみえになられてました」
達哉「そうか?相変わらずカレンさんが手伝って大使館から脱走してるんだな。 そう言えばカレンさん、確か前に『君主の一見デタラメとも思える我侭を叶えるのが楽しみ』なんて言ってたっけ。大使館を抜け出すなんて簡単じゃないだろうに、きっと二人とも案外スパイごっこでもやってる気分でいたりして」
私「見ているとどちらかと言うと姫様よりもカレンさまの方が何だか楽しそうな表情をしてらっしゃるように見えました」
達哉「ははは。どっちもどっちって感じでいいコンビだな」
私「それと姫様ともお話をしたのですけど、そろそろ一度瑠那を連れて月へ行こうと思うんですけど」
達哉「うん、そうだね。瑠那も大きくなったしそろそろクララさんに顔を見せに行かないといけないね。ミアもたまには里帰りもいいだろうね。よーし、瑠那 おばあちゃんところに行こうな!!」
瑠那「うん」

数日後、達哉さんも無事休暇が取れたので私達3人は中央連絡港の月-地球往還船発着ロビーにいた。
私「最初に私が姫様と一緒に乗ってきた往還船に比べると随分大きくなってますね。それにここのロビーもあの時は人一人居なかったので本当に静かでしたけど今ではかなりの賑わいですし」
国交が回復し月と地球を行き来する人が格段に増えたので従来の船では対応しきれなくなったためかなり大きな船も作られるようになり、それに伴って旅行費用も格段に安くなったので庶民レベルでも割と気楽に旅行感覚で月や地球に行けるようになった。
さやか「フィーナ様とクララさんによろしく伝えてね。それと仁くんのお店にも食べに行ってあげてよ」
あの時の会食での左門おじさんの言葉通り『トラットリア左門』改め『リストランテ左門』のスフィア1号店が開店し、仁さんが店長兼メインシェフとして勤めています。
時々お忍びで行っているという姫様のお話によると左門おじさんと春日おばさん直伝の料理に月で調達した材料を使って一味違う料理を作り出しており、なかなか好評とのことです。
達哉「わかってるって。この分だとアーシュライト家御用達になる日も近いかもな」
さやか「そう言えばフィーナ様、この前はライオネス元国王陛下も連れて行かれたそうで、いい評価を頂いたと言ってたわね」
私「凄いですね。それは尚更行かないといけませんね」
さやか「中でも特に名物なのがあのフィーナ様が絶賛し自分の名前を使用することを許可した『Princess Feena』という名前のシュークリームでこれを食べる事が月の女性の間で一番流行っているらしいわね」
達哉「おやっさんも鼻が高いってもんだな。これまでは何だかんだと言いながらも今じゃ自慢の息子ってことで」
麻衣「それとそっちもいいけどお土産、楽しみにしてるよ。何だったらそのシュークリームでもいいしね、お兄ちゃん」
達哉「じゃぁ、月の饅頭とか?」
さやか「月にお饅頭ってあったっけ?」
私「え・・・え―――と???!!! ・・・どうでしたっけ??」

達哉「それじゃぁ行ってきます」
私「行ってきます」
瑠那「いってきまーす」
さやか・麻衣「いってらっしゃーい」
私達はさやかさんと麻衣さんに見送られて月行きの往還船に乗り込みました。
達哉「考えてみればミアは俺たちの結婚式以来の里帰りじゃないかな?」
私「そう言えばそうですね。ドキドキしてます。あの時は余りゆっくりできなかったので月に着いたら私達が地球に来た時に達哉さんが色んな所を案内してくれた時のように今度は私が達哉さんと瑠那を案内してあげます」
達哉「そりゃ楽しみだな。よろしく頼むよ」
私「任せてください。確か達哉さんは月に来るのは結婚式の時以来2回目になるんですよね?」
達哉「あ、そういえばそうだな。ははは」
達哉さんは言わなかったけど私は知ってるんです。
達哉さんが大学時代に月への留学を断った事を。
『将来を誓い合ったミアを長い間地球においたまま月には行けない。ミアを守ってあげられるのは俺しかいない。俺はミアを幸せにすると約束したんだから絶対にミアに寂しい思いをさせてはいけない』と言って断ったそうです。
私はあとになってさやかさんからそのことを聞かされたのですが、その話を聞いた時は私の為にせっかくのチャンスを断ったのかと思うと正直複雑な心境でした。
でもだからこそ達哉さんは学校以外ではどんな時も私と一緒にいてくれました。
休日は一緒に遊びに行き
一緒の場所で一緒に働いて(今は違うけど)
同じ布団で一緒に寝て
そして・・・晴れて一緒になって
その結果、愛の証を授かり
そして今、こうして新鮮な気持ちで3人一緒に月に行く事ができるのですから凄く幸せです。

