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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

FORTUNE ARTERIAL SS    『好きな先輩【ローレルリング編】』

そういえばSSを書いていて知ったのですが、『さゝき』というのを打とうとした時、普通に『ささき』と入力して変換しても『ゝ』の字が出ないので以前は単語の中から探してきていたのですが、ふと思って調べてみると『おなじ』と入力して変換すれば出てきた。
ま、「今頃気がついたのかよ……」と言われそうな話ではありますが、案外こういうことはあるものなんでしょうね。


というわけで

早坂さん SSの紹介と感想どうもありがとうございます。
まぁ、確かにタイトルに内容のキーワードみたいな単語を持ってくるのはどうだろうかとは思いましたが、自分の場合はそこまで深く考えてませんので(^^;




FORTUNE ARTERIAL SS 『好きな先輩【ローレルリング編】』


私はこの学院に来たら一番に行ってみたい所があった。
それが院内にある礼拝堂です。
クリスチャンの家に生まれたからなのか、入学願書にあった学校案内をみて妙に興味を持った場所です。
修智館学院に入学が決まり、今日から寮に入ることになった私は簡単に部屋の片付けを終わらすと散策で早速礼拝堂に行ってみた。
学院の敷地の奥、本敷地と呼ばれる所に行き、講堂の裏から少し階段を上がった所に目的の礼拝堂はあった。
「ふ~~ん、ここがそうなんだ。こじんまりしてるけどいい雰囲気だね」
学院創設当時からある建物というだけのことはあって、外から見ていると歴史を感じさせる様でなかなか風情がある。

その時、小柄な子がパタパタと走って礼拝堂に向かっているのが見えた。
「ここの手伝いをしているのかな? カワイイ感じの子だな・・・」
その子は私に気付かなかったのか、そのまま礼拝堂に入っていった。

「せっかくここまで来たんだし、ちょっと中に行ってみよう」
私は中に入ってみた。それなりの広さではあるが細かい所まで手入れが行き届いており、管理している人の人柄が窺える気がした。
正面にある祭壇の前に行くと、私はキリストの像の前で十字を切ってお祈りをした。
やはりこういうのを見ると条件反射じゃないけど、どうしてもお祈りしてしまうんだよね。
すると奥から
「どなたですか?」
「あ、すみません。勝手に入ってしまって……」
「よろしいですよ。私はここの管理をしている天池といいます。それからこの子はここでお手伝いをしてくれている東儀さんです」
「東儀白と言います。始めまして」
カワイイな……。だけどリボンの色が赤だから一年先輩なんだ。
「あ……こちらこそ始めまして」
「あなたはもしかして新入生ですか?」
「はい、そうです」
「そうですか? 新入生の方に突然こんなことを言うのも申し訳ないと思いますが、もしよろしかったら“ローレルリング”に入ってみる気はありませんか?」
突然こんなコトを言われて私はちょっと気になって
「あの……“ローレルリング”というのはどういったものでしょうか?」
「この礼拝堂においてシスターの補佐で清掃や管理などをしている組織です。といっても会員は私一人しかいませんが……」
正直これまでこういうこじんまりした教会で奉仕活動とかやってみたいとは思ったのでお誘いは凄く嬉しいんですけど、同時に正直私に勤まるだろうかという不安もあったので
「あの、よろしかったら暫くの間研修生みたいな形で参加させて頂いてもよろしいでしょうか? それに今日寮に入ったばかりでまだ正式に入学もしていませんし」
「あぁ、確かにそうですね。まだ正式に入学していない方を誘うのはおかしいですね。もちろん構いませんよ。ここでお会い出来たのも何かの縁……というわけではないですが、もしそれで気に入っていただければそのまま正式に入会して頂けると助かります」
「お待ちしております。私は生徒会と平行しての参加ですが楽しいですよ」
「ではそろそろ私はハーブ園のお手入れをしに行きますのですみませんが失礼します」
そう言ってシスターは礼拝堂を出て行った。
「私もうさぎの世話をしに行きますので失礼します」
「あ、ではお手伝いします」
「いいんですか?」
「はい、実際にやってみないことには分かりませんし」
「わかりました。ではお願いします」
私は先輩と一緒に小屋の手入れを手伝っていると、先輩が
「そう言えばどうして礼拝堂に来られたんですか?」
「うちが昔からクリスチャンですのでどうしてもそういった建物があると気になるんです。毎週日曜日には教会に行ってお祈りしたり賛美歌を歌ったりしていましたし、それに教会の奉仕活動とかにも興味ありましたし」
「そうなんですか」
「先輩の家もやはりクリスチャンなんですか?」
「いえ、私の家はキリスト教とは全く関係がないんですよ。どちらかと言うと神道に近いと思います」
「え? では何故礼拝堂のお手伝いをされてるんですか?」
「シスターはとても敬虔な方なので私は凄く尊敬しています。それで私はシスターのそういった敬虔さを見習いたいんです」 
「なるほど……素晴らしい方でしたら宗教とかを超えて尊敬できるかもしれませんね」
それにしても姿といい仕草といい本当にカワイらしい人だな。失礼だけどとても先輩とは思えないよ。

