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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

夜明け前より瑠璃色な SS     『元気ですか?』

朝から雨で少々鬱でした……。
もっとも夕方には止んだので出動しましたが(^^

今日は渋柿茉理さんの誕生日ということなんですが、相変わらずどうも自分ははにはにのSSはうまく書けそうにありませんm(_ _)m



というわけで


TMさん SSの紹介と感想どうもありがとうございます。
自分も同じく……
夏なんて……ただ四季のうちの一つです……



早坂さんSS 『それぞれの夜 ~達哉~
フィーナが加わってだんだんと話がややこしいコトになってきますね。
またこの先どんな波乱になることやら。

やまぐうさんSS 『梅雨明けて
確かにささやかではないですな(^^;
既に1回戦を終えた後だったんですね。
それにしてもきりきりはともかくとして孝平のスタミナも凄いですわな。




夜明け前より瑠璃色な SS 『元気ですか?』



私の目の前にあるのは一つの祭壇。
そこに飾られている写真はお父さんとお母さん、そして……お兄ちゃん。
私は祭壇の花を取替え、お父さんとお母さん、そしてお兄ちゃんの好きだったお菓子を供える。
そう……私のお兄ちゃん、朝霧達哉は数年前からもうこのお家にはいない。

「お父さん、お母さん 私達は元気にしてるよ。それからついでにお兄ちゃん……今、どうしてるかな? 元気かな?」

こういった祭壇に向かって『元気かな?』と言うのは正直おかしいんだけど……。
正確に言うとお兄ちゃんのお骨はここにも朝霧家のお墓にもない。
もっと言うと実際に亡くなった訳ではないのだ。
だけど、様々な手続き等の都合上やむを得ずお兄ちゃんは亡くなったことになっているし私達ももうそのつもりでいる。
実はお兄ちゃんは、数年前にシンシアさんを追って何処へ旅立った。


お兄ちゃんが旅立つ数年前、私達は始めてシンシアさんの正体について知らされた。
シンシアさんは確かに月人ではあるのだけどターミナルと呼ばれる所で700年も前から生きていること(ターミナルっていう場所の理屈も一応説明してくれたんだけど、私の頭ではイマイチ理解できなかった)、それを作ったすっごい科学者であること、そしてお兄ちゃんとシンシアさんの出会った時から何故私たちに本当のことを隠していたのか等を聞かされた。
話を聞いて正直私達はびっくりした。
そりゃ700歳なんて普通誰が信じる?
最初は、『まったく冗談にも程があるよ』と思ったけど、さすがにあれだけ真顔で言われると幾ら何でも信じざるを得ない。
それにしてもシンシアさんって私達が考えていた以上にすっごい人だったんだね。私だったら絶対に同じことはできないよ。

そしてお兄ちゃんがどうしてもシンシアさんのことを忘れられないことと、シンシアさんを追って行きたいと言うことを告げられた。
そして……そのためには私達と永遠に別れなければいけない、ということも。

当然ながら私やお姉ちゃんを始めみんなは猛反対した。
特にお姉ちゃんや左門おじさんや仁さんがあんな凄い剣幕をした顔なんて始めて見たよ。傍で見ててももう怖いっていったらなかった。
もっともだからと言ってそれで素直に引き下がるお兄ちゃんじゃなかった。
その後三人ともしばらくの間、お兄ちゃんと口もきかなかったしお互い目も合わせなかった。
正にもうこの時の私達家族は空中分解寸前だった。
私はというと……何も出来ずにただただオドオドするばかり。
でも……お兄ちゃんは諦めなかった。
確かに昔からお兄ちゃんは変なところに諦めが悪いところがあったんだけど、正直ここまで諦めが悪いとは思わなかった。
何年も時間をかけてみんなと話をした。年単位だよ……。
そうしているうちに時間が経てば忘れるか現実を見て諦めると思っていたみんなの方が逆に根負けしてしまった。
それほどお兄ちゃんは本気だったんだね。
あとでお姉ちゃんや菜月ちゃんや遠山先輩も同じコト言ってたんだけど、私もこんな風に男の人から自分の全てをなげうつくらい強く思われてみたいよね。


