FC2ブログ

気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

FORTUNE ARTERIAL SS    『冷たいけど暖かいメッセージ』

何だかここ数日暖かい気がします。お陰で自転車で気合を入れて走ると汗をかきました。こういうのは気をつけないとヤバイですね。


で、申し訳ありませんが今回は巡回報告はまた後程でm(_ _)m


というわけで本編へ ↓







FORTUNE ARTERIAL SS 『冷たいけど暖かいメッセージ』


ピピピ……
枕元の目覚まし時計が今日も否応なしに鳴る。
仕方なく起きてカーテン越しに外を見るがまだ暗い。
気のせいだろうか? 何だか妙に静かな気も……。
隣で寝ている瑛里華を起こさないように静かに起きると俺は台所に行き、前日の夜に予め瑛里華が用意してくれていた朝食を食べる。
「はぁ……いつまで続くんだろうか? この慌しさは……」
何故かここ最近妙に仕事が忙しく、このように朝は暗いうちに家を出て夜は遅くに帰ってくる。
お陰でここのところ娘の伽耶が起きているうちに帰ってきた例がない。
瑛里華の話では伽耶もいつも
『パパがかえってくるまでおきてるよ』
って頑張っているらしいけどどうしても眠気に耐えられず椅子に座ったまま寝てしまうので仕方なく瑛里華が抱っこして寝床に連れて行くらしい。
なので帰ってから俺が見るのはいつも伽耶の寝顔である。
だからそんな話を聞く度に俺もいたたまれない気持ちになるのだが、仕事なのだから本当に仕方がないのである。
また今は休みらしい休みもないのでなかなか伽耶と遊んでやることもできず
「瑛里華はともかく伽耶には申し訳ないよな。このまま俺のことがキライにならなきゃいいんだけどな……」
なんてコトを呟きながら朝食を食べ終わり、食器を流しに持っていって
「さて……行くとするか……」
鬱な気分になりながらカバンを持って靴を履くと誰もいない室内に向かって
「……行ってきます」
いつもの通り出かけた。

すると
「うわっ!! なんだ?! こりゃ!!」
外に出た俺の目の前に広がっていたのは一面の銀世界。
「道理で妙に静かだと思ったよ」
もっともそんなに積もっているわけではないので交通機関とかには特別影響はなさそうだ。
「とりあえず足元には気をつけないとな」
と思って行こうとした矢先
「そうだ!!」
ふとあることを思いついた。
俺はカバンを玄関脇に置くと雪を手ですくって固め、小さな雪玉を二つ作った。
それを重ねると溶けても大丈夫なようにトレイの上に置き、豆で目を付けて爪楊枝を横に刺して手に見立てる。
小さな雪だるまの完成。
そして横に

『伽耶へ
なかなか遊んであげられなくてゴメンね。
早いうちに絶対休みをとるからそうしたらママと伽耶とパパと3人で遊園地に行こうね。
                           パパより』

という手紙を添えて冷蔵庫に入れた。
「それじゃ、行ってきます。伽耶、見てくれるといいけどな……」


そしてまるで当り前のように今日も帰りは遅くなった。
「あ~~~ぁ、伽耶はたぶん今日も寝ちゃったかな……?」
まったく……いつもながら瑛里華はともかく頑張って起きててくれようとしている伽耶に対して申し訳ない。
「ただ今……」
「おかえり。今日もお疲れ様」
たぶん聞くだけムダだと思うけど一応聞いてみる。
「伽耶はもう寝た?」
「えぇ、今日も頑張ってたんだけどね。さすがにもう遅いから」
あぁ、やっぱりか……。
「それよりも外は寒かったでしょ? とりあえずお風呂に入ってきなさい」
あれ? 晩飯は出来てるしいつもはどちらが先でも特に何も言わないんだけど今日はどういうことだ? と思いつつもとりあえず言われた通り先ず風呂に入る。
風呂から出ると瑛里華が
「ゴメン孝平、冷蔵庫からビール出してちょうだい」
これもいつもだったら出してくれるんだけどな……と思いつつ冷蔵庫を開けるとそこには
「瑛……瑛里華、こ……これ……?!」
中にあったのは俺が今朝作った雪だるまの横に俺のと同じくらいの雪だるまが一つとその間にさらに小さな雪だるまがもう一つ。
「も~~~、朝冷蔵庫を見てビックリしたわよ。何が入ってるのかと思っちゃったじゃない?」
てなコトを言う割りには瑛里華もニコニコしながら
「この雪だるまを伽耶に見せたら凄く喜んでたわよ。最近パパが遊んでくれないからつまらなそうな顔をよくしてたけどこれを見た瞬間、ニコニコしながら外に飛び出して
『かやもゆきだるまつくる~~~』
ですって。うふふ」
「それでもしかして瑛里華も一緒になって作ったわけか?」
的を射られた様に瑛里華は顔を真っ赤にしながら
「ま、そ……そんな感じかしらね」
「ははは、瑛里華らしいと言えば瑛里華らしいし親子と言えば親子だな」
瑛里華は難しそうな顔で
「それって褒めてるの? けなしてるの?」
「まぁ、……どっちでもいいじゃないか?」
と言いながら俺は3つの雪だるまが入ったトレイとビールを冷蔵庫の中から取り出した。
その雪だるまを眺めながらビールを飲んでいると小さな雪だるまの横には一枚の紙が置かれていたのに気付いた。
伽耶の作った雪だるまの横には手紙が添えられていた。
手紙は習いたてのたどたどしい字で書かれていた。

