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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

夜明け前より瑠璃色な SS     『現場からお送りします』

ここにきてさすがに寒くなりました。
まぁもう11月も半ばだからムリもないのですね。
そろそろ暖房が欲しくなってきました。と同時に自転車で走るのもそろそろキツクなってくるのかな? でも運動は何らかの形で続けたいですね。せっかく効果がでてきたのだから。


というわけで

久しぶりに一つSSを↓




夜明け前より瑠璃色な SS 『現場からお送りします』



「う~~~わ~~~~、これまた大きな船だね~~~。さすがフィーナさんもやることが違うよね。それともまさか朝霧くんの案じゃないでしょうね? それにしても私もこれが仕事も兼ねてなかったらどんなにいいことだろうね。ホントにウチの上司ときたら人使いが荒いんだから……ったく」
てなことを言っている私の目の前には昨日、月から到着したばかりの大型旅客往還船が係留されている。


朝霧くんとフィーナさんの歴史的ともいえる結婚式から数年後、フィーナさんがスフィア王国の新しい女王として即位し、しばらくしてフィーナさんと朝霧くんがそれぞれ両国の架け橋となり地球と月は国交を回復した。
とはいってもまだまだ解決しないといけない問題はいろいろあるんだけど、何はともあれやっと両国はお互いに手を取り合うことになったのである。
それを記念してこの度スフィア王国の持つ往還船の技術を利用して月・地球間を経由して宇宙を旅行するための大型豪華旅客往還船が両国相互協力の下で開発された。
完成したその船は先日、月の有力者達を乗せて月を旅立ち昨日地球に到着したのである。
そしてここで地球の著名人や有力者を乗せて処女航海に旅立つということになっているのである。
もっとも本来なら私のような一介のアナウンサー程度の人なんて普通に考えて今回は乗る事すらできるわけがないんだけど、驚いたことに何故か私の所へも招待状が送られてきたのである。

ある日、仕事から帰ると家のポストに見慣れない一通の封書が入っていた。
何だろう?と思って見てみると封筒の裏には何処かで見たことのあるマークが……。
あれは紛れもなく『スフィア王国』のマークである。
中を見てみると今回の処女航海の招待状である。
驚いた私は最初は何かの間違いだろう、と思って一応関係先へ問い合わせてみると『国王夫妻の御学友』とのことで個人的にフィーナさんと朝霧くんから直直に招待されている……ということである。

もちろん私からすると
「ふぇ~~~~~~~!!!!」
ってな感じである。
そりゃそうでしょう。だってウチの局の社長ですらもらえないくらいの超プラチナペーパーが私のところに来たんだよ。
本来だったら連邦政府の高官クラスくらいしかもらえないようなのがよりにもよって私のところにくるなんて……。
確かにフィーナさんや朝霧くんとは友達……なんだけど、何と言っても向こうは一国の超VIPだもんね。
そんな中に私みたいな局アナが一人突入していくなんて大それたこと……。

とりあえずどうするかなんて悩んでも仕方がないので翌日この事を上司であるアナウンス部長に報告すると部長は急に目の色を変えて物凄く慌てた様子でこの事を社長に報告した。
それにしても部長、そんなに興奮しなくても……。
まぁ、そりゃ確かに話ではこの招待状は報道関係者からするとドコも喉から手が出るくらい欲しがっているらしい……って聞いたけど。
電話が終わると部長は息せき切って
「遠山!! 社長命令だ!! この日は何があっても絶対に行って来い!! あと、カメラを渡すから許可を取ってしっかりレポートしてくるんだ!!」
「へ?! 私が……カメラも回すんですか?!」
「当り前だろ? 中に入れるのはお前だけなんだから。それじゃあしっかり頼んだぞ!!」
んなムチャクチャな話……って。
「ちょ……ちょっと待ってくださいよ……!!」
「今回は報道関係者は一切招待されてないから諦めていたんだが、まさかこういう形でチャンスがくるとは思わなかったな。他社には絶対できないレポートができるんだ!! こんなチャンスは滅多とないぞ!! それに遠山もそろそろそういった政府高官に会うというのもアナウンサーとして経験しておくべきだろうから一石二鳥だぞ。いや~~~~、それにしても遠山はやっぱり凄いヤツじゃないのかと思ってたがやはり俺の思った通りだったな。こんな素晴らしい部下を持って俺も鼻が高いぞ!! わははは!!」
私はちょっとビミョ~~~な表情で
「……あはははは、そ……そりゃどうも」
ウソつけ、心にも無いことを……そりゃフィーナさん達に会えるのは嬉しいけど……仕事が絡むと何だかね~。
「あぁ~~、そうそう。服は衣装部に話しておいてやるからそこから一番いいドレスを着ていくようにという社長命令だ。局を代表しているということも忘れるなよ」
一体私は何しに行くのやら……?
まぁ、一応会社員である以上はしゃーないか……。

いずれにしても勝手に撮影するというわけにはいかないので船内部の撮影許可を申請した訳だが一応ある程度の制限があるとはいえ拍子抜けするくらい簡単に許可も下りてしまった。
こりゃたぶんフィーナさんと朝霧くんのお陰かもね。あとでちゃんとお礼を言っとかないとね。
ってな経緯があったわけです。