そして、私にとっても何年振りかの生まれ故郷である月・・・

今、私の心には色んな思いが巡っています。
あの時見慣れていた風景は今も変わってないだろうか?
達哉さんは月にどんな印象を持ってくれるだろうか?
瑠那は月も好きになってくれるだろうか?
そして 姫様は、母様はどんな顔をして私達を迎えてくださるだろうか?


『○時○○分発、地球発月行き往還船 間もなく出発致します。 どなた様も座席のベルトのご確認をお願い致します。 繰り返します・・・・』

                         

                                       Fin



あとがき
とりあえず以上で一応終了ではありますが、まぁ恐らく誰もが予想できる結末ではあったかと思います。何となくここからまた派生する話が出来そうな気もするのですが、それはまた気が向いたらで・・・。



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謝辞

やまぐうさんTMさん SSの紹介どうもありがとうございます。


一応余談ですが『蛍』の舞台は本編から約1年前を想定しております。よって孝平は当然ながらまだ学院にはいません。 ちなみに悠木姉妹もこの時期に瑛里華と本編のような仲になっているか定かではありませんので登場させておりません。

FORTUNE ARTERIAL SS 『蛍』

※時期的に遅いですがふと思いついたので書きました。



いつの日か館の窓から見えたあの光は何だったのだろうか?

毎年ある時期になると無数のキレイな光が飛び交っているのが館の窓からも見え、館に閉じ込められていた当時の私の荒んだ心を癒してくれていた。

あのキレイな光は何だったのだろうか?


母様から学院に通うために館を出ることを許された私は、ある日ふとこの事を思い出し、調べてみることにした。
でもさすがに漠然と調べてもイタズラに時間が過ぎるばかりである。
なのでここは博学の征一郎さんに聞いてみることにした。
だってクラスメイトに聞いたらもしかしたらバカにされそうだもんね。

放課後の監督生室
兄さんが所要で出かけているのを見計らって
「ねぇ 征一郎さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」
「何だ? 瑛里華」
「毎年この時期になると何ともいえないキレイな色の光がたくさん飛んでいるのを見たんだけどこれって何なのかしら?」
「あぁ、それは蛍と言う虫なんだが館のところにもいたのか?」
な~んだ・・・という感じであっさり疑問は解決。
「えぇ、館の近くに確か毎年このくらいの季節になると窓からたくさんの光が見えたわ。 凄くキレイでずっと見とれてた」
「そうか。 ふむ・・・そういえば確か千年泉にもいたと思うが・・・」
征一郎さんは少し考えていた。
「たっだいま~~~!」
「あ、兄さん お疲れ様」
「ん? どうしたんだ? 征」
「伊織、ちょっと相談なんだが」
「ん? なんだい?」
「一つイベントを企画したいんだが」
「ほう? 征がイベントの企画とは珍しいな。 で、どんなのだい?」
「千年泉で蛍狩りというのはどうだろう?」
「ほほう。 征にしてはまた面白いアイデアだね」
「俺が言ったら悪いか? 丁度いい時期だしな」
兄さんは私をチラッと見て
「風流でいいんじゃないの。 やってみよう。 たぶん瑛里華が“蛍を見たことがなーい”という話からそういう流れになったんじゃないの?」
「んも―――――!! 蛍くらい見たことあるわよ!!」
「ふっ・・・まぁいい。 ではそういう流れで。 準備は俺と瑛里華でやるから伊織はすまんが学院側との交渉を頼む。 企画書は俺がこれからすぐ作る」
「やれやれ・・・俺はいつもそういう役だね」
「と言うかお前の場合はそういうパターンが一番活躍できる」
「さすがに扱いなれてるわね・・・」

