FC2ブログ

気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

FORTUNE ARTERIAL SS    『去る者あれば来る者あり』

学年末試験も無事終わって学院は春休みに入った。
俺は生徒会メンバーでもあるので間違っても赤点を取ることなどは御法度なためそれはそれは必死に勉強をした。
というよりは瑛里華に発破をかけられたと言うか、厳しく(瑛里華曰く懇切丁寧にとても優しく)教えて頂いたというか……でそれなりの成績を修めることができたわけだ。
まぁ、もし赤点など取ろうものならありがたい補習に加えて優しい会長様からの心温かい叱咤激励(?)が待っていたからもう必死だった。
で、その甲斐あってすりおろされることなく五体満足無事で(?)いられることができ、そして平穏な日々を過ごす事ができたわけだ。
生徒会の方も出来る仕事は早めにやっつけておいたからか割と時間的に余裕もできたので瑛里華とデートする時間も案外取れている。ま、こっちの方も平穏無事というわけだ。


で、今日は久しぶりに朝からゆっくりできる日である。
というわけで俺はとりあえずゆっくり寝ていたわけだが
プルルル……
枕元の電話が鳴った。
「誰だよ……こんな朝っぱらから……」
眠い目を擦りながら表示を見てみると
『千堂瑛里華』
ピッ
「……はい……もしもし」
「おはよう、孝平。眠そうな声ね。電話に出るのが遅いんじゃない?」
「そりゃ今まで寝てたからな。電話で叩き起こされたようなもんだ」
「それはそれは」
「で、何かあったっけ? 仕事とか……」
「も~~~、何で私の声がしたら仕事と直結されないといけないのよ。失礼しちゃうわね……。せっかく優しくてカワイイ彼女がモーニングコールしてあげてるっていうのに」
「……で、本題は?」
「『優しくてカワイイ彼女』のトコを見事にスルーして下さいましてどうもありがと」
「ははは、自分で言ってりゃ世話ないしな。そりゃそうと何かあったっけ?」
「ううん……特に用事というわけじゃないんだけど、今日はお天気もいいし一緒にお散歩とかどうかな? と思ってたんだけど……迷惑……だったかしら?」
何か瑛里華の声が妙に申し訳なさそうな声に変わった。どうしても俺はこの声には勝てない……。
「そ……そんなことないよ。行こう行こう。すぐ支度するよ」
「うん。それじゃ玄関で待ち合わせね」
「あぁ、すぐ行く」


俺は電話を切るとすぐに飛び起きて服を着替え支度をして待ち合わせ場所である玄関に急いだ。
これでも急いで出てきたつもりだったんだけど瑛里華は既に玄関で待っていた。
「おはよう。ってか……早すぎないか? 瑛里華」
「あ、おはよう孝平。まぁ電話の時点でもう支度を済ませていたからね。とは言っても……やっぱりこういうときはあのセリフを言って欲しかったわね~」
「え?? あのセリフって?」
「もう……鈍感……」
ちょっと拗ねる瑛里華
「ん?」
俺は必死で考える……ポク・ポク・ポク・ポク・ポク・チーン
あ、そうか!!
「ゴメンゴメン、待った?」
すると瑛里華はパァ~~っと明るい顔になって
「そう!それ!! ううん、私も今来たトコ」
正直ベタなやり取りではあるんだけど瑛里華がそれで喜んでいるんだし、まぁいいか。


俺達がこんなやり取りをしている間に寮の玄関に1台のトラックがやってきた。
「ん? 宅急便か?」
とは思ったが見ていると妙に荷物が大きいし、数も相当ある。
「これまたスゲー荷物だな……引越しでもするみたいに……」
「あ~、そっか。新入生の引越し荷物ね。もうそういう時期だもんね」
「あ、なるほど。ついこの前かなでさんや伊織先輩や東儀先輩達6年生が卒業してここを出られたばかりだけど、出る人あれば来る人ありだな」
しばらくすると寮の中から数人の見慣れない子達が出てきた。
『ご苦労様です。荷物はここに置いておいてください』
「あら? もしかしてあなた達は新入生?」
「は……はい、そうです。今日から寮に入ることになりました。これからよろしくお願いします!!」
「こちらこそ。それじゃ頑張ってね」

「新入生か……。何だか初々しいよな」
「そうね。そういえば孝平はもうベランダから襲撃を受けないからホッとしてるとか?」
「あのな~~、それはかなでさんが勝手に……」
「まぁ孝平の場合はたまたま上が悠木先輩の部屋だったということでそれがよかったのか悪かったのか……ってとこかしら?」
「どっちにしても悪かった思い出はないと思うし、かなでさんには本当に最初からいろいろ世話になったしな」
「っていうか、みんなこの寮には何かしら思い出があるわね」
「そうだな。俺はこの寮に入ってからもだけど……学院に来て早速初日にいろいろあったっけ」
チラリと瑛里華を見るとジト―――ッと睨まれた。
「あの時の校門での出来事は忘れなさい!!」
「……はい。まぁそれ以外にも初日からいろいろあったよな」
「そっちは聞いてみたいわね」
「それよりもとりあえず玄関でずっと立ち話もなんだからどっか行かないか?」
「そうね。とりあえずどこかで落ち着きましょ」
「それだったらこの前司に教えてもらったいい店がある」