「ま、これも一応は給料分の仕事なのかな……?」
とブツブツ独り言を言いながら私は局からほとんど強制的に持たされたカメラを取り出すと船の外観を撮り始めた。
それと一応ナレーションもつけておかないといけないよね。
「皆さん、こんにちは。ただ今私はこの度就航して昨日地球に到着しました豪華旅客往還船『Princess Feena Ⅰ』のすぐ脇に来ています。この船は地球連邦とスフィア王国の国交回復を記念いたしましてスフィア王国が所有しております往還船の技術を応用して作られました。
そして、船名にもなっております『Princess Feena』という名前ですが、これは皆さんも御存知の現在のスフィア王国国王『フィーナ・ファム・アーシュライト陛下』の名前からつけられております。
もっとも女王陛下に対しまして『Princess』という言い方はどうかという意見もあったと聞いておりますが、国王夫妻の方から『これが呼び易いから特別問題なし』という一言で全て収まってしまったと伺っております。
それでは中に入ってみます」
私はタラップを上がっていった。


船の入口の所に受付があり、ここにいる係員が招待状を確認するようになっていた。
受付にはテレビくらいでしか顔を見たことがない有名人や政府関係者の方々がいた。
「あ、ここに受付があります。えぇっと……」
私はバッグから招待状を取り出してカメラに映すと
「はい、これが私の招待状です。ここに“遠山 翠”と書いてあります」
その招待状を係員に渡した。すると

「遠山翠様でございますね。ようこそお越しくださいました。お待ち致しておりました。陛下より『インペリアル・ロイヤルスイートルーム』に御案内するよう申し使っております。御案内いたしますのでこちらへどうぞ」

何??!! 今何と言った??!! インペリアル・ロイヤルスイートルーム??!!! うぇ~~~~~!!!

私は思わず仰け反った。
名前を聞いただけでもぶっ飛んでしまいそう。私にはとんでもないくらい場違いな名前のついた部屋に行くの……?
それも案内人付きだ。更に他の係員からは最敬礼で迎えられているし……どうなってるの?
うぅ……気のせいか周りから“あの女は何者だ?”みたいな顔をされてるよ……。政府関係の偉い方々ですら大部屋に看板の矢印案内のみで行っているというのにこの待遇の違いは何なの??!!
一応カメラは回しているのだけど、私は緊張と驚きのあまりに体がコチコチになって更には頭は真っ白になってしまってレポートしようにも気の利いた言葉が思い浮かばない……。
そしてやっとのことで一言捻り出した。
「そ……それにしても、す……すごい船内です……」

それにしてもどれだけ歩いたのだろう? 本当に広い船内を歩き回って
「こちらでございます。中で国王夫妻と御学友の方が御待ちになっております」
そこは“いかにも”という感じの豪華な扉。
案内してくれた人がインターホンで
「陛下、遠山翠様をお連れしました」
中から
「分かったわ。通してちょうだい」
「それではどうぞごゆっくり御くつろぎ下さい」
案内の人が豪華な作りの扉を開くとそこに居たのは
「遠山さん、いらっしゃい。待ってたわ」
「フィーナさん!」
「やあ、遠山。テレビでいつも見てるよ。元気そうで何よりだ」
「朝霧くん!」
「遠山さん、よく来てくれたわね」
「さやかさん、しばらく振りです」
「遠山先輩、お久しぶりですね」「翠、相変わらずだね」
「麻衣に菜月! そりゃ元気が私の取り柄だからね」
「そうそう。今、左門さんと仁くんが美味しいお料理を作ってくれているからあとで一緒に食べましょう」
「はい、御馳走になります」
そう言えばあの料理も当分食べてないよね。楽しみだな。
ふと朝霧くんが私の構えているカメラを見て
「そりゃそうと遠山、もしかしてカメラ回ってないか?」
「あ!! ゴメン!! 止めるの忘れてた!! もしかしてまずかったかな?」
「うふふ、大丈夫よ」
「だけどもしかしたらこの映像が全国ネットで流れるかもしれないんだよ」
「いいんじゃないか? 俺達が公の場から離れたときのありのままの姿ってことで」
「あ、そうだ。せっかくだからフィーナと達哉にインタビューすれば? その映像を持って帰ったらテレビ局はヨダレを垂らして喜ぶんじゃない? こんなチャンスなんて滅多とないんだしね」
改めて言われると結構緊張するもので
「え?……あ……まぁ、できればそうしたいけど……」
「な~にグズグズしてるの? アンタアナウンサーでしょ? しっかりしなさいよ!!」
バシッ
菜月に背中を叩かれる。
麻衣が横から
「はいは~い先輩、カメラを貸してくださ~い。私が映してあげま~す」
「ちょ……ちょっと麻衣……もう、しょ~がないな~」
ワルノリ気味の菜月が
「は~い、それじゃ行きま~す。3・2・1・キュー」
キューって……そもそも今もカメラ回ってるんだけどな……。ま、いいか。

