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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

夜明け前より瑠璃色な SS     『秋祭り』

スランプなのか単なる休憩なのかしばらくアイデアが浮かばずお休みしておりましたが、ひとまず完成したのでアップします。


というわけで

TMさん、SSの紹介と感想どうもありがとうございます。
9/3 まぁ、この二人だと大丈夫だと思いますよ。

9/5 えぇ……と、ついでにビールも生が……(ってオイ!)

9/7 そしてグラビアアイドルとしての道を……じゃないか(^^;




夜明け前より瑠璃色な SS 『秋祭り』


「ごめんください」
「あら、お客さんね。はーい」
姉さんが来客と対応している間、俺たちもリビングで別の客……じゃない、久しぶりに会う家族と対応中だった。
玄関から途切れ途切れだが、姉さんの声が聞こえてくる。
だけどお客さんに対して敬語を使わず普通に喋っているところをみると知り合いなんだろうか?
「えぇ、分かったわ。また改めて連絡するから」

「誰だったの?」
「うん、私の学院時代の同級生だった人よ。もうすぐ秋祭りがあるのは知ってるわね。で、達哉君にも御神輿を担ぐのに参加して欲しいんだって」
「えぇ――――!!!」
「秋祭り?? 御神輿??」
フィーナとミアの頭上に“?マーク”が見えていた。
「近くの神社のお祭りがもうすぐあるんだよ」
「お祭りというくらいだったら是非見てみたいけど神社ということは宗教関連のお祭りかしら? それだったら私達は宗教が違うけどいいのかしら?」
「一応『五穀豊穣』を祈願してということなんだから確かに最初に神社で行われる神事は一応宗教色があるけど実際は余り関係ないわね。事実神社とは基本的に縁の無い達哉君も御神輿を担ぐのに誘われているくらいだからね」
「結局皆でお酒を呑んで明るく楽しく騒ごう! ってな感じだと思えばいいんじゃないかな?」
「なるほどね。あと御神輿って何?」
「神様が乗る輿のことだよ。当日はこれに神様のご神体を乗せてみんなで担いで町中を練り歩くんだよ」
「それを達哉もやるわけね。楽しみにしているわ」
「達哉さんのその姿、見たいです」
「お兄ちゃん、ファイト!!」
「達哉君の男を見せてよ」
「あ……やっぱやらないとダメ?」
「レディーにここまで背中を押されて男として出ないなんて言える?」
「俺に選択の余地は無いみたいだね」
「当然でしょ!! じゃ“出る”と連絡しておくわね」

それからと言うもの、仕事が終わってからの俺は地域の公民館に行って祭で行う歌や踊りの練習を行った。
もっとも練習とは言っても実際やってみるとそんなに難しいことをやっているわけではないし、段取りとかも大体主だったことはその辺りを良く知っている先輩がやってくれるので一番下っ端である俺は割と気楽にやっていたし、ある程度やったら後は皆でお酒を呑んでコミュニケーションを図ったりで結構楽しくやっていた。
それに仁さんと姉さんの同級生だった人とも仲良くなり二人の学生時代の裏話が聞けたりで結構いろんな収穫もあった。
「全く、仁も出てくりゃいいのにな。半分同窓会みたいなもんだし」
「そう言えば仁さんも『出たい』って言ってましたけどこの日は結構繁盛するみたいでさすがに店を休むわけにはいかないって言ってましたよ」
「そうか、まぁ仕事は大事だから仕方ないな。そういえばさやかちゃんも元気してるか?」
「えぇ、もう呆れるくらい元気ですよ」
「そうかそうか。そういえば学生の時からさやかちゃんは凄い人気者だったな~。何せ見た目は言うまでもなく、また頭はいいしスポーツも出来る……と三拍子揃っていたし、だからと言っていってもそれを全く鼻に掛けることもなかったし割と気さくだったから男にも女にも人気があったんだよ」
「もしかして告白したとか?」
「あぁ、だがものの見事に玉砕しちまったよ。とは言っても当時告白したヤツは数知れずだが全員玉砕しちまったよ。ったく敷居が高いと言うか、好きなタイプが未だに全然分からんと言うか……。だけど別にお互い後腐れがなかったから玉砕した後も何かと普通に話はしてたし時々宿題を見せてもらったりなんかしてたな」
「へぇ~~、そうだったんですか」
「まぁ、懐かしい思い出だよ。そのさやかちゃんも今では同級生では一番の出世頭だよな。なんたって月博物館の館長様って超エリートだからな」
「面白い情報ありがとうございます。特に仁さんには今までからかわれっ放しだったから仕返しのいいネタができました」

玄関からパタパタと誰か入ってきた。
「こんばんは。お兄ちゃん、差し入れだよ」
「お!! 麻衣ちゃん、いつもすまないね」
「いえいえ、どういたしまして。で お兄ちゃんは少しは使い物になりそうですか?」
「あぁ、当日が楽しみだよ」
「ったく失礼な妹だな・・・」
「よし!差し入れを頂いてからもう一踊りしようか!!」
「はい!!」