兄さんの学院側との話し合いの結果を待って私達は早速蛍狩りの準備に入った。
「さすがは兄さんね。どんなふうに話をしたのか知らないけど学院側をやり込めるなんてそんなに簡単にできることじゃないのに」
「あいつはああいったことでしか役に立たん。いずれにしても期間は限られているから準備も早くやらないとな」
「そうね。先ずは告知からかしら? せっかく企画しても人が集まらなければ話にならないし」
「あとは携行品だな。 先ず懐中電灯に虫除けスプレーは幾つか必要だな」
「俺は何をしたらいい?」
「あぁ、兄さんは宣伝をお願い」
「なんかつれないね・・・」
「他にできる事があるのか?」
「宣伝に行ってきま~す」

兄さんの宣伝が効いたのか後日作成した参加者名簿にはかなりの人数が記載されていた。
「まさか兄さん、何かやるとか企んでるんじゃないでしょうね?」
「とんでもない! あの場所で妙なことをしようものなら征に殺されかねないし!」
「ならいいけど。 まぁ、もっとも兄さんの場合は死なないから半殺しってトコでしょうね・・・」
「全く・・・物騒な妹だね」
「誰が物騒ですって・・・?」
「俺が何をするんだって??」
「あ、征一郎さん。 参加者もかなりの人数になったわよ」
「そうだな。このくらい集まればイベントとしても十分成り立つな」


イベント当日
もしかしたらこの蛍狩りというイベントを一番楽しみにしていたのは私かもしれない。それくらい今日は朝から機嫌がよかった。
幸いなことに学院側からは青砥先生が同行してくれることになったので気分的にも心強いというのもあったのかもしれない。
夕暮れ近くになり集合時間も迫ってくると集合場所には参加者が続々と集まってきた。
「参加者のチェックをしますのでみんな集まってくださーい!」
やっぱりこういうイベントとなるとさすがにカップルでの参加が結構多いみたいである。
ま、さすがにそういう雰囲気かもね・・・。
「あら? そういえば兄さんは?」
「伊織ならたぶん一足先に、ってヤツだろう。 ヤツは当てにするな」
私はこめかみに青筋を立てながら
「・・・そうね」

「そろそろ出発しますが、その前に簡単に注意事項を。 暗くなってきて危険ですので足元等十分注意してください。 それと千年泉は地元の方にとっては大切な場所ですので決して騒いだりふざけたりしないように静かに鑑賞して下さい。 途中で抜けるという方は勝手に抜けたりせず私か征一郎さんに一言言ってから抜けるようにしてください。 後で捜索願いとかの騒ぎにならないようにお願いします。 それでは行きましょう」
征一郎さんを先頭に参加者全員で山道を登っていく。 私は一番後ろで遅れた人がいないかチェックしながら歩いていった。

しばらくすると先頭が現地に着いたみたいで溜息のような声が聞こえた。
そして私もたどり着いた。
すると目の前にはあの時見た光が・・・
ただあの時と違うのは周囲何処を見てもあの光が、しかもすぐ近くで見えることである。
「・・・キレイ」
目の前で繰り広げられるその何とも幻想的な光景に私はもう言葉も出ず時間も忘れてひたすら見入っていた。

