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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

夜明け前より瑠璃色な SS     『美味しい宅急便』

はい、お正月特集です……といってももう10日も経ってしまってます。
とはいってもせっかく書き上げたのでUPします。

巡回報告はまた後程……m(_ _)m



というわけで本編へ ↓





夜明け前より瑠璃色な SS 『美味しい宅急便』



俺とフィーナが晴れて一緒になって初めての新年を迎えた。
だからといって二人でまったりとした新年を……なんてことはありえないわけで、ここ月王国も新年行事で何かと忙しい。
もっとも新年におけるこうした式典の多さはさすがに王室という感じで朝から(もっと言うと前日からだが)公式行事でもうてんてこ舞いである。
まぁ、今年から初めてこうした式典において列席者の列に加わった俺からすると結構新鮮なことでもあるのだが、さすがにここまでバタバタ状態だと内心『いい加減にしてくれ……』という気もしてくる。
だがこうした式典に出席することは王室の大事な仕事であり、遅かれ早かれ女王となるフィーナのパートナーとしてはこうしたこともこなしていかないといけないわけである。
そして、今日も慌しかった行事がやっと一通り終わって俺達は私室に向かう廊下を歩いていた。

「は~~~、疲れた~~~」
やはりまだ慣れないのかついついこういう言葉も出てしまう。すると隣を歩いていたフィーナが心配そうに
「お疲れ様。大変だったでしょう?」
あ!! いかんいかん。フィーナと一緒になるために自分で望んで飛び込んだ世界でもあるからこんなことを言うもんじゃないよな。
「ははは、まぁ確かに疲れたけどフィーナはずっとこんなことをやってきたんだろ? それにフィーナのパートナーがこんなことで弱音を吐いてたら周りから舐められてしまって言うべきことも言えなくなってしまうからな」
「うふふ、言うじゃない? だけど式典の場での達哉は堂々としてたわよ。表でちゃんとやっていれば大丈夫よ」
「フィーナがそう言ってくれれば大丈夫だな」
「そうよ。もっと自信を持ちなさい」


そうした他愛もない話をしながら私室に帰ってきてしばらくすると
「失礼致します」
ミアが何やら箱を抱えて入ってきた。
「どうしたの? ミア」
ミアは何やらよく分からない顔で
「達哉さま宛に宅急便が届いているんです。差出人は麻衣さんからなんですけど、中身が“食料品”となっているんですよね」
俺はミアから荷物を受け取ると
「ふむ……ま、とりあえず開けてみよう」
梱包を解いて開封してみる。
横で見ているフィーナとミアも妙に興味深々で見ている。
開けてみると……中にはどうやらこの時期によく見る食べ物が入っている。
ミアが『何だろう?』という顔で
「これは何でしょう? 白い塊みたいですけど……」
「そうね……何かしら?」
どうやら二人とも見たことがないみたいだ。
「なるほど、時期が時期だけに麻衣も気を利かせて送ってくれたんだな」
「だから何?」
「これは“お餅”といって地球の……特に俺達が住んでいる地方で正月によく食べているものだよ。お!! さすが麻衣だな。醤油と海苔も一緒に入ってるな」
「ふ~~~ん、地球のお料理なのね」
と言ってフィーナは餅を一つ手に取った。
「え?! 固い!! いくら何でもこんな固いのなんて食べられないわよ」
その言葉を聞いてミアも一つ手に取る。
「本当ですね。地球の人ってこんなのを食べれるほど歯が丈夫なんですか?」
なるほど、確かに知らないとそう思うよな。
「ははは、まさか。いくら何でもこのまま食べれるわけないよ。そうだ! せっかくだからみんなで食べてみないか?」
「えぇ……できたら食べてみたいけど……。でもどうやって食べるの?」
「何か焼くものがあればいいんだけど……。ミア、何か段取りできないかな?」
ミアは少し考えて
「そう……ですね……。オーブントースターでしたら持ってこれると思いますが」
「あぁ、それで十分だ」
「ではさっそく支度致します」
ミアは部屋を飛び出していった。

しばらくしてミアがオーブントースターや皿などを持って帰ってきた。
「よし、じゃあ焼いてみるかな」
俺はトースターに餅を入れて焼き始めた。
すると
「あ、何だか香ばしい匂いがしてきました」
「本当ね。いい匂いね」
「あぁ、もうちょっとしたら風船みたいに膨らむぞ」
「えぇ?!!」
さすがにこれには二人とも少々ビックリした様子。
「ははは、大丈夫だよ。膨らむといっても別に爆発したりするわけじゃないから」
フィーナは少々不機嫌に
「も~~~、余計な心配しちゃったじゃない」
「ゴメンゴメン。あ、いい具合に膨らんできたぞ。そろそろ食べ頃だな。
「何だかすごく美味しそうな焼け具合ですね」
やはり食べ物関係となるとミアは目を輝かせている。
「うん、いい感じに焼けたぞ。あちちち!!」
俺はトースターから餅を取り出すと醤油をつけて海苔を巻いた。
「はい、フィーナ ミア。食べてみろ。美味いぞ!!」
「そう? じゃいただきます」
「いただきます、達哉さま」
二人は手にとって口に運んだ。
「美味しいわ! 達哉」
「ホントですね。あの固かったのがこんなに軟らかくなってますし」
二人の反応を見てホッとした俺も早速久しぶりに味わう。
「うん、本当に懐かしい味だな。まだまだ焼くからいっぱい食べてくれ。俺も餅を食ってパワーをつけて明日からまた頑張らないとな」
「うふふ、まるで力の源ね。そういえば達哉、このお餅の食べ方ってこれだけなの?」
「そうですね。これでしたら他にも工夫次第でいろいろできそうですね」
二人の疑問は当然だろうな。
「そうだな~。他には……」
俺は戸棚からある食材の入った袋を取り出した。
「本当はもっと凝った作り方をするんだけど、まぁ気分だけでも」
器にその袋の中身と焼いた餅を入れるとそこにお湯を注いだ。
「はい、インスタントのお吸い物を使った即席の雑煮だよ。もっとも本当の雑煮はこんな簡単なのじゃないんだけどね」
二人とも口に運ぶ。そして
「うん、これも美味しいわね」
すると同じように食べたミアの目が輝いて
「でしたら私がお雑煮の作り方を勉強してお二人に作って差し上げます!!」
ありゃりゃ……こりゃミアの料理魂に火をつけてしまったのか……?
「おいおいミア、一口に雑煮といっても場所や家によってレシピも違うし……それにそんなに本気になることないよ」
「そうですか? でしたらとりあえず麻衣さんにレシピを頂いて作ってみます」
こりゃ本当に作る気満々だな。ま、ミアも一度言い出したら後には引かないからここは作らせればいいかもしれないな。どっちにしてもミアの料理だったら間違いはないだろうと思った俺は
「あぁ、楽しみにしてるよ」
するとミアは元気一杯に
「はい、お任せください!! お二人に“美味しい”と言ってもらえるお雑煮を作ります!!」





あとがき……みたいなの
今回のSSは、やまぐうさんのSS『正月の朝食』からヒントをもらって書いてみました。
相変わらずの事後処理ですが、まぁその辺は御勘弁を……。
それにしても王宮の一室で一国の姫がオーブントースターで餅を焼いて食べている状況って……(汗)




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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。