そして、お兄ちゃんが家を出て行く日がきた。
最後の食事を食べ終わると
「ごちそうさま、それじゃそろそろ行くよ」
「もう行っちゃうの?」
「あぁ、約束があるんでな」
荷物を持って玄関を出ようとするお兄ちゃんに
「お兄ちゃん……私達も最後の最後まで見送りに行ってもいいかな……?」
お兄ちゃんは少し考えると
「いや……できたら俺がこの玄関の外に出たらもうそのまま俺のコトは忘れてくれ。これ以上みんなの顔を見てるとせっかく決心したのに未練が出てきそうだし、そうなるとこれまで何年もかけてみんなを説得してきたのがムダになってしまう……」
「できたら……その未練を出して欲しいよ……」
「……ごめん。それじゃ」
「た……達哉、絶対にシンシアさんを困らせるようなことをしたら……許さないからね! ……分かってるよね……私のじゃもじは……たとえ達哉がどこにいても……正確に捉えるんだから……うぅぅ……」
菜月ちゃんももうボロボロに泣いている……。もちろんここにいる私達全員も……。
「あぁ、分かってるよ……」
ドアを開けて出て行こうとするお兄ちゃんに私は
「お……お兄ちゃん!!」
「……ん?」
そう言ったお兄ちゃんはこっちを振り向かなかった。
そうか……もう、お兄ちゃんは私達と決別すると決心してるんだ……。
そう思った私は
「な……なんでもない。……元気でね。シンシアさんにあったらよろしく伝えてね」
「あぁ……」
お兄ちゃんはそれから一度もこちらを振り返らず外に出た。
バタン……
静かに玄関が閉じられ、お兄ちゃんは行ってしまった。
しばらく沈黙の時間が流れた。
もしかしたら考え直してまた戻ってきてくれるかな? と一縷の希望を持ったが再びお兄ちゃんが扉を開けて入ってくることはなかった。

『もう……お兄ちゃんはここには帰ってこないんだ……』


そしてその後、数年の月日が流れた。
今の私達はとりあえずほとぼりがさめて以前のように普通の生活をしている。
たった一つ、お兄ちゃんがいなくなったことを除いては。
表向きにはお兄ちゃんは海外に旅に出て、とある旅行先で不慮の事故で亡くなったことになっている。
コトの真相を知っているのは朝霧家と鷹見沢家とあと他は遠山先輩のみ。
カレンさんやリースちゃんは……知ってるんだろうか? もっともこれはお姉ちゃん次第だけど。
お葬式も大袈裟にやらず朝霧家と鷹見沢家と遠山先輩のみでひっそりと行った。もっともこれはもしかしたら……ということもあってやるかやらないかで一悶着あったんだけど、もう二度と帰ってくることはないと思った私達は一応ご近所の手前もあるかと思い、ささやかでも何らかの形でやっておいた方がいいかもしれないということで身内のみで形だけ行った。
だけど例え形だけとはいえお葬式までやってしまうといよいよお兄ちゃんはもう帰ってくることはありえないということを私は実感してしまった。


チ~~~~ン
私は鐘を鳴らし目を閉じると静かに手を合わせた。
「お父さんとお母さんだったらお兄ちゃんのことを見守っててあげられるよね。私達はちょっとムリだからこの人騒がせなお兄ちゃんを監視しててあげてね」

目を開けた私は、お兄ちゃんの写真に向き直ると
「お兄ちゃんはシンシアさんに会えたかな? 私達がいなくても元気にしてるかな? 仲良くやってるかな? ほんとお兄ちゃんはどこまでも人騒がせなんだからシンシアさんにムチャなこと言ったりしてないかな? シンシアさん、もしお兄ちゃんがヘンな事言ったら私が許すから遠慮なく手でも足でも棒でも出しちゃっていいからね」




あとがき……みたいなの
以前に書いたシンシアSS『おやすみ、そして……おはよう』の裏話みたいな内容になってます。
実際には死んでないのに葬式までやって死んだことにするということはどうなのか? と思われるかもしれませんが、これも一つのSSのネタということにしておいて下さい。
それとここの宗教とかはわからないので一応仏壇とかではなく祭壇という表記で書いています。
それにしても……シンシア絡みの話って、あちらを立てればこちらが立たずという感じで何で幸せな一方でもう一方はは切ない方面の話になってしまうんだろう?
やっぱり時間の壁って厚いんでしょうか? 少なくとも自分にとっては。

※フィーナ達に対しては……ですが、話がややこしくなりそうなので出演させていませんので存在は考えないで下さい。もちろん突っ込まれても答えられません。



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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。