それからというものまだ入学していないにも関わらず私は時間を作っては毎日礼拝堂に通い、日々のお祈りをすると同時にシスターや東儀先輩のお手伝いをするようになった。
「本当に助かります。私もここの管理以外にも学院の教職員としての仕事や寮の管理といった仕事もありますので大変だったものですから」
「そういえば今日は東儀先輩はどうされたんですか?」
「東儀さんは今日は生徒会の方に行ってます。掛け持ちしているから東儀さんも大変ですね」
「そうですね。でしたら私が東儀先輩の分まで頑張ってお仕事をします」
「ムリしない程度に頑張ってくださいね」
シスターはそうは言うけれどやはり東儀先輩があの小さな体で一生懸命頑張っているのを考えるとどうしても体が動いてしまいます。


それから数日後
無事入学式を終え礼拝堂にやってきた私は正式にローレルリングに入った。
そして、ローレルリングの真新しい制服を纏った私にシスターも
「よく似合ってますよ。それから入学おめでとう。これからよろしくお願いします」
そして、東儀先輩も
「おめでとうございます。これからも一緒に頑張りましょう」
「ありがとうございます。こちらこそ改めましてよろしくお願いします」
人が増えたからかどうかは分からないけど、シスターは今までにも増して嬉しそうな顔をしながら
「さぁ、新生ローレルリング! 皆さんで頑張りましょう!!」
「はい!!」
そしてシスターはハーブのお手入れ、東儀先輩はウサギ小屋の掃除、そして私は礼拝堂の掃除という分担でお仕事を始めた。
確かに大変ではあるものの、最近何故だか先輩と一緒にいると不思議と心が安らぐような気がし始めていた。

しばらくするとシスターが
「二人ともそろそろ休憩しましょう」「はい」
私がお茶を入れると東儀先輩が何かお茶菓子みたいなのを持ってきた。
「それは何ですか?」と私が訪ねると
「これは『きんつば』です」
「あぁ、東儀さんお気に入りのお店の物ですね」
「はい、『さゝき』のです。食べてみてください。美味しいですよ」
珍しく先輩がいつもにも増してあまりにも強く勧めてくるので、とりあえず勧められるままに食べてみる。するとこれがまた凄く美味しい。
「本当に美味しいですね。私はそれほど和菓子を食べる方ではないのですが、これは美味しいです」
すると先輩はニッコリ微笑んで
「そう言ってもらえると買ってきた甲斐がありました。このお店のきんつばは私も小さい頃からお気に入りで家でお菓子と言うとこれだったんですよ」
と言いながら本当に美味しそうにきんつばを食べている先輩の姿を見てると……
く~~~~、何だかもう年上とは思えないくらいカワイイ~~~!!
このままお持ち帰りしたぁ~~~い!!