「はい、ただ今私は船内にあります『インペリアル・ロイヤルスイートルーム』に来ております。お茶の間の皆さん、御覧下さい。ここは見ての通り本当に素晴らしいお部屋です。是非一度は泊まってみたいものです。正に庶民の夢ですね。
そしてこちらにはスフィア王国国王夫妻がおられますのでお話を伺いたいと思います。国王陛下、この度は御就航おめでとうございます。これから処女航海に旅立つ今の心境をお聞かせ願えますか?」
するとフィーナさんは何故か真面目になった私を見て笑いを堪えきれず吹き出しながら
「うふふふ。もう、遠山さんったらまたそんなに改まっちゃって」
だけどその辺はさすがは国王だよね。真面目な態度に対しては真面目に返すという礼儀を忘れてない。すぐに国王としての凛とした顔になった。
「そうですね。皆様も既にご存知のこととは思いますが、この船は月と地球の友好の証としてつくられました。お互いいがみ合っていたのは既に過去のお話です。今、そしてこれからは両国ともお互い協力して歩んで行かないといけません。それでお互いの平和の架け橋の一つとして、今後この船がお互いの国からたくさんの人を乗せてこの美しい星の海を旅していく事を皆さん楽しんで欲しいと願っております。もちろん私たちも今回こうして親しい仲間や家族と共に旅ができることを凄く楽しみにしておりますし、人生の大事な思い出にしたいと思っております。ですのでこれを御覧の皆様も是非一度乗ってみてください。是非私達と思い出を分かち合いましょう」
「ありがとうございました。あ、それと今気付いたのですが、今日のお召し物はいつのもドレスではありませんが、これは?」
フィーナさんは今日は何故かいつものドレスではなくいかにも船長みたいな感じのきりっとしたスーツみたいなカッコイイ服を着ている。
「今回の航海におきまして私は“名誉船長”という任も授かっておりますので今回はそういう服装をしております」
「そうだったのですか。それにしても何を着ても上品に着こなす陛下であります。それから引き続きまして、達哉様にお話を伺いたいと思います。
この船の名前の由来に関してですが、これは達哉様の御考えだと伺っておりますが、その辺りの話をお聞かせください」
すると朝霧くんは少し照れた顔で
「遠山から“達哉様”なんて呼ばれると何か照れるな……」
失礼だよね。こっちだっていっぱいいっぱいなんだから……
「確かに私の考えです。なんと言いましてもフィーナは今回の国交回復の一番の立役者ですからね。私としましてはそれだけ重大な仕事をした人に敬意を払う意味もあって船名に“フィーナ”の名前を是非使いたかったというわけです。
もっとも当の本人は最初は凄く照れて反対してましたけど」
フィーナさんは真っ赤な顔をして
「だって……ね……」
「はいはい、大変仲睦まじい光景であります」

すると
プルルル……
内線が鳴って
「陛下、出航準備が整いましたのでブリッジへお願い致します」
「わかったわ、すぐに行きます」

「みんなでブリッジに行きましょう」
「え? 私もいいんですか?」
「えぇ、もちろん。せっかくだからブリッジの様子もカメラに収めた方が絵的にもいいでしょ?」
そ……そりゃこっちとしては願ってもないことだけど……いいのかな?
私が心配そうな顔をしてると
「遠山、フィーナがそう言ってるんだから余計な心配はいらないよ。それよりそんな顔をすると逆にフィーナの方が心配するぞ」
「うん……そうだね。ありがとう、朝霧くん」


フィーナさんの案内でブリッジに入った私達はとりあえず船員のジャマにならない所に陣取った。
そしてフィーナさんは船長から船長専用の真新しい帽子を渡された。
その帽子をかぶって船長席の所に立つフィーナさんの姿は何とも言えないくらい凛々しかった。
まるで『私の姿をしかとその目に焼き付けなさい!!』と叫ぶかのように全身から物凄いオーラを発しているのが私にも痛いくらいに伝わってきた。
何だか凄くカッコイイ!! これには女の私も惚れたよね。
それともこれが一国を統治する者の持つ迫力というものなのだろうか?
そして、私はカメラを回してその一部始終を映像に収める。


「船長、出航準備完了しました」
船長がフィーナさんの横で
「陛下、お願いします」
フィーナさんはキッとした目で正面を見据えて思いっきり息を吸い込むと周囲に響き渡る声で
「それでは、出航!!」
「了解! 出航します!」

フィーナさんの号令を合図に汽笛と共にゆっくりと船は動き始めたのだった。





あとがき……みたいなの
これも考えてみれば突拍子もない話ですね。
一体どんな形をした往還船なんだ? という感じもしますが。
史実からすると複数ルートが入っているような……。
まぁ、ネタとしては結構前からあったんですがなかなか文章に起こすのが……(^^;
いろいろ何かと頭の働きが悪い状態で書いているからか、言い回しとかも何だか……ね。



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コメント

是非、続きが読みたいです。

Re: タイトルなし

コメントどうもありがとうございます。

う~~~ん、となるとさて……どういう展開に……。


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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。