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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

FORTUNE ARTERIAL SS    『失って始めて気付くこと』

最近雑誌の類を買わなくなったな~~
雑誌といえども案外値が張るので余り買えないです。


というわけで



TMさんSS 『秋の味覚
その1:あの……エステルさん、一人で何を想像してるのでしょうか?
その2:達哉も悪気があるのやらないのやら……


清白さんSS 『エステルさんでエステルのお勉強を リターンズ
確かにその手の知識がないとイマイチ分かりにくいですな。
それにしても偶然が重なった感じでとばっちりを受けてしまった達哉が気の毒ですな(^^;




FORTUNE ARTERIAL SS 『失って始めて気付くこと』


「き……り……は……桐葉ぁぁぁ―――――!!!
周囲の静寂さを引き裂くような叫び声が一帯に響き渡った。
主の目の前に真っ赤になって横たわっているのはついさっきまで自分の眷属だった者。
それが今は頭と胴が別々になってしまった状態で愛する男の墓に覆いかぶさっている。
その亡骸の前で主はあまりの衝撃にその眷属を抱き上げることもできず、ただただ立ちすくんだまま動く事ができないでいる。
この主もまさか彼女がこのような行動に出るとは思いもよらなかった。
「桐葉……桐葉……なぜ……」
眷属である以上はいつか必ず主である自分の元に戻ってくると信じて疑わなかったので、伽耶にとって桐葉のこの行動は彼女にとっては全くの予想外であり、衝撃的であった。


『……あたしは……あたしは……もしかして一人ぼっちになってしまったのか……?』

かつて一人娘であった瑛里華は伽耶の命に従わず眷属を作ろうとしなかったため、伽耶自ら手をかけた。もちろんもうこの世にはいない。
そして、その事実を知った一人息子の伊織は伽耶の元を去り、一度たりとも伽耶の前に姿を見せることがなくなった。
恐らく彼が伽耶の前に戻ってくる事はもうないであろう。
だが、さすがにその時の伽耶は『たかが出来の悪いヤツ等が自分の前からいなくなっただけだ』というくらいにしか思っていなかった。
どうせそのうち東儀家からまた幾らでも生まれるだろう。いや……生ませればいい。そうすればその時は教育をしっかりして……と思っていたが、事態は彼女の望む方向に進まなかった。
一番の頼みの綱であったはずの白が若くして亡くなったのだ。
白はこの時まだ未婚であり当然ながら子供もいなかった。
この事実により東儀本家の血を引くことができる者がいなくなってしまった。
東儀家には一応分家もあるのだが、もう東儀家の血が薄れてしまっていたのか吸血鬼の候補となりうる新たな跡継ぎが生まれる事はなかった。
当主の征一郎は白の死後しばらく自宅に篭って喪に服していたが、時が過ぎると島を去り当主の征一郎本人の希望により東儀本家はここに断絶した。
今は家や庭の手入れをする業者が時々出入りするのみである。
ここまでくるとさすがの伽耶も最初はこの件には幾らか動揺したのだが、そうなってもまだ伽耶はこの事態を重く見るということはしなかった。
なぜならどんなことになっても伽耶には自分と同じく永遠の命を持つ眷属である桐葉がおり、今は離れていても時が来れば必ず自分の所に帰ってくるものと思っており今回もそうなるはずだった。だが……
その眷属は今や変わり果てた姿で主の足元に横たわっている。


やがて主は力なく自らの眷属だった者の傍に行くと体を抱き上げて男の墓の前で仰向けに寝かせ、頭を拾うと元々付いていたところに置いた。
もっともこうしたからと言ってもちろん今更離れた首が付くはずもなく、ましてや生き返る筈などない。
だが、伽耶は無意識ではあるがそうぜずにはいられなかった。