どのくらい時間が経ったのだろう・・・
「瑛里華?・・・瑛里華?・・・」
「・・・・・・」
「おい! 瑛里華?」
「え?! あ!! に、兄さん・・・」
「どうしたんだい? ボ―――っとして」
「な、何でもないわ。 キレイだから見入っていたのよ・・・」
「そうか。 ま、確かに館の窓から見るよりは全然いいかもね。 こんな近くでこんなスペクタクルな光景を見れるんだから」
「大袈裟ね。 確かに遠くに見えるのもそれはそれでいいかもしれないけどこうして目の前で見れるのはいいことね。 みんなも感動してくれているみたいだしイベントとしても成功じゃないかしら? ねぇ征一郎さん」
「そうだな。 もっとも今回は瑛里華の一言から始まったことだしな。 そういう意味では今回のイベントは瑛里華の手柄かもしれないな」
「でもここまでイベントとして作り上げたのは征一郎さんでしょ?」
「俺も結構活躍したと思うけどね・・・」
「あ、そう言えばそうだったわねー」
「ホント冷たいね・・・この妹は・・・」
「おーい千堂、今夜は特別に門限を大目に見てやっているとは言ってもさすがに余り遅くなるわけにもいくまい。そろそろ帰らないとな」
「そうですね、わかりました 先生。 私も十分堪能させてもらったわ。 それではみなさーん、そろそろ帰りまーす」
正直まだ見入っていたいのは山々なのではあるけど、もしかしたらこの位が一番いいのかもしれない。
帰り道も征一郎さんが先頭、私が最後尾で千年泉を後にした。

帰り際に何故か一匹の蛍が私の前を横切った。
まるで“またね。バイバイ!”って言ってくれたかのように・・・。

今日のこの感動は私は一生忘れる事が出来ないと思う。

また来年も是非見に来たいな。







あとがき
冒頭にも書きましたがはっきり言ってタイミング的に季節感無視って言うか、かなり遅かったです。
まぁ大体自分の場合はこういった季節モノは後になって思い出したように出てくることが多いのですけど・・・



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夜明け前より瑠璃色な SS   『二人の愛とその証  第2話』

最初は特に感じなかったのですが、ある程度日が過ぎてお腹が大きくなってくるとさすがにお店で働く事ができなくなったので自宅で大人しくすることにしました。
とは言うもののそれでもやはり何かしていないと落ち着かない性格なので麻衣さんの家事のお手伝いと軽い運動も兼ねて商店街へお買い物に出かけると
「あ~ら ミアちゃん、 お腹も大きくなってきたわね~。 こうして皆お母さんになっていくんだよ」
私「あ、こんにちは~」
「ミアちゃん、買い物は旦那にまかせて大人しくしてればいいのに」
私「でも少しは運動しないと落ち着かないですんで」
「そうかい。 まぁおまけに何かつけてあげたいトコなんだけど荷物を重たくして体にさわちゃいけないから、じゃぁいくらかまけとくよ。麻衣ちゃんに何かうまいもの作ってもらいな」
私「はい。 ありかとうございます」
商店街のおじさんやおばさんたちもこうして明るく声をかけてくれたり色々アドバイスをしてくれたりでもう毎日感謝です。
「どんな子が生まれるかたのしみだね~。 きっとミアちゃんに似て可愛い子だよ」
「困ったことや分からない事があったら遠慮なく聞きに来なさいよ。 何たって私達は母親の先輩だから」
私「ありがとうございます。 またよろしくお願いします」
本当に皆いい人ばかりです。


時は経ってお腹も更に大きくなってきたので私は出産に備えて病院に入院することになりました。
達哉さんたちは毎日お見舞いにきてくれて話し相手になってくれますが、それにしても入院生活はヒマです。
身重のためなかなか思ったように体を動かせないから余計にそう思うのでしょうけど、病院の廊下とかで洗濯物やほうきを持って走り回っている人を見ると手伝いたくて仕方がありません。
仕方が無いのでこんな時は麻衣さんが持ってきてくれたお料理の本を見たり、テレビの料理番組を見たりして色んなお料理の研究をしたり、あとは子育ての専門誌を見たりすることにしています。

