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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

FORTUNE ARTERIAL SS    『柱のキズ』

せっかくの休日だというのに……タイミングよく雨に降られて面白くありません。
まぁ今回のSSはそのお陰で書けたのかもしれませんがね。

それから『穢翼のユースティア』ですが、相変わらずまだやってません、って言うか買ってません。
ですが、ネタバレは好きな性格なのでいろんなところで結末というか流れが書かれていますので見てますけど、う~~~~ん……どうしようかな?
それとココに『穢翼のユースティア』のSSが載る日はいつのことでしょうか?



今回のSSもまた伽耶ちゃんシリーズですが、これまでより幾らか成長した時の話になってます。
それと一応こどもの日のあの歌の歌詞がヒントになっていますが、話そのものはこどもの日とは全く関係ありません。

というわけで本編へ ↓




FORTUNE ARTERIAL SS 『柱のキズ』


ある日の昼下がりの千堂邸
「うん?」
廊下を歩いていた千堂伽耶の視線の先ににあるものが映った。次の瞬間、伽耶は思い出したかのように
「そうか、そう言えば今日は……」

伽耶の視線の先にあったものは一本の柱。
その柱には何本かのキズが付けられていた。
そして、そのキズの横にはそれが付けられた年月日も一緒に刻まれていた。
そのキズは毎年一本ずつ、そして毎年着実に高くなっていた。
この柱のキズというのは千堂伽耶の孫である支倉伽耶の成長の証。
毎年この時期に屋敷に家族で遊びにきたときに必ず入れてきた。
最初はともかくキズの数が増えるごとにいつの間にか伽耶は毎年この時期になるとこの柱に孫の成長した証である新しいキズを入れるのが楽しみになってきてしまっていた。
「それにしても、あたしが言うのも何だが年月というのが過ぎるのは早いものだな……」
そのキズを見ながら伽耶はしばらく感慨にふけっていた。
祖母伽耶の正体を知りながらも、そして大きく成長し大学も卒業して明らかに見た目自分より幼いはずなのにここに来ると今でも昔と全く変わらず『だって見た目はどうでも私にとってはおばあちゃんはおばあちゃんだもん』と慕ってくれた孫の伽耶。
その伽耶は今日、新たな人生のパートナーと共に旅立つ。


「あら伽耶、ここにいたの?」
「なんだ、桐葉か。何か用か?」
相変わらず現れるタイミングがいいのか悪いのか。
「別に用はないけど。ふ~~ん、このキズを見てたの? あぁ、そう言えば今日は……」
「あぁ、たぶんもう終わってる頃だろう」
「せっかくの伽耶ちゃんの晴れ姿を生で見なくてよかったの?」
桐葉の的を射たような問いに対しての解答は
「ふっ、別に行ってやってもよかったのだがさすがにあたしが行くと新郎側が戸惑うだろう? いくら何でもこの姿で『伽耶の祖母です』なんて挨拶できると思うか?」
「うふふ、確かにそれはそうね」
という桐葉の答えを聞く前に伽耶は再び柱のキズに目をやった。
伽耶の答えは相変わらずぶっきらぼうではあったがさすがに今日はどこか少々寂しげである。
そして桐葉も毎年このキズが増える光景をそれなりに楽しんで見ていたのだろう。感慨深い声で
「もうこのキズも増える事はないのね」


「こんにちは~~~」「ただいま~~~」
玄関の方から声がした。
「ん? あいつらか……」
それからしばらくして広い屋敷なのにまるで二人がどこにいるのか分かっていたかのように
「あ、母様に紅瀬さん やっぱりここにいたんだ」
突然訪ねてきたスーツ姿の二人。
「何だ、支倉に瑛里華か。もう式は終わったのか?」
「えぇ、滞りなくね。二人とも幸せそうだったわ」
「そうか……それはよかったな」
その後は暫し無言の時間が流れる。

さすがにこの空気を変えないといけないと思ったのか孝平が口を開く。
「ところで二人ともこんなところで何してたんですか?」
少々寂しそうな顔をして柱の前に佇んでいた二人に訪ねた。
「ま、別に何となくここにいただけだが……。それよりもお前達こそ何であたしがここにいるのが分かったんだ?」
今度は瑛里華が柱に付いたキズを見ながら
「さぁ、何となくここに居そうな気がしたからだけどね。それにしても懐かしいわね。毎年母様はここに新しいキズをつけるのを楽しみにしてたわね」
「まぁ否定はせんがな。だけどさすがにいい加減アイツももうそういう歳ではなくなったし、仮にやったところでもう毎年同じところに印がつくようじゃやっても面白くないわ。それに……」
先程のカラ元気から最後は少し寂しそうな声で
「もう今までみたいにちょくちょくここに来てくれることもなくなるだろうしな」
伽耶の言葉に場に再び重い空気が流れた。

