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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

夜明け前より瑠璃色な SS   『バレンタイン=イブ』

夕食後しばらくして私とミアはとある荷物を抱えて王宮の厨房にやってきた。
私の姿を見た瞬間
「え?!!!フィ・・・フィーナ様!!どうしてこのような所に??!!」
いきなり私が厨房に入って来たものだから一仕事を終えてくつろいでいた料理スタッフはもうビックリ仰天してる。
「ごめんなさい。ちょっと厨房を使わせてもらうわね」
「すみません」
「そ・・・そんな・・・。調理でしたら我々が致しますので・・・」
「ちょっと作りたいものがあるのよ」
「え??!!フィーナ様自らが・・・ですか??!!」
「そうよ。何か問題でも?」
「い・・・いえ・・・そのようなことは・・・。しかし・・・一国の姫様ともあろうお方に料理をさせたと言う事が陛下の御耳に入りでもしたら我々は・・・」
「うふふ、それは大丈夫よ。父様にはちゃんと前もってお話はしてあるから」
「そ・・・そうですか?でしたら・・・」
「それにこれは私の手作りじゃないと全く意味がないから。じゃミア、始めましょう。指導よろしくね」
そう言って私は持ってきた包みを調理台に広げた。
この日のためにわざわざミアに頼んで買ってきてもらった物である。
「はい。お任せください」
「あの・・・フィーナ様、これは?」
「見ての通りチョコレートよ」
「それは分かりますが・・・何をされる御積もりで?」
「地球には2月14日に恋人やお世話になっている人にチョコレートを贈る習慣があるということなの。だから私も手作りチョコに挑戦してみようと思ってね。丁度明日地球に行く事になってるから丁度いいし」
「あぁ、なるほど。それにしても地球には面白い習慣があるんですね」
「もっとも恋人の場合は“本命チョコ”で、お世話になっている人の場合は“義理チョコ”と呼ぶらしいんだけどね」


というわけで厨房の一角を借りて私達は手作りチョコの製作にかかった。
本を広げ、ミアの指導の下で始めたのだが、さすがに普段から料理などすることがない私にはなかなか難しい。
最初に板チョコを包丁で刻むのだけど、私の包丁の使い方がどうも危なっかしいらしく目の前にいるミアや後ろにいる厨房スタッフがヒヤヒヤしながら見ているのが何となくわかる。
何だかちょっと失礼ね・・・。
「姫さま、落ち着いてやれば絶対大丈夫ですから」
「えぇ、任せて」
とは言うものの一応刃物を使っているから私も真剣だし、回りも万が一私が怪我でもしたらということで気を使ってくれているのか固唾を呑んで見ているみたいだ。
思ったとおり無事チョコを刻み終わったらみんな安堵の表情をしていた。

あとは刻んだチョコを湯せんで溶かして型に流し込み冷蔵庫に入れて一段落。
「ふう・・・結構手間がかかるのね」
「でも達哉さんが喜んでくれるならいいじゃないですか」
「それもそうね。うふふ」

そしてチョコが固まるのを待つ間、厨房スタッフと暫しの雑談。
この頃になるとさすがに彼らの緊張も解けてきたのかある程度普通にお話をするようになり、お料理に関する話に華を咲かせた。


「姫さま、そろそろ固まったんじゃないんでしょうか?」
「あ、そう?じゃ出してみましょうか」
冷蔵庫から型に入ったチョコを取り出しバットの中でひっくり返す。
すると型から外れたチョコが姿を現した。
キレイにハートの形になっている。
「いい感じですね。姫さま」
「そうみたいね。味見してみましょう」
早速私達は一つ口にする。
「美味しいです。成功ですね、姫さま」
「えぇ、巧くいったみたいでよかったわ。よろしかったみなさんも」
「え?!!よろしいんですか?」
「えぇ、どうぞ」
「おいお前たち!!フィーナ様自らお作りになられた物を食べる事が出来るという栄誉を与えられたのだぞ!!心してしっかり味わって食べろよ」
「はい!!!頂きます!!」
「そんな大袈裟な・・・」

「美味しいです。フィーナ様」
その表情はお世辞ではないようね。よかったわ。
「この栄誉は末代までの自慢話になります!!」
「それもちょっと大袈裟すぎね。でもありがとう」

「それではあとはラッピングですね」
「えぇ、この箱を使えばいいのね」
出来上がったチョコを専用の箱に詰めて包装紙で包みリボンをかける。
父様とマスターと仁さんにあげる義理チョコ(ごめんなさい)、そして・・・一つだけ包みと中身がちょっと違う達哉にあげる本命チョコが完成した。

「できたわ!!」
「やりましたね、姫さま」
「えぇ、ありがとう。ミア それからスタッフの皆さん」
「そんな・・・私達は何もしておりませんし」
「でも皆さんの協力がなければできなかったですしね」
「あ・・・ありがとうございます」


出来上がったチョコを持って私は自室に帰ってきた。
明日地球に行く準備はもう既に出来ている。
後はこのチョコをバッグに入れるだけである。

そのチョコが入った包みを眺めていると愛する達哉の顔が浮かんできた。
「やっと明日は逢えるのね」
そして
「私がこれを作ったなんて言ったら達哉はどんな顔をするかしら?」
それを考えるともう眠れない。
「いけない・・・明日の朝は早いのに寝ないといけないわ」
それがわかっているにも関わらず、いつまでもチョコの包みを眺めながら嬉しさのあまりニヤニヤと惚気た笑いが止まらない私だった。




あとがき・・・みたいなの
タイトルからすると前日の話なのにこのネタを思いついたのが今日の朝方というこの状況・・・。
でもまぁせっかく思いついたから書いてみました。


追記
マクさんSS 「二人のバレンタイン
口移しとか・・・そういう貰い方をしてみたいもんですな(^^;
でも考えてみると逆に失敗作だからこそ手作りである気持ちが伝わってくるかと・・・いう・・・気も・・・
まぁ余り縁がない人から見ると羨ましい拷問でしょうか(^^


朝霧さんSS
2/12 『信じている』と簡単に(?)言いますが結構大変なことですよ。

2/13 実際キーボードを打つかのごとく携帯でメールを打つのもこれもなかなか・・・
因みに自分の場合はキーボードの方がよっぽど早いっす・・・。
さて、明日は何が起きるのでしょう?




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E-mail:morn-8.10@ninus.ocn.ne.jp(@は半角で)



『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。