『パパへ
おしごとがんばってね。
ゆうえんちたのしみにしてるからね
            かや』

それにしても見てくれてよかった。と言うかたぶん瑛里華が気付いてくれると思っていたから大丈夫だとは思ったんだけど、こんな手紙まで書いてくれていたとは思わなかったな。
「ん? どうしたの? 孝平。何だか涙目みたいだけど」
どうやら伽耶の手紙が嬉しくて知らず知らずのうちにウルウルきてたみたいだ。
もっとも瑛里華相手に隠す気なんかないから
「あぁ、嬉しいんだよ。伽耶からの手紙が……。最近遊んであげられないから俺のことキライにならないかと心配してたから……」
「何言ってるの? 大丈夫よ。私と孝平の娘だもの。手紙でも何でも話せば絶対分かってくれるわよ」
もう俺は嬉しさで胸が一杯になって涙目どころかそれがそのまま頬を伝ってしまった。
「んも~~~、孝平ったらそこまで泣く事ないじゃない?」
「ははは、そ……そうだな」
「ま、このことは一応伽耶には内緒にしておいてあげる。とりあえず貸し一つね」
この貸しが一番怖い気がするけど……ま、いいか。
それよりメチャクチャ疲れているはずなのに家族の力というのは不思議なものだな。
何だか明日からの活力が湧いてきたし、帰るまで欝だった気持ちが妙にすっきりした様な気がする。

俺は伽耶の手紙をもう一度読んで、折り畳むと袋に入れて懐にしまった。
「あら? 手紙を仕事に持っていくの?」
「あぁ、なんと言ってもこれは明日からの俺の力の源になるんだからな。瑛里華と伽耶を食わせるためにまた明日から頑張らないとな」
すると瑛里華は少々困った顔で
「う~~~ん、頑張るのはいいけど遊園地の件は忘れないでね」
「は……はい……」




あとがき……みたいなの
今回は通勤時の車でいつもラジオを聴いているのですが、その中で偶然流れていた話をヒントに思いつきました。
とは言うもののここのところネタはあっても話がなかなか巧く広がっていかず苦労しております。
今回はどうにか広げる事ができたみたいでよかったですが……

あと余談ではありますが、今回のSSでFAのSSが丁度100作品目になりました。
お付き合い下さった方々、どうもありがとうございます。今後ともお付き合い下されば嬉しく思います。





ブログパーツ

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://kimama810.blog64.fc2.com/tb.php/391-a0f94a24

 | HOME | 

Calendar

« | 2019-11 | »
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

TIPS114 記念日にメッセージを表示する

Birthday


今日は誰の誕生日?


Recent Entries

Categories

Monthly

通算ランキング

月間ランキング


アクセスカウンター





現在の閲覧者数:

Recent Comments

Recent Trackbacks

Appendix

福hide

福hide

『気ままな場所』へようこそ!

文字通り思いつくまま気ままにSSを書いているところです。
主としてオーガスト系(といっても種類はかなり限定されていますが)とあとはちょこちょこと気が向いたらなのは系他も書いてたりして。

当ブログはリンクフリーです。
この様な所でよろしければ御自由にして頂いて結構です。
報告とかも任意で構いません。
ただ、メール等で御一報下さればコチラからも改めて御挨拶に伺わせて頂きます。


E-mail:morn-8.10@ninus.ocn.ne.jp(@は半角で)



『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。