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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

FORTUNE ARTERIAL SS 『お洒落をして街に出よう!』

「母様、早くー!!」
「あせるでない、瑛里華」
今日は母様と二人で初めて街に買い物に行く日。
他人から見れば何の変哲もないこういった平凡といえる生活を送ることを私はどれだけ待ち望んだであろうか。


コトは先週の休みの日に遡る。
学院が休みの日に実家に帰った私は久しぶりに親子水入らずの休日を楽しんでいた。
もっともすぐ横には紅瀬さんもいたのだが彼女は彼女で適当にその場を楽しんでいたみたいだ。
久しぶりに家族で食事をしてその後はお茶を飲みながら他愛のない世間話に花を咲かせていた中で私は
「母様と街へショッピングに行きたいな・・・」
「ショッピング??」
「要するに買い物の事よ、伽耶」
「買い物って・・・別にあたしと行かなくてもいいだろう?適当に店に行って好きなのを買ってくるがよかろう?」
「そうじゃなくて・・・母様と一緒に行きたいの!!」
「あたしと一緒にか?まぁ別に付き合ってやらなくもないが・・・で、何を買いに行くのだ?」
「う~~~~~~~ん、服とか・・・いろいろとね」
「なんだ、何を買うのか決まっておらぬのか?」
「伽耶、そうじゃなくて千堂さんは買い物にかこつけて伽耶と一緒に街へ遊びに行きたいだけなのよ」
「そ・・・そういうことよ・・・母様もずっと館にばかり篭っていないでたまには外の世界にも出てみたらいいんじゃない?」
「そうならそうと最初から言えばいいだろう?まったく・・・判りにくい言い方をしおって」
「んも―――、いろいろあるの!!」
「なに怒っておるのだ?」
「別に!!」
私達のこのやり取りが面白かったのか、横にいた紅瀬さんが突然笑い出した。
「何がおかしい?桐葉」
「二人ともこういう所は全然変わってないわね」
「何よ―――!」
「フッ、別に・・・」
「まぁよい。たまにはそのショッピングとやらに行ってみるのもよかろう」
「ありがとう。母様」
私は嬉しくて思わず母様に抱きついていた。
「こ、こら瑛里華 やめんか!!離せ!!」
「だって母様とお出かけできるのがうれしくて」
「わ・・・分かったから!!とりあえず離せ!!」
「あ、ごめんなさい」
「ふう・・・まったくこの娘は・・・」


そして待ちに待ったお出かけ当日。
「母様、準備できてる?」
「あたしはいつでもいいぞ」
「って母様、その格好で行くつもり?」
「別にいいであろう?なにがおかしい?」
母様の格好はいつもの豪奢な和服姿であった。
「決して悪いってわけじゃないんだけど・・・たまには洋服着てみない?」
「あ、あたしはこれでいいのだ」
「う~~~ん、母様だったら・・・こんな感じとかいいかもね」
「伽耶だったらこんなのもいいかもよ」
「何をしとるか?お前達」
「いや、これなんかもどうかしら?」
「それだったら下はこれがいいかもね」
「だから何をしとるんだ!!お前達!!」
「よし、決まりね」
「あたしを無視して二人で何をしとるか?」
「じゃ服がきまったら・・・あとは着せる、と」
母様を見て紅瀬さんと二人でニヤリとする。
「な・・・なんだ?お前達のその目は?」
「それ!!かかれ!!」
「こ、こら!!何をする!!やめんか!!」
「大人しくしなさい!!伽耶」
「母様をコーディネイトしてあげるんだから抵抗しないの!!」
「桐葉!!離せ!! こら瑛里華!!変なトコ触るな!!」
ジタバタする母様を紅瀬さんが押さえつけて私がさっさと洋服を着せてしまった。
「さぁできたわ。どう?母様」
「どう・・・って、よくわからん、それにしてもこんなハイカラな服・・・」
「ハイカラ・・・って、いつの言葉よ」
「うふふ、よく似合ってるわよ 伽耶」
「う、うるさい!!ったく」
「母様、行きましょう」
「二人ともいってらっしゃい」
「わ、分かった。ちょっと行ってくる」