今日もそんな感じで本を見ていると、さやかさんがお見舞いに来てくれました。
私「あ、さやかさん こんにちは」
さやか「こんにちは。順調みたいね。 ところで今日はサプライズゲストも来てるのよ」
と、その時さやかさんの後ろに見えた人の姿に思わずビックリ!!
私「ひ・・・姫様!!! それに母様!! いつ地球にいらしたのですか??!!」
思わず立ち上がろうとする私に
フィーナ「あ!!ダメじゃない!!そんなに動いちゃ!! 遅くなったけどミア、おめでとう。 今日着いたのよ。 あら・・・お腹ももうこんなに大きくなったのね。 この中に達哉との愛の結晶が育っているのね」
クララ「おめでとう、ミア。 あなたももうすぐお母さんになるのね。 しばらく見ない間に随分しっかりした大人の顔つきになったのね」
私「ひ・・・姫様~~~~!!! 母様~~~~~!!!!」
何故か分からないけど私は二人に抱きついて声を上げて泣いていた。
さやか「あらあら・・・二人に会ったとたんに甘えん坊さんになっちゃって。 うふふ・・・きっと心のどこかに二人に会いたいと願う気持ちがあったのね」
フィーナ「本当に。 さっきクララが大人の顔つきになったって言ったばかりなのに、やっぱり母親の前では子供なのね」
しばらくの間思い切り声を上げて泣いたら気分がスッキリしたのかようやく落ち着いてお話ができるようになったので、姫様と母様とさやかさんも交えての話に華が咲いた。

トントン・・・ドアがノックされた。
「ミア!! 気分はどうだ?」
私「あ、達哉さん」
フィーナ「達哉、久しぶり」
クララ「こんにちは。お久しぶりです。 ミアがいつもお世話になってます」
達哉「こ・こんにちは、こちらこそミアさんには何から何までお世話になりっぱなしで、本当に感謝で一杯です」
達哉「あ、フィーナ 準備は出来たから迎えにきたよ」
フィーナ「分かったわ」
ミア「え?? 今日は何かあるんですか?」
達哉「あぁ、 このあとおやっさんトコで会食」
ミア「いいなぁ~ 私も食べたいです」
達哉「そう言うと思ってほら!!」
ミア「うわ―――――!! 嬉しいです!!」
達哉「おやっさん特製のスタミナメニューだ。 『これ食べて元気な子を産んでくれ』だってさ」
ミア「でもこれ、量が多くないですか? 私一人ではちょっと・・・」
さやか「クララさんの分もよ。 今夜クララさんはここに泊まる手配をしてあるから」
ミア「本当ですか? ありがとうございます!!」
さやか「久しぶりに親子水入らずで積もる話もあるだろうし」
ミア「はい、ありがとうございます」
達哉「じゃぁ 姉さんにフィーナ、行こうか。 ミア、また明日」

クララ「地球での生活ももう慣れたみたいね」
私「はい、皆さん凄く親切にしてくれますので大丈夫です。 それよりも姫様の方は大丈夫でしょうか? 私の我侭のために迷惑をかけてしまって・・・」
クララ「大丈夫よ。 あの時ミアに言ったんでしょ? いつまでもミアがいないと着替えも出来ないようじゃダメだ・・・って。 フィーナ様も自分で言った以上は必ずやるお方ですからミアはそんなことを気にしなくてもいいのよ」

この後、私は料理に舌鼓を打ちながら母様といつ果てるとも知らない会話を交わした。



時は流れて、遂にその日がきたみたいです。
私「うぅぅぅ・・・・」
突然、激しい陣痛がきた。
凄く痛いし不安もないと言ったら嘘になるけれど・・・でも私には達哉さんが、そして皆がついてるから怖くはないし頑張れる。
だってこれから達哉さんと二人で育んだ新しい命が生まれるのだから。
病院側が連絡をしてくれたのか、皆が病院に駆けつけてくれていた。
「ミア――――――!!」「ミアちゃん、頑張れ!!」
達哉さんや皆の声が聞こえる。
達哉さんは私の手を取って
達哉「ミア、頑張って!!」
私「はい。行ってきます」
そして私は分娩室へ入った。


Another view 朝霧達哉

予定日も近づいてこのところ朝から落ち着かない毎日である。
それだけに病院からの連絡がきたと姉さんから聞いた瞬間俺は一目散に病院に走った。
今の俺に仕事なんて考えられない!! 目の前に浮かぶのはミアの姿だけである。
俺「ミア―――――!! 今行くぞ―――――!!!」

俺が息を切らしながら病院に着いたときはもうすぐ分娩室へ連れて行かれるところであった。
暫くすると姉さんや麻衣、そしておやっさんと仁さんも来てくれた。
俺はミアの手を取って
俺「ミア、頑張って!!」
私「はい。行ってきます」
痛みの中に微かな笑顔を残してミアの姿は分娩室に消えた。