祭り当日
朝起きて早速祭りの衣装を着てリビングに行くと
「あら達哉君、よく似合ってるじゃない?」
「いい感じだよ。お兄ちゃん」
「これがお祭りの衣装なのね。男らしくていいと思うわ」
「達哉さん、カッコイイです」
「頼むから余り褒めないでくれ・・・」
照れくさくなった俺は朝食をさっさと終わらせて集合場所へ向かうことにした。
「いってきまーす」
外に出ると今度はお隣さんが
「おぉ!! 達哉。今日は楽しみにしてるからね。ウチの前も通るんでしょ?」
「あぁ、そうだけど」
「やあ、達哉君 今日は頑張ってくれよ」
「あ、仁さん。色々話は聞きましたよ」
「う……、ちょっとマズイ雰囲気……」
すごすごと店に引っ込む仁さん。
「達哉くん、もしかして私の話も聞いた……とか?」
「あぁ、姉さんのこともいろいろとね」
「え?! ま……まさか……!!」
姉さんも真っ赤になると慌てて家に駆け込んだ。
「何なんだ? 仁さんといい姉さんといい……俺に知られたら何かマズイことでもあったのかな? とは言ってもそんなムチャやってたっていう話は聞いてないけど?」
「ははは、まぁ学生の時は二人ともいろいろあったからな。そりゃそうとタツ 気をつけてな」
「はい、行ってきます。でも何だか照れくさいですね」
皆に見送られて俺は集合場所に向かった。


集合場所で先ずはみんなに挨拶。
「おはようございまーす」
「お! おはよう。今日はよろしく!」
「こちらこそよろしくお願いします」

その後、時間通りに神事が始まり俺たちは神主さんからお払いを受けた後、御神体が神輿に納められた。
「よし! 先ずは一踊りするか!!」
みんなで太鼓を囲んで輪になると太鼓に合わせてみんなで踊った。
それ程派手な動きではないのだが、今日は割と暑いので動いていると汗をかいてくる。
だからなのか振舞われるビールが妙に美味い。

踊り終わるといよいよ神輿が町内を練り歩く。
「さぁ、行くぞ!!」
台車に神輿が載せられて子供たちが台車に付けられたロープを引き、神輿が動き出した。
太鼓の音と共に神輿に乗った人の歌う囃しが辺りに響きわたる。
神輿は町内を練り歩き、今年の当番になっている家々に立ち寄っては神輿をおろして踊った。


そして神輿は俺の家に向かう道に入った。
それまで神輿に乗って唄っていた人が神輿から飛び降りると
「よし! 達哉君、神輿に乗って唄え!!」
「え?! お……俺がですか?!」
普通は年長者が乗って唄うわけだし、第一に俺は歌の文句を覚えていない。まぁ、一応文句を書いたカンペは持っているんだが……。
「ほらほら!! 早くしろよ!! 家が見えてきたじゃないか!! せっかく家の前を通るんだから将来のカアチャンの前でいいとこ見せとかないといかんぞ!!」
よし!! いっちょ、俺の男を見せてやる!!
「はい!! わかりました!!」
意を決した俺はポケットからカンペを取り出すと神輿に上って出せる限りの大声を張り上げた。


ANOTHER VIEW 朝霧家
「あ! 太鼓の音がする。御神輿が近づいてきたよ」
「賑やかね。楽しそう」
「ん? あの声、どこかで聞いたことないかしら?」
「そういえばそうね。まさか……」
「御神輿が来たよ。って、えぇ?! お……お兄ちゃんが御神輿に乗って唄ってるよ!!」
「達哉さん、カッコイイです」
「達哉、男らしいわ」
「あれ~? もしかして惚れ直しちゃった? フィーナ」
「えぇ。それはもう」
ANOTHER VIEW End


家の前を通った時はみんなの注目を浴びてちょっと恥ずかしい気持ちがあったが、それ以上に例え自己満足とはいえ『今のこの瞬間は俺が主役だ』という気持ちが強いため、もう何とも言えないくらい気分がいい。
周りから声が飛んでくる。
「お兄ちゃ~~ん!! カッコいいよ~~~!!」
「達哉く~~ん!! ガンバって~~!!」
「達哉~~!! フィーナがみてるよ~~!! しっかりやりなさ~い!!」
声がする方を見てみるとフィーナが熱い眼差しで見つめている。
おわっ!! こりゃもっと張り切らないといけないな。
俺はフィーナにニコッと微笑みかけると再び正面を見直して更に大声を張り上げて囃し立てた。
「おぉ~~!! 達哉くん、更に元気が出てきたな」
「そりゃ将来のカアチャンがすぐ横で見てたら元気も出るさ」