しかし一応親子連れではあるが傍から見るとどう見ても親子逆、あるいは姉妹か。
でもさすがにいつもの和服を着ていたら物凄い注目を浴びていたであろうはずだが、今日は洋服を着ているからか一応風景に溶け込んでそれ程の注目を浴びていない。

「何だ?あちこちをウロウロしているばかりで買い物といってもまだ一つも買っておらぬではないか?
「そりゃ、気に入ったのがあったら買うわよ。それよりも母様と一緒にこうして街を歩けるのがうれしいのよ。あっ!!」
私は1軒のアイスクリーム屋を見つけた。
「ええっと・・・これとこれ下さい」
「何をしておるのだ?」
「はい母様、アイスクリームよ。ここのは結構いけるのよ。食べてみて」
「あいすくりーむ?ふむ・・・うん、なかなかだな」
「でしょ?母様に是非と思って前もって調べておいたんだから」
「それはすまぬな」
アイスクリームを食べたあとはまた二人で街をウロウロ、気に入った店で服とかを買い込む。


「そろそろお腹がすいたわね。お昼にしましょう」
そう言って私は一軒のレストランに入った。
「何か食べたいものある?」
「別に。瑛里華に任せる」
「そう?それじゃドリアを二つ」

しばらくして運ばれてきたドリアを食べてると別のテーブルから親子の会話が聞こえた。
「ママ―――!私もそれ食べたいよ―――!!」
「あなたはもうちょっと大きくなったらね」
「だってあそこにいる子も食べてるもん」

私は思わず噴出しそうになった。
明らかに母様のコトを言っているからである。
「まさか、あたしのコトを指していたのか?」
「そうみたいね。でも子供の言ったことだからいちいち怒らない」
「別に怒りはせん。ちょっとムッとしただけだ」
いけない。話題を変えないと。
「そ、そう言えばこのドリアはどう?美味しいでしょ?」
「あぁ、悪くないな。たまにはこういうハイカラな食べ物もいいもんだ」
だから『ハイカラ』っていつの言葉よ・・・

「さて、と お腹も一杯になったところで母様の服を買いに行かないといけないわね」
「なんであたしの服なんだ?あたしは着物があるし自分のを買えばいいではないか」
「いいじゃないの?母様もたまには洋風のお洒落をするのも。さ、行きましょう」
「こ、こら瑛里華!!」
入っていったのはデパートの子供服売り場。
「こ、子供服って・・・お前はあたしをバカにしておるのか?」
「仕方がないじゃない?母様のサイズだったらそうなってしまうんだから。でも一口に子供服って言っても最近の子供服って凄いのよ。デザインも豊富だしカワイイし」
「いらっしゃいませ」
「あ、適当に見て回るからお構いなく」
さすがに店員からも子ども扱いされたら母様も気を悪くしかねないわね。
「あ!母様、これなんかいいんじゃない?」
「母様、これもいいかも」
「どれでもいい!!」
「母様、試着してみたら?」
「うわっ!!母様、カワイイ!!」
「やかましいわ!!」
とにかくちょっとわざとらしく店員に聴こえるように“母様”という言葉を連呼しておく。
これだけ言っておくと店員も二人の関係が分かったみたいだけど、さすがに会計の時に不思議そうな顔をしていた。そりゃそうかもね。


「さて、いろいろまわったしそろそろ帰りましょう」
「そうだな。さすがにあたしも疲れた」
「でも楽しかったでしょう?」
「あぁ、いろいろと見て回れたしこんな風に意味もなくぶらつくのもいいもんだな」
「でしょ? それに母様にピッタリの服があってよかったわね」
「それにしてもこんなの着て何処へ行くんだ?」
「え?また来週でもそれを着て街を歩きましょうよ。今度は孝平も誘おうかしら?」
「やめんか!!支倉まできたらそれこそ親子が逆転してしまうではないか!!」
「う~~~~~ん、確かに見た目はどう見ても私と孝平の子って感じに見えてしまうのかしら?」
「・・・これ以上言うと本当に怒るぞ!!」
「ごめんなさ~い、だって母様とこんな風に話せるのが楽しくって」
といった下らない話をしながら私達は館に向かって歩いて帰った。




あとがき・・・らしきモノ
やまぐうさんの「着飾って、気分を変えて」を読んだあと、何となく自分なりに頭に浮かんだ状景を書いてみました。



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