扉の前で立っている俺に
さやか「大丈夫よ。 達哉君」
麻衣「そうだよ、お兄ちゃん。 ミアちゃんなら絶対心配無いって!!」
俺「分かっている・・・そんなことは分かっている。 だけど・・・」
左門「タツ、 俺もお前の気持ちはよく分かる。 こういう時、男は結局何も出来ないのが悔しいんだろ?」
俺「・・・そうです。 ミアがあんなに痛い思いをして頑張っているのに俺は・・・手を取って“頑張れ!!”と言ってやることくらいしか出来ないのが悔しいんです・・・。 ミアの痛みを少しでも俺が代わってやれたら・・・って」
さやか「達哉君、それは違うわよ。 そうして手を取って励ましてあげる事がミアちゃんにとっては一番の薬なのよ」
左門「そうだぞ、タツ。 大体お前がしっかりしなくてどうする!! ミアちゃんは今、一世一代の大仕事をしているんだ!! 今のお前の仕事はミアちゃんを信じて精一杯応援してやる、そして終わったら一番に労ってやることだ!!」
俺「・・・そうですね」
ミア、今の俺には“頑張れ!!”と強く願ってやることしかできないけど何処の誰よりも一番ミアのことを応援しているぞ!!

暫く無言の時間が続いた。

「おぎゃ――――」
気のせいだろうか・・・中から元気な産声が聞こえた気がした・・・。
そして・・・
扉が再び開かれた。
「おめでとうございます。 元気な女の子ですよ」
俺の目の前がパッと一気に明るくなった気がした。
俺はすぐベッドに駆け寄り
俺「ミア、お疲れ様」
ミアはニコッと笑って
ミア「はい、頑張りました」
生まれたばかりの天使はミアの横でスヤスヤ眠っている。
とりあえず病室に行ってゆっくり天使の寝顔を見せてもらおう。

Another view end


病室で落ち着いたあと私は生まれたばかりの我が子を抱きかかえた。
我が子の体温を感じる。
生きている事を実感する。
そして、改めて私達の子であることを実感する。
私「そういえばもしかしたらチコもこういうときは同じ気持ちだったんでしょうね」
達哉「チコ・・・か。 というかもうチコの子供たちの時代だな。 もしかしてミアにお祝いを言いにそこに来てるかもしれないぞ」
私「あそこに飛んでいるのがそうだったりして?」
達哉「だったらいいね」
そんな会話をしつつ私は胸に抱いている我が子を見つめた。