とはいうもののやはり当然ではあるが、ここでの経験が長い分教えてもらわなければならないことは山ほどあるわけでその度に東儀先輩は私に優しく教えてくれる。
まだまだ雑用的なことしかできない私からするとやはり『さすが先輩!!』という感じです。
私がそういう羨望の眼差しで先輩を見ていると
「大丈夫ですよ。私も入ったばかりの頃、シスターはこう仰っていました。『今は確かに本格的な仕事をしていなくてもそのやってきた事は貴重な経験として必ずあなたの身に着いていますし、必ず誰かの役に立っています。そしてその貴重な経験は、あなたがこれからやろうとすることに対してきっと役に立つ……そういう日が必ず来ます。ですから何でも自分のやっていることにもっと自信を持ちなさい』と」
あぁ、やはり先輩もそういう時があったんだな……。
そう思うと先輩が更にいとおしい存在に思えてきた。
だからなのか最初は大変に思っていたコトも、最近は先輩と一緒にお仕事をするのが楽しみで……そして、楽しくて仕方がない。
もちろんシスターもおられるのですが、なにせシスターはお忙しい身なのでいつも礼拝堂に居て下さるとは限らない。
特に私が来てからはシスターも他の仕事が出来るようになったからか、ここを留守にすることが多くなった。
だからだろうか、それだけにやはり先輩を一番に頼ってしまうんだけど。


そして、今日は先輩は生徒会でシスターも用事があるとのことで礼拝堂は私一人きり。
これまでは必ず先輩かシスターのどちらかがいたので全くの一人になるのは今日が始めて。
「さて、さっさとやってしまおう」
私は気合を入れて作業を始めた。
やることは予め伝えられているし、手順ももう大分分かってきたので作業自体に関しては特別不安があるわけではない。
先輩やシスターほど慣れているわけではないけどそれなりにこなしていく。
ある程度切りをつけて
「ふう……ちょっと休憩しましょう」
いつもなら先輩やシスターと楽しくお話をしながら過ごす時間なのに今日は私一人。
お茶を入れて一人座って飲んでいる。
静かだ……。本当に静かだ……。
やはり何だか寂しい……。
なぜだろう? シスターはともかく先輩が……東儀先輩がいないだけでなんでこんなに寂しいんだろう?
何だかいたたまれない気持ちになった私は休憩を早々に切り上げるとまるで寂しさを紛らわすように再び仕事を始めた。

その時
「ご……ごめんなさい。はぁ……はぁ……」
息を切らせながら玄関から入ってきたのは
「と……東儀先輩!!」
「ごめんなさい、生徒会のお仕事が長引いちゃって……」
「せ……先輩……」
あ……あれ? ど……どうしちゃったんだろう、私……
私は東儀先輩の姿を見ただけなのに安心したからなのか、何故か無意識のうちに涙が出てきてしまった。
「ど……どうしたんですか? 何があったんですか?」
先輩は必死に私を気遣ってくれた。
「いえ……大丈夫です。……何でもないです」
「でも……」
「何かあったとか……そんなんじゃないんです……」
さすがに一人で寂しかったところへ先輩の姿を見たから安心して泣いてしまった……なんてこんなコト恥ずかしくて言えない。
言えないけどそれが事実みたい。もしかして先輩に気付かれてないかな?


そして翌日、教室に行った私は友達から
「あんた、最近何だか急に変わったね」
「え? 何が?」
「う~~~ん……巧く説明できないけど、好きな人でもできたの?」
「えぇ~~~~??!! そそそ……そんなことあるわけ……ないじゃん!!」
「まぁまぁ、いいじゃない? それに今言わなくてもそのうち分かるしね」
「……」
そういうわけじゃないんだけど……やっぱり顔に出ちゃうのかな?
毎日一緒にいたからなのか、知らず知らずのうちに起きてしまったこの感覚。


一緒にいると知らない人が見たら何故か私の方が年上に見られてしまうんだけど……
近くにいるだけで安心する愛らしい姿をした、ちっちゃな先輩。
きんつばを食べている時の表情がどうにも堪らない、カワイらしい先輩。
だけどいざとなると誰よりも頼りになる、優しい先輩。

そんな先輩に会いたいから、一緒にお仕事をしたいから私は毎日礼拝堂に行く。
先輩がいない日は今でもちょっぴり寂しいけど、でももう大丈夫。
その分私が頑張れば先輩も喜んでくれるし、例え何処に行ってても先輩は必ずここに帰ってきてくれるから。





あとがき……みたいなの
これは1年位前に【生徒会編】【美化委員会編】の続編として書いていたんですけどどうしても先の展開が思いつかず、ほったらかしになっていたものでしてやっと完成したな~~~というトコでしょうか。
もっともこれも何だかこじつけ的と言いますか、オーバーすぎると言いますか……で、話を書いた感じもしますが……。


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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。