散歩がてらに俺達は街まで出て教えてもらった店に入った。
「感じのいいお店ね」
「あぁ。何でもここのケーキがまた美味いらしい」
「いつも思うんだけど八幡平君ってどこからそんな情報を持ってくるのかしら?」
「さぁ。でもその情報が割りと正しいのは凄いな」
「そうね」
というわけで俺達は司おすすめのケーキと飲物を頼んだ。

「で、さっきの話の続きね」
「さっきの話……って?」
「もちろん孝平が来て初日に何があったか? ってコト」
「あぁ、校門で瑛里華と握手した瞬間に……」
「……すり下ろすわよ、孝平」

「え~~~っと……来て早々に階段を転がり落ちてきたでかなでさんに激突されて死にかけた……とか、荷物が届いてなくてその日は司の部屋で寝袋借りて寝たりもしたっけ。まぁいずれにしてもこの1年だけで今まで生きてきた10数年分以上の強烈な体験をさせてもらったよな」
「それは私や兄さん達のコトも含めて?」
「まぁ、ありゃとんでもなく強烈な体験だったさ。伊織先輩のあの瞬間を見たとき正直俺は殺されるかと思ったし」
「う~~ん、私が言うのも何だけど確かに見ていてあまり気持ちいい光景ではないかもね。その後の孝平の姿はまるで別人の様だったわ……」
「そりゃ普通は信じられないから最初は誰でも大なり小なりああなるんじゃないか? そのあとそれを受け入れるかどうかの違いだと思うが」
「でも孝平はその私達を受け入れてくれた……。吸血鬼だった私を心から……。でもだからこそ孝平には本当に余計な苦労をかけちゃったし……」

ヤバ……瑛里華がちょっと沈み気味の顔をしている。ちょっと話題を変えないと……。
「そ……そういう瑛里華はどうなんだよ? まだあと1年あるけど今までの寮での想い出って何がある?」
「私? そうね~、私の場合はやっぱり始めて屋敷を離れて暮らしたコト……というのが大きいんだけど、でもそれよりなんと言っても一番大きいのは……」
「何?」
「聞きたい?」
「何だよ……ここまで引っ張ってもったいぶるなよ」
瑛里華は不敵な笑みを浮かべて
「孝平にお風呂を覗かれたコト……」
「うわっ……それこそ頼むから忘れてくれ」
「どうしよっかな~~」
「あの時のことは俺の中ではもう忘れかけてたのに……」
「私は絶対に忘れないわよ。ま、これは冗談よ。本当は……」
今度はちょっと恥ずかしそうにニッコリ微笑むと
「やっぱり孝平と初めて一つに結ばれたあの夜のコト……かな」
「うわ!!!」
コイツは突然なんてことを言うんだ!! でもさっきのちょっと沈み気味の顔よりもやっぱり瑛里華には笑顔がよく似合うよな。


そのあとも二人で色んな話をして俺達は店を出た。
「今日はいい気分転換になったみたいだな」
「そうね。また今までとは違う美味しいケーキを食べられたし幸せ。さて孝平、これから新入生も入ってくるんだし、ここからが本番よ!! もっともっと頑張らないといけないわね!!」
「さすが突撃生徒会長!! 張り切ってるな」
「“突撃”は余計。それに私達も入学の時にはいろいろやってもらったんだから今回は私達が新入生を迎えるいろんなコトをしてあげなければいけないしね。寮のイベントも含めて」
「そうだな。まぁ、生徒会と寮が一体となってやれば何でもできるさ。去年がそうだったように」
「うん、それに……うるさかった兄さんもいないし、これからは私の好き放題にやるわよ!! 先ずは手始めに入学式と新入生歓迎会よね。派手に行くわよ~~!!」
瑛里華のあの目……完全に本気だ!! やる気だ!!
「おいおい瑛里華!!何事も程々に……」
「分かってるわよ!! でも今度こそ完全に私達が主役なんだからね!! どんどん飛ばしていくからちゃんとついてきなさいよ!!」




あとがき……みたいなの
本当に久しぶりにFAのSSを書いた気がします。過去ログを見ると1ヶ月以上振りって……
まぁどうしてもMCの影響が強かったから『夜明け前~』ばかり思いついてしまってたんでしょうか?



ブログパーツ

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://kimama810.blog64.fc2.com/tb.php/160-39a2f08c

 | HOME | 

Calendar

« | 2019-08 | »
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

TIPS114 記念日にメッセージを表示する

Birthday


今日は誰の誕生日?


Recent Entries

Categories

Monthly

通算ランキング

月間ランキング


アクセスカウンター





現在の閲覧者数:

Recent Comments

Recent Trackbacks

Appendix

福hide

福hide

『気ままな場所』へようこそ!

文字通り思いつくまま気ままにSSを書いているところです。
主としてオーガスト系(といっても種類はかなり限定されていますが)とあとはちょこちょこと気が向いたらなのは系他も書いてたりして。

当ブログはリンクフリーです。
この様な所でよろしければ御自由にして頂いて結構です。
報告とかも任意で構いません。
ただ、メール等で御一報下さればコチラからも改めて御挨拶に伺わせて頂きます。


E-mail:morn-8.10@ninus.ocn.ne.jp(@は半角で)



『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。