「桐葉……教えてくれ……。あたしは……あたしは……一人ぼっちになってしまったのか? もうあたしのことを思ってくれる者は誰もいないのか?」
もちろん桐葉が答える筈などない。
「あたしがこれまでやってきたことは何だったんだ……。息子をおとしいれ、娘を手にかけ……そして、あたしのことを思っていてくれた者にすらああいう仕打ちを……」
伽耶の頬を長い間忘れていた熱い何かが伝い流れる。
「答えてくれ……桐葉。 うぅ……う……う……うわぁぁ―――!!」
伽耶は桐葉の亡骸にすがり付いてまるで狂ったかのように泣き叫んだ。


しばらくして伽耶がふと顔を上げると亡骸の傍にキラリと光る金属片が転がっていた。
よく見ると血にまみれた包丁。
桐葉が愛する男の後を追うために……自らの願いを叶えるため自らの一生の幕を引くのに使ったものである。
伽耶はフラフラとそれを手に取る。
「ふっ、こんなことになって初めて桐葉の存在の大切さに気付くとはな……。思えば桐葉はあの時からあたしのたった一人のかけがえのない友達だったはずなのに……。周りの者があたしをどんなに悪者扱いしても桐葉だけはあたしの味方でいてくれたし、あたしがどんなに辛く当たっても桐葉だけは友達でいてくれた……。もしかしてあたしはその桐葉の優しさを当たり前と思ってただ甘えていたのだろうか? だが、もう何もかもが遅すぎた……」
そして刃を自らの首に当てると
「桐葉……すまぬ……。あたしのことを一番思ってくれていたお前の気持ちに気付かぬばかりにこんなことになってしまった。あたしもすぐそちらに行くから今度こそちゃんと謝って本当にやり直したい。瑛里華に白も辛い思いをさせて本当にすまぬ。それから支倉といったか、すまぬがそちらに行ったらあたしも時々仲間に入れてはくれないだろうか? 今度こそはお前たち二人ときちんと向き合って祝福したい。それからどこにいるか知らんが伊織も征一郎も本当にすまぬ。お前達ならあたしと違って多分こんなバカな間違いをすることなどないだろう。一方的に押し付けてすまぬがあとのことは頼んだぞ」
それから「ふぅ……」と一息ついた彼女は一言
「父様……ごめんなさい……」
最期にそう呟いた次の瞬間、きっと目を見開きありったけの力を込めて手を引くと彼女の首と胴は永遠に離れたのだった。


「全て終わったみたいだな……」
「結局最後はこうなってしまったのか……」
物陰に身を潜めてコトの成り行きを見ていた二人の男が姿を現した。
男たちの目の前には血まみれになった二人の亡骸が横たわっていた。
「あぁ、アンタの最期の言葉は確かに聞き届けた。それにしてもこんな泥沼状態になってやっと気付くとはな……。やれやれ、ホントにどこまで……」
「……それよりいつまでも二人をこのままにしておくわけにはいくまい」
「そうだな。まぁ、せめて墓くらいは建ててやってもいいだろう。それにしても……後の仕事を勝手に人に全部押し付けやがって勝手に自分だけあっちに行きやがったか……」
「こういう事態になってもお前は伽耶様に対する見方や考えは変わらんか……」
すると金髪の男は吐き捨てるように
「当り前だろ? 永遠に変わらんよ。ま、もう今となってはどうでもいいけどね」
「……」
「とにかくあっちに行ったらせめてさっき自分で言った言葉くらいは守って欲しいもんだね。さすがにあっちでも一人ぼっちになったんじゃいくら何でも堪らんだろう」
男は冗談交じりで言ったつもりであったが、その顔には笑顔らしい表情は微塵も見えず、ただ苦虫を噛み潰したような表情のみが浮かんでいた。
 




あとがき……みたいなの
やまぐうさんのSS 『all out of mind』を読んで思いついた妄想をあくまでも自分なりに勝手に膨らませて書いてみました。
……が、自分ではせいぜいこのレベルでしょうか。
設定も結構こじつけた感じですし……(^^;



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