すると今度は瑛里華が
「そうだわ母様、そしたら今度は伽耶の子の背丈を計ればいいんじゃないかしら? 今度は曾孫ね。あぁ、それよりもせっかく招待状を送ったのに何で来てくれなかったのよ? 伽耶もおばあちゃんに自分のウェディングドレス姿を見て欲しかったって凄く残念そうに言ってたのよ」
伽耶は少々困った顔で頭を掻きながらも
「アホか?! お前は。大体考えてもみろ!! そもそもあたしは伽耶の旦那やその家族に挨拶してないんだし、いきなりこの姿で伽耶の旦那の前に出れると思うのか? それこそ先ず向こうがビックリするだろうが! それにたまたま孫の伽耶はああいう風にあたしに接してくれたからよかったが、その子供が伽耶と同じようにあたしに接してくれるとは限らんしな」
伽耶の言葉に瑛里華も『はっ!』っと思い出したように真顔になって
「……それもそうね。確かに新郎側は吸血鬼の存在なんて知らないわけだしね」
瑛里華の顔色の変化に伽耶も少し言い過ぎたと思ったのだろうか、表情を和らげて
「まぁ……確かに本音を言うとせっかく招待状をもらったのに出てやれなかったことと伽耶の人生一番の晴れ姿を見てやれなかったのは本当にすまないと思っている。だけど伽耶だったら表向きではそう言っててもきっとあたしの気持ちは分かってくれていると勝手ながらそう思っている」
「うん……」

再び4人の周りを重い空気が取り囲んだ。
だが、再びそれを断ち切るように孝平が
「あ、そうだ 伽耶さん、伽耶さんに見てもらおうと思って今日の写真をたくさん撮ってきたんで見てください」
すると伽耶は一応見た目平静を装って
「おぉ、そうか。なかなか気が利くな。それじゃあせっかくだから見せてもらうとしようか」
口から出る言葉も一応普通っぽく振舞っている、が 声の表情はいかにも単に強がっているだけというか『待ってました!』と言わんばかりというのか。
横でそのやり取りを見ていた桐葉にはそれが妙におかしかったのか
「うふふふ」
思わず笑い出した桐葉を伽耶はギロッと睨みながら
「何がおかしい? 桐葉」
「もう丸分かりよ、伽耶」
「う……うるさい!!」

「それより母様、こんな場所で立ち話もなんだからリビングに行かない? さすがにずっと立ったままじゃ疲れるわ」
来てからずっと立ち話だったので少々疲れた顔をした瑛里華がぼやく。
「ふふ、さすがに歳を取ったら足腰も弱ってきたのか?」
伽耶の相変わらずの毒舌に瑛里華は頬を膨らませながら
「仕方がないでしょ? 人間の体というのはそういうものよ」
「ったく不便なものだな。あたしらは全く感じないから分からんが」
「んも~~~、だ~か~ら~~~」
「あ~~~、分かった分かった……」
相変わらずこの親子は放っておくとすぐに漫才を始めてしまう。
するとやっと和んだ空気に横で桐葉もニッコリしながら
「それじゃあ私はお茶を入れてくるわね。二人ともゆっくりしていって」
「ありがとう、紅瀬さん。それじゃ母様、行きましょうか」
「あぁ、楽しみだな」
支倉夫妻と一緒にリビングに向かう伽耶は早く写真を見たいがその気持ちを悟られたくないというのが明らかに誰の目からも丸分かりではあるが、二人ともそれを突っこもうとはしなかった。




あとがき……みたいなの
冒頭の言葉どおりあの歌がキーワードになった話です。
それに時期も何月かという設定はしておりません。まぁ、この時期ということでゴールデンウィークかもしれませんしそうでないかもしれません。
伽耶さんも見た目おばあちゃんに成長させるという手もありましたが、今回に関しては“どうかな?”という気持ちが強かったのか今までのままの姿ということで。
それと伽耶ちゃんの結婚式の会場って珠津島??
書いた本人が言うのも何ですが、考えてみたら突っこみどころ満載ですな(汗)

それにしても最近は伽耶ちゃん絡みのSSばかりですね。





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コメント

伽耶ちゃんの新郎家族は、支倉夫妻を見ても驚いたと思いますよ。「お若いですね~!」って。珠の影響で常人より寿命が伸びていますから。

ギャルゲのママは年を取らない! 理屈不要!
パパも若いことがありますよね。秋生さん(秋生様だっつーの!)

Re: タイトルなし

遅くなりまして。
コメントどうもありがとうございます。

まぁ、確かにそうですね。
もっともだからこそ以前に書いたような姉妹もどきのSSも書けるのかもしれませんけどね。

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