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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

夜明け前より瑠璃色な SS     『愛スるものには目がない』

相変わらず暑いですな……

昼間に外にいると溶けそうです。
水を湛えた所を見るとそのまま飛び込みたくなったりして(……ということは、さすがにないですけど)


というわけで


きょうはイキナリSSにいきます。

夜明け前より瑠璃色な SS 『愛スるものには目がない』


「……あっちぃ~~~~」
所用で出かけたのはいいが、今日も夏の太陽が鬱陶しいくらいにギラギラと照りつけており相変わらずこの夏の最高気温を更新中である。
「ったく……このままじゃ茹で上がるか溶けちまうよ。何か冷たい物は……と」
歩きながらキョロキョロと辺りを見回す。
そういう時に限ってジュースの自販機は見当たらなかったのだが、何故か一軒の小さな屋台みたいな建物が見えた。
そこは『アイスクリームショップ』である。
「ま、ジュースもいいけどたまにはアイスを食べてみるか。どれにしようかな? それにしてもこう暑いとどれを見ても美味しそうに見えるんだよな」
そして、いろいろ迷ってやっとどれにするか決めた。
「ありがとうございました」

「う~~ん、この暑さのせいもあるのかこりゃなかなか美味いな」
すると後から
「お兄ちゃ~~~ん」
うわっ!! ったく……なんでアイス食っている時に限ってこんなにタイミングよく現れるんだよ。もしかしてコイツはアイスの匂いを嗅ぎつけて現れるのか?
「ん? なんだ、麻衣か。お前も出かけてたのか?」
「うん、ちょっと用事があってね。それはそうと……ここのアイスって結構美味しいのよね~~。お兄ちゃんもなかなかよく分かってるよね~~~」
と言いながらも麻衣の視線は俺の口元に……というか正確に言うと俺が食べている口元のアイスクリームに注がれている。
麻衣はそれ以上何も言わないが、明らかにあの目は「一口ちょうだい」と言っている目である。
まぁ別に知らん顔をしてもよかったのだが、そのあとで明らかに機嫌を悪くした麻衣の密かだけど強烈な仕返しがくる事が予想されるので
「食うか?」
と言って不本意ではあるがアイスを差し出すと、してやったりという顔でニコッとしながら
「え~? いいの~? ありがとう」
……ったく、この確信犯め。

そして確か「一口ちょうだい」のはずが、申し訳程度に一口分だけ残ったアイスを俺に返して
「うん、なかなか美味しかったね。ごちそうさま、お兄ちゃん」
俺はその帰ってきたアイスを一口で食べて、腹の中で『くそったれ!!』と毒づきながら
「いえいえ、どういたしまして……」
もちろん腹の中の声はさすがに間違っても口に出すわけにはいかない。
こればかりは仕方のないことなのだ。我が家の台所を取り仕切る麻衣には逆らえない。
何故ってそりゃこの前、ちょっとした意地悪のつもりで知らん顔して全部アイスを食ったらその時はニコニコしていたものの、その日の晩飯でハバネロを始めとするアホみたいに強烈なスパイスがたっぷり入った料理を食わされてエライ目に遭ったからな……。
腹減ってたのもあったし、麻衣の笑顔と巧みな誘導に見事に騙されて思いっきり頬張ったら次の瞬間口から思いっきり火を吹いた。
ここまで辛いと普通なら料理がスパイスで真っ赤になってるとかで分かると思うのだが、巧妙に作ってたからか見た目全然分からなかった。
あのあとどれだけ水を飲んだか分からなかったし、しばらくはまともに喋る事もできなかった。
まったくもって『デスマーチ』以上に恐るべし……。
で、作った当の張本人はというと
「夏だし汗をたっぷり出した方がいいかな? と思ってスパイスをちょっと強めに利かせてみたんだよ。もしかしてちょっと強すぎた?」
てなことを涼しい顔でニコニコしながら言いやがる。ったく白々しい……どう見てももう明らかに昼間の仕返しだ。

だけどこんなコト言ったところでどうやら結局は麻衣の方が一枚上手みたいである。
普段はそんなムチャを言うことはないんだが、大好きなアイスに関しては目の色が変わる……というかまるで別人に変わってしまうのだ。
だから下手にアイスを使って意地悪をしようものならあとで今度はどんなとんでもない仕返しを喰らうものか分かったものじゃない。
たかがアイスくらいで……と思うかもしれないけど、たぶん麻衣からすれば衝撃的な事態なのだろう。もっともそのターゲットにされるのは常に俺なんだけど……。


「あ、そうだ。お兄ちゃん、今日これから時間ある?」
「あぁ、バイトまでまだ時間あるし。どうしたんだ?」
「うん、ちょっと付き合って欲しいところがあるんだ」
「また新しいアイス屋ができたのか?」
「えへへ、バレた?」
「分かるわい!!」
たぶんこのままアイス屋のハシゴになるんだろうか?

そして
「あ、あったあった。あそこだよ、新しく出来たアイス屋は」
「新しいったってメニューは別段変わりはしないだろ?」
という俺の声を無視して麻衣は
「ふむふむ……なるほどね」
何か一人で納得しながらメニューに見入っている。
まぁ、そこはアイスクリーム評論家(?)たる麻衣のことだから何かあるんだろう?
「ええと……これとこれとこれとこれを下さい」
「ん? 何か美味いのを見分けるコツとかあるのか?」
「ううん、特にないけど何となく美味しそうな気がしたから買ってみたんだよ。というわけでゴチになりま~~す」
「へ?」
「お兄さま~~~、たまにはカワイイカワイイ妹に奢ってくれてもバチは当たらないよ~~~」
「あ……あのな~~~」
ったく最初からそのつもりだっただろう?

「う~~~ん、美味しい~~。今度は遠山先輩も連れてこようっと」
「その時はもう奢らんぞ……」
「にゃはは~、私もさすがにそこまでは言わないよ~。はい、お兄ちゃんも食べてみて。結構美味しいよ」
まだ半分くらいしか食べていないアイスを渡された。
「全部は食べないのか?」
「ううん、こんなにあるしさすがに全部は食べれないよ」
「だから買いすぎだろ?」
「だって一度食べてみないと分からないじゃない? それに残したらもったいないし。だからお兄ちゃんに付き合ってもらったんだよ」
「俺は残り物処理係かい?」
「でもお兄ちゃんも美味しいアイスを食べられたからよかったじゃない? 私も新しいデータがとれたしね。もっともこれで全部じゃないからまた来て全種類食べてみないことにはね」
「その時は俺は逃げる……」
「たぶん大丈夫じゃないかな? たぶん今日みたいにアイスを食べてたらまたタイミングよく捕まるんじゃないかと思うから心配ないんじゃない?」
思いっきり心配じゃい!! 迂闊にアイスも食べられん!!
「さ……お兄ちゃん、次のお店に行くよ」
「は?! やっぱりハシゴか。で、今日は何件回るんだ?」
「ええと……あと……1……2……3……」
「……わかった、……もういい」
仕方ない。こりゃもう諦めるしかないな


だけどアイスを食べているときの麻衣を見てると『この世に生まれてきてよかった~~』と言いたそうな顔をしてるし、せめて一つくらいはそういう顔をするものがあってもいいかもしれないな。




あとがき……みたいなの
何だかダジャレみたいなタイトルではありますが……(^^;
たぶんアイスに対する執着心は人一倍だろうと思ってこの際ビミョ~に黒めにしてみました。



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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。