私「抱っこしてみます?」
達哉「うん」
私は達哉さんに子供を渡した。
達哉「暖かいな・・・。 こうしてると俺も父親になったのかなって実感するな」
麻衣「とうとうお兄ちゃんもパパになったんだね」
達哉「あぁ、そして麻衣もおばちゃんになっちゃったんだよ」
麻衣「もう―――――、おばちゃんじゃないもん!!」
麻衣さんが頬っぺたを膨らませ、それを見ている周りから笑いがこぼれる。
達哉さんがスヤスヤと眠っている子供の顔を覗き込んで
達哉「当り前なんだけどミアそっくり!!」
麻衣「ホントだ!! ミアちゃんによく似てるね。 でも所々お兄ちゃんとも思えるところもあるね」
左門「ああ、この辺なんかタツそっくりだ」
達哉「ははは・・・俺も一応親ですから」
仁「ははは! そりゃそうだ。 似てるとこが無かったら寂しいな」
達哉「あれ? そういえば姉さんは?」
麻衣「カレンさんに電話してるよ。 たぶんすぐにフィーナさんにも連絡が届くんじゃないかな?」
電話が終わったみたいでさやかさんが入ってきた。
さやか「ごめんごめん。 私にも見せて!! あらあら、ミアちゃんそっくり!!」
達哉「そう言えば・・・名前、どうしようか?」
私「う~~~~~ん・・・どうしましょう??」
達哉「・・・一つ案があるんだけど、いいかな?」
私「はい、どんな名前ですか?」
達哉「ミアの故郷にちなんで『瑠那(ルナ)』っていうのはどうかな?」
さやか「うん。いいと思うわよ、達哉君」
麻衣「そうね。 私もいいと思うよ」
左門「ほう、なかなかいいんじゃないか? タツ」
仁「うん、やっぱり一番頑張ったのはミアちゃんだからね」
私「そ・・・そんなことないですよ。 達哉さんや皆さんに励ましてもらえたからですよ。
でもいいんですか? 私にちなんだ名前で」
達哉「ダメかな? ミアは気に入ってくれると思ったんだけど」
私「そんなことないです。 凄く嬉しいです」
達哉「じゃ、決まりでいいか?」
私「はい。 きょうからあなたの名前は『朝霧瑠那』ですよ」
さやか「じゃぁ名前のこともフィーナ様に報告しておかなければいけないわね」
そういってさやかさんは病室を出て行った。
「ミアちゃん、おめでとう!! 連絡をもらったから飛んできたよ」
さやかさんと入れ替わりに花束を抱えて慌しく入ってきたのは、菜月さんだった。
左門「こら、菜月。 瑠那ちゃんが起きちゃうじゃないか」
菜月「あ、ごめんなさい・・・って、瑠那ちゃんって誰??」
達哉「あぁ、たった今名前が決まったんだ。 ミアの故郷の月にちなんで『瑠那』にしようって」
菜月「あぁ、そうなんだ。いい名前ね。 でもその瞬間に立ち会えなかったのはちょっと残念・・・」
達哉「瑠那、菜月おばちゃんが来ましたよ~~」
菜月「おばちゃんじゃない!! お・ね・え・ちゃん!! でしょ?!!」
達哉「お前は娘を怖がらせるなよ!! いきなり泣かせる気か?!!」
菜月「怖くないわよね~~~。 いい子だもんね~~~」
達哉「何かその笑顔の奥に殺気を感じるぞ・・・」
菜月さんの手にしゃもじがキラリ・・・


Another view フィーナ=ファム=アーシュライト

私「そろそろ予定日も近づいたわね」
私は執務室で一人カレンダーを見て呟いた。
どうもこのところ落ち着かなくて仕事もはかどらない。
意味も無く部屋の中をウロウロすることが多くなり
「姫様、もう少し落ち着かれては?」
と言われることもしばしば・・・。

その時
「フィーナ様、地球のカレン様から高速通信が入りました」
私「すぐまわしなさい」
これを待っていた私は通信文を見た瞬間
私「とうとう生まれたのね。おめでとう!!ミア!! さっそくクララにも連絡しないと・・・」

私「クララ? 私です。 たった今カレンから連絡が入って先程無事女の子が生まれたとのことです」
クララ「そうですか。ありがとうございます」
私「妊娠したときとはうって変わって妙に落ち着いているわね」
クララ「あの時は突然でしたし」
私「いずれにしてもまたもう一度地球には行かないといけないわね」
クララ「そうですね。 孫の顔を見に行かないといけないですね」
私「あ! ちょっと待って。 今、別の通信文が・・・。 えぇ・・・っと、名前も決まったそうよ。 ミアの故郷の月にちなんで『瑠那』ですって」
クララ「そうですか。 私が言うのも何ですけど嬉しいですね」
私「でももしかしたら達哉のことだから結構前から決めてたかもしれないわね」
クララ「ミアもこれだけ大事にしてもらえたら本当に幸せでしょうね。 達哉さんにはとても感謝しています」
私「達哉には私からよろしく伝えておくわ。 地球に行く手筈はまた私の方で整えておきます」
クララ「はい、宜しくお願い致します」
私「それじゃ、これで」
クララ「はい、失礼致します」

達哉とミアもとうとうパパとママか・・・
私もおばちゃんになっちゃったな。でも・・・絶対におばちゃんとは呼ばせないからね。

さて、ミアと達哉におめでとうメールを送っておかないとね。
私「誰か!」
「はっ!」
私「すぐに私の名前で地球のカレン宛に高速通信を送って頂戴。文面は・・・・」
「わかりました」

Another view end


                   最終話へ続く・・・




あとがき
というわけで2話目が終了とさせて頂きます。
一応次で終了ということになっています。



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