そして神輿は家の前を通り過ぎていった。
「よ~~し達哉くん、お役御免だ。お疲れさん」
俺は神輿から降りるとまた別の人が乗って唄い始めた。
それにしても……普段はこんなに大声を出し続けることなんてなかったからもうノドがカラカラだ……。
それに今日はもう朝から酒ばかり飲んでいるもんだから今は普通に水かお茶がほしい。
とは言ってもあれだけ飲んでいるにも関わらず全部汗になって出てしまったのか思ったほど酔っ払ったという感覚もないのだ。


そして、無事滞りなく祭りは終わった。
その後みんなで集まって打ち上げが行われた。
「どうだったか? 神輿に乗ってみて」
「いや~~~、なんか凄く気分よかったですね」
「そうだろそうだろ? 何と言ってもこの時は主役だし、男の見せ所だからな。みんな自分の家の前を通り過ぎる時は張り切ってただろう?」
「そうですね。その気持ち分かります」
「まぁどっちにしてもこれでカアチャンにしっかりと達哉くんの男をアピールできたはずだから今夜はバッチリきめられるぞ!!」
「え? 何がですか?」
スパ~~ン!!
いきなり頭をはたかれた。
「このヤロウ! 分かってるくせに聞くな!!」
「は~はっはっ!! 決まってるだろ!! 昼は神輿に乗って、夜はカアチャンに乗るんだよ!!」
さすがにそこまでストレートに言われると
「え?! は……はははは……」
「わははは!! 照れるなよ!! さすがまだまだ若いな、達哉くんは!!」
「そりゃ……照れますよ……。そ……そういう皆さんはどうなんですか?」
「ん? 当り前だろう?!! もう今夜はカアチャンをしっかり満足させんとな!! それともなんだ? もしかして達哉くんはカアチャンに乗られてるのか?」
「え?! そ……それは……」
「なんだ? もう既にカアチャンの尻に敷かれてるのか? そんなんじゃイカンぞ!! カアチャンを巧く操縦しないとな」
「お~~い、達哉くんの前だからってあんまりエラそうにするんじゃね~ぞ。そういうお前こそしっかりとカアチャンにキ○タマ握られてるクセに」
「アホ!! バラすな!! まぁ、達哉くん……今夜はガンバレ」
「は……はぁ……あははは」
とりあえず俺は笑ってごまかすしかない。
う~~~~ん、でも何といっても相手はあのフィーナだからな~。俺がちょっとくらい偉そうにしたところで簡単にあしらわれてしまうもんな。
ただ、今日はアピールできたと思うから今夜はちょっとくらい期待してみるか……。

「お~~い、達哉くん 今日はしっかり飲めよ!!」
「あ、はい いただきます」





あとがき……みたいなの
このSSも1年前に半分くらい書いてそのまま眠っていたのを書き上げました。
もうすぐウチの地区での秋祭りがあるんですが、それに出たときの経験がある程度元になっています。まぁ、誇張もありますが……。



ブログパーツ

コメント

初めまして。以前からここのSSを拝見させていただいておりました。
今回の秋祭りのお話ですが、非常に興味深いものでした。私の地元は田舎ということもあるのですが、神輿なども小さなものです。実は私は神職ではないのですが、しし舞保存会に所属しておりまして、秋祭りには奉納の舞を行っております。私自身は平安時代の狩衣に似た服装をし、笛をふいています。私の地元では神輿は子供会がやっておりまして、唄というのはありません。なるほど、こういったまつりはその場所場所で随分と違うものだなと感心いたしました。

これからもSSの更新、応援しております。

Re: タイトルなし

始めまして。
返信が遅くなりまして申し訳ありません。
コメントどうもありがとうございます。

私の拙いSSを読んでいただいているということでどうもありがとうございます。
これからも呆れず読んでいただければと思います。

それで祭りですが、なるほど確かに地域によっていろいろな形がありますよね。
このSSは前述の通り私の地区の祭りの状況を基にしております。
私を始め、同じ参加者も全員基本的に神職とは全く関係ありませんが、地元町内会の青年団という形で参加しております。
形式は一応神輿と踊りが主役みたいな形になっていますので他に獅子舞とかいったのはなく、使用する楽器も太鼓のみとシンプルですね。
ですが祭りそのものも楽しいですが、それよりも同級生をはじめ割と歳が近い人が集まるのでちょっとした同窓会的な要素もあるのがこれまた面白いですね。

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文字通り思いつくまま気ままにSSを書いているところです。
主としてオーガスト系(といっても種類はかなり限定されていますが)とあとはちょこちょこと気が向いたらなのは系他も書いてたりして。

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ただ、メール等で御一報下さればコチラからも改めて御挨拶に伺わせて頂きます。


E-mail:morn-8.10@ninus.ocn.ne.jp(@は半角で)



『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。