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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

夜明け前より瑠璃色な SS   『一本の竹刀』

ここは月王宮の一室。
留学が終わって一足先に月に帰ったフィーナに遅れて カテリナ学院を卒業後、月に渡った俺は一人前の王室の一員となるべく日々勉強に明け暮れていた。
普通の一地球人である俺の為に特別プロジェクトチームが作られ 王室の歴史やしきたり、他にもパーティでのマナーや帝王学など必要とされるありとあらゆる知識を日々叩き込まれている。
そして今日も・・・。

正直言って学生時代以上に勉強している気がする。
まぁ元々月に関する勉強は好きな分野でもあったので新しい知識を得るのは割と楽しい事でもある。
だが好きな分野とはいえさすがに毎日やっていると時には苦痛に思うこともある。嫌な気分になることもある。が、フィーナを始め俺の背中を押してくれた皆の期待を裏切る事など絶対にできないし、俺を国王陛下に強く推してくれたカレンさんの顔に泥を塗ることにもなるので絶対に弱音は吐きたくなかった。

教官「今日はここまで。復習をしっかりしておいてください」
俺「ありがとうございました」
部屋を出て行った教官と入れ替わりにミアが入ってきた。
ミア「失礼します。 達哉さん、お疲れ様です。 お茶をどうぞ。 どうですか?調子は」
俺「あぁ、ありがとう。 ふぅ・・・さすがに大変だよ。 覚えないといけないことが山ほどあってね。 そういえばフィーナは?」
ミア「姫様は執務室でお仕事をされています」
俺「そうか。 俺も一日も早くフィーナの役に立てるようにならないといけないな」
ミア「でも達哉さんがこちらに来られてからの姫様は一段とご機嫌がよろしいようですよ。 何だか毎日が楽しそうです」
「そうね。毎日が楽しくて仕方がないわ」
ミア「あ、姫様!」
俺「フィーナ!!」
フィーナ「そんな意外な顔をしないでよ。 私が来たら悪いわけ?」
俺「そんなんじゃないけど、仕事が忙しいんじゃ?」
フィーナ「そんな一日中ずっと忙しいわけじゃないわ。 息抜きの時間くらいあるわよ。 あ、ミア 私にも頂戴」
ミア「はい、かしこまりました」
3人でお茶を飲みながら暫しの雑談に華が咲く。
公務では厳しい表情を見せるフィーナもこうして他愛もない話をしている時はタダの一人の女の子だ。
フィーナ「そういえば達哉、勉強頑張っているみたいね。 先生達からお褒めの言葉を頂いているわよ。 なかなか真面目にやってるし、こちらも教え甲斐があるってね」
俺「まぁ褒めてもらえるのは嬉しいけど・・・やっぱり一日も早くフィーナの手助けが出来るようにならないと意味がないしな。 まだまだ知識や経験はフィーナの足元にも及ばないよ」
フィーナ「それはやってきた期間の違いだから仕方がないわよ。 でも達哉はよくやっていると思うわよ。 それは見ていて分かるわ」
ミア「そうです。 それに最初は確かに皆さん色々と仰られてましたけど達哉さんの勤勉振りにはビックリされたご様子で、かなり期待されてますよ」
俺「そうか。二人にそう言ってもらえると安心だな」
フィーナ「でも、油断は禁物」
俺「はい、日々精進します」
3人で顔を見合わせて大笑いした。

フィーナ「さて、私は公務に戻るわ。ミア、ごちそうさま」
俺「俺も部屋に戻って復習するかな。ごちそうさま、ミア。 じゃぁフィーナ、夕食時に」
フィーナ「ええ、後ほど」
ミア「では、あとは片付けておきますので」
俺・フィーナ「ありがとう」
そしてフィーナは執務室へ、俺は自室へ向かった。

自室にて一人で勉強をしていると、ふと窓に浮かぶ地球が見えた。
地球の姿を見ると地球にいる皆のことが自然と頭に浮かんでくる。
これまでが結構騒がしい環境だったためこのシーンとした場所では確かに勉強もかなり身に入るのだが、ふと我に返ると若干の寂しさも出てくる。
俺「麻衣や姉さん、菜月におやっさん、仁さん それに遠山も元気にしてるかな・・・・?」
やっぱり何だかんだと言っても家族の事は気になるもんだ。
それに少なからず不安もある。
俺がフィーナと一緒に月に来る事を選んだというこの選択は本当に間違っていなかったのだろうか?
行く行くはもしかしたらこの国の王、もしくはそれに準ずることになるかもしれない自分、こんな自分で本当に務まるのだろうか?
正直言うと一国の王室という重圧に押し潰されそうになるときもある。
もっともそのためにも必死で勉強をしているわけなのだが・・・。

部屋の隅に立て掛けてある一本の竹刀がある。
カレンさんから課された試験で使った竹刀である。
そんなに長い期間使っていたわけではないのに握りの部分が所々擦り切れてしかも血だらけになっている。
もちろん幾つも血豆を作りそれを潰した痕である。
気が滅入った時ややる気が起きない時、不安になった時には俺はその竹刀で一心不乱に素振りをした。
一回一回、魂と力を込めて振り抜く。
あの時フィーナと一緒になるために死ぬ気で稽古していた時のことを思い出しながら。
俺「そうだ!! 俺はやらねばならないんだ!! やると決めたんだ!! そして、やればできるんだ!!」
瞬く間に額に汗が浮かぶ。
そうして気合を入れて素振りをしていると自然とまた体中にヤル気がみなぎってくる。
俺「ふう・・・」
「お疲れ様」
俺「フィーナ!! いつの間に?? 居たんだったら声をかけてくれたらよかったのに」
フィーナ「さっきからずっといたけど。 達哉ったら私が来た事に気付かないし、物凄い気迫で一心不乱に竹刀を振っているから声をかけづらくて。 もしよかったら一勝負しない?」
俺「今日は遠慮しとくよ。 もうすぐ夕食だしね」
フィーナ「あら、残念」
俺「まぁどっちにしてもまだ今の俺じゃぁ勝負以前にコテンパンに叩きのめされるのがオチだしね。 ははは」
フィーナ「ひどいわ。 人を何だと思ってるの? でも達哉、そうやって素振りとかしているということは何か悩みとかでもあるの? 達哉の悩みは私の悩みよ。 話してもらえないかな? 私も精一杯考えるわ」
俺「まぁ、そんな大したことじゃないんだけどね・・・ただ」
フィーナ「ただ?」
俺「たまにいろいろ不安になるんだ。 将来俺も王にまでならないにしても王家の一人として努めなければいけないんだろう。 そうなった時本当に大丈夫なんだろうか?とか・・・。 要はフィーナのパートナーとして俺は本当に相応しかったのか?ということかな。 もちろんