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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

FORTUNE ARTERIAL SS    『一応物語のはずなんだけど』

はい、久々の更新になります。
ったく……うまい具合に話が思いつきませんです。
って言うかネタはそれなりにあるんですが、何せ文才がないからかSSに仕上げるのがなかなか……。
そんな中でやっとのことで書き上げました。

それと今日はとあるイベント(自転車関係)に行ってきました。
何となくネタになりそうな感じなので、できるなら早いうちに書ければと思います。



というわけで本編へ ↓




FORTUNE ARTERIAL SS  『一応物語のはずなんだけど』



新しい学年が始まって暫く経ち、今年も新入生歓迎会が予定されている。
その準備なども含めてだけど、相変わらず私達生徒会は何かと忙しい。
だからというわけじゃないんだけど本来なら私達は裏方仕事なので表に出て何か出し物をするということはこれまでやらなかったわけなんだけど、去年一昨年とみんながいろいろやっているのを見てふと思った。
今年は生徒会でも何かやってみよう、と
そのことを孝平や白に話すと
「はぁ~~~?!」
「えぇ~~~?!」
二人して『いきなり何を言い出すのか?!』という顔をされた。
ま、これまで前例がなかったし当然と言えば当然かしら。

孝平が頭をかきながらボヤキにも似た言葉で
「ったく、それでなくても人がいないからこれだけ忙しいのに……」
と言いながら書類の山を指差す。
確かに孝平の言ってることはごもっとも。だけど私も一度言い出した以上、簡単に引き下がる気はない。
「それは私も分かってる。だけど……せっかくだから何かやってみたいの」
すると白が
「確かに大変かもしれないですけど面白そうですね。やってみる価値はあると思います」
まったく、白が味方をしてくれて助かったと言うのか……。


一応2対1ということでさすがの孝平も観念したのか
「……わかったよ。で、それはそうと何をやるつもりなんだ? アイデアは何かあるのか?」
「う~~~~ん……それは私もいろいろ考えたんだけど、劇なんかはどうかな?」
すると孝平は“マジかよ?!”と言わんばかりの顔で
「おいおい!! 劇だと練習とかも結構しないといけないしそんな暇があるのか?」
「孝平、暇は与えられてもらうものじゃなくて自分で作るものよ!!」
「そりゃそうだけど……それにしてもそういうところはやっぱり兄妹と言うか伊織先輩の妹だな」
確かに私もいろいろやってるけどそう言われるとなんかムカつくわね。だけどここはガマンガマン。
「それで瑛里華先輩、どんな劇を考えているんですか?」
「そうね~~、私的にはこの島に伝わる昔話がいいと思うんだけど」
それを聞いた白は
「それでしたらいい本がありますよ」
と言うや自分のカバンを探って1冊の本を取り出した。
「白、その本は?」
「これですか? 家にあったんですけど、御先祖様がこの島に伝わるお話とかをまとめた本です。もっとも原本は昔の仮名遣いとか使ってあってわかりにくいですからこれは現代風に訳して頂いたものですけれど」
そしてページをめくって
「このお話とかはどうですか? もしかしたらこの学院にも関係あるのではないでしょうか?」
私は白からその本を受け取ると先ずはパラパラと簡単に目を通す。
「ふむふむ……結構面白そうね。今晩読んでみるから借りていくわね」
そしてその日の仕事が終わって寮に帰った私は宿題等やらなければならないことを手早く済ませると早速白から借りた本を読むことに専念するのだった。

翌朝
「ふぁ~~……眠い……」
昨夜は遅くまで本を読んでいたのでさすがにちょっと寝不足気味。
とはいっても生徒会長たる者、周りの人にそういうだらしない姿を見せるわけにはいかない。込み上げてくるあくびを必死で噛み殺す。すると
「お~~い、瑛里華 おはよう」
後ろから声がした。
「あ、孝平 おはよう。ふぁ……」
振り向いて孝平の姿を見た時に気が緩んだのか思わずさっきまで噛み殺していた大あくびが出てしまった。それを見た孝平は
「おいおい、何か眠そうだな。昨夜は夜通しで本を読んでたのか? 生徒会長が授業中に居眠りなんかしてたらそれこそ周りに示しがつかないぞ」
「そんなこと分かってるわよ。やることはちゃんとやるからそれは余計な心配」
とは言ったものの若干心配でもあるけど……
「ははは。ま、そういうことにしておこうか。で、白ちゃんの本はどうだったんだ?」
「うん、面白い話だったからやってみようと思うの。それに何だかそのお話を読んでいると何となく他人事とは思えなくてね。あとで詳しく話すわ」
それから放課後、俺達は瑛里華から説明を受け、それから脚本を起こして仕事の合間を見つけて稽古をして、来る本番に臨むのだった。


そしていよいよ本番当日。
講堂に集まった新入生を前に各クラブや有志達による出し物が続く。
講堂の隅でそれらを見ていた私達も出番が近付いたのでステージ裏に移動した。
「うぅ~~~、何だか凄く緊張するわね」
「何だか突撃生徒会長らしからぬ発言だな」
一瞬私の頭の中で何かが切れた音がした。
私は孝平に詰め寄ると睨みつけながら
「ちょっと孝平、だ~れ~が“突撃”ですって?」
「ははは……それは、まぁ……」
するとタイミングよく白が
「あの、と……とにかく頑張りましょう」
白のニッコリした笑顔に毒を抜かれたのか、なぜかこの一言で不思議とこの場は治まった。というか考えてみたら今はこんなことでキレてる場合じゃないのよね。
そして、前の組の出し物が終わっていよいよ私達生徒会の番がきた。
私は自分の頬をパンパンと叩いて自らに気合を入れると
「よし! 私達も頑張っていくわよ!!」
「あぁ」「はい」
準備が完了すると私は係員にOKの合図を出す。
ほどなく場内にブザーが鳴って緞帳が上がった。


白のナレーションから劇は始まった。
『今から百年以上も前のことです』
『ここには今のような建物は一切無く、見晴らしのいい丘だった時のことです……』

そして話は進みいよいよクライマックスへ
私の役はツキという名の少女。そして孝平はそのツキに密かに恋する鬼の役
「血を吸うなら、どうぞ」
「どうせ私は、もう長くないもの。死ぬ前に誰かの役に立てるなら、それでもいいわ」
ツキという少女は不治の病にかかり、死と隣り合わせにいた。
しかしながらツキは死を恐れていなかった。
鬼はそのツキに気圧されてかツキの血を吸うことができなかったのである。
その後二人は丘で何度も会うようになり、顔見知りになった気安さからだろうか鬼から提案された。
「それなら俺の血を飲めばいい。俺の血を飲めば君は死なずに済む」
しかし
「……」
鬼と始めて会う前からツキは死というものを受け入れていたのだろうか、ツキはただ黙って首を振るばかり。
そしてそれからツキという少女の姿を見ることはなかった。

『その後、鬼は二人が会っていた丘に1本の木を植えました。
それは単なる気まぐれであったとはいえ、彼女と同じ名前の木でした。
そして大きく成長したこの木は後に「願いが叶う」という伝説の木となりました。
ちなみにツキという木はケヤキのことです。
ケヤキといいますと、偶然にも学院の寮の裏庭に“穂坂ケヤキ”という名のケヤキの木がありますが、この木にも「願いが叶う」という伝説があります。
もしかしたらこの鬼が植えた木というのはこの“穂坂ケヤキ”のことかもしれませんし、そうでないかもしれません。
これを機に新入生の皆さんも一度訪れてみてください。もしかしたら願いが叶うかもしれません』
という白のナレーションで私達の劇は終わった。

静かに緞帳が下りて会場は拍手喝さいに包まれた。
それを聞きながら舞台裏で
「やったな! 瑛里華」
「そうね。大成功ね。白もお疲れ様」
「はい、お疲れ様です」
私達は3人で手を取り合って成功を喜んだ。


その後、裏口から外に出た私達の前に現れたのは
「に……兄さん」「伊織先輩……どうしてここに?」
すると兄さんは何やらフクザツな面持ちではあるが
「いや~~~、君達の劇 見せてもらったよ。だけどどこであんな話を?」
すると後ろから白が
「家の書庫にあった本をたまたま私が持ってきていてそれを瑛里華先輩に見せたんです」
「それで何となく学院とも関係ありそうな感じだしお話としてもいい感じだったから私が選んだのよ」
兄さんは表情を変えず
「そ……か。なかなかよくできていたよ。だけど一つだけ気になったのが支倉くん、鬼の役はできればもうちょっとカッコよくスタイリッシュに決めて欲しかった気もしたけどね」
「そ……そうですか? これでも自分なりにいろいろ考えたつもりだったんですけど?」
「カッコよく……って、このお話を兄さんが解釈したらどうなっちゃうのよ?」
「ははは。ま、いいさ。じゃ俺はこれで」
と静かにいうと兄さんはこの場を立ち去った。

孝平が不可解な顔で
「伊織先輩、何だかいつもの表情じゃなかったな。何だか胸に秘めた思いでもあったかのような……」
孝平と同じ事は私も考えていた。
「えぇ、言われてみればそうね……。いつもだったらもうちょっと何か言ってくるはずなんだけど……」
「そうですね。伊織先輩、何かを思い出されたような表情をされてましたね」
そうなのよね。さっきの兄さんはいつもと違って何だか悲しそうな感じの顔だったし。
「あ! そう言えば瑛里華、俺もこの話を読んで前から言おうと思ったんだけど、話の中の“鬼”ってやっぱり吸血鬼のこと……だよな?」
「確かに内容からいってそうよね。私も読んでて他人事ではない気がしたし。だけど……よくよく考えてみればさっきの兄さんの表情から察するに……」
「というか瑛里華先輩、このお話の“鬼”のモデルというのは……もしかすると……」
「ま……まさか……話の中の鬼って、伊織先輩……ってことは……?! っていうかこれって実話?!」
一応話の内容からして私も吸血鬼モノだろうと思ってはいたし、確かに兄さんは100年以上生きてるわけだからそれなりにいろんな経験もあるとは思ってたけどまさかこういった物語の中に実際に出演(?)しているとは思わなかった。
「でも……ありえない話ではないわよね……」
私の言葉に二人もうなずく。
「もしかして伊織先輩には悪い事しちゃったかな……」
最後に孝平がポツリと呟いた。
その後、私達3人にそれ以上の言葉はなかった。
そして私達は無言のまま講堂を後にすると、その後はその思いを振り切るかのように再びそれぞれの持ち場に戻ってひたすら各自の仕事に専念するのだった。




あとがき……みたいなの
ネタとしてはちょっと早いのではと思いますが、一応完成してしまったので公開することにします。
それにしても……こうなるといおりんのあの話を書き留めたのは一体誰だったんだろう? っていうかいおりんもよくこの話を書く事を許したもんだ、というツッコミも……。

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文字通り思いつくまま気ままにSSを書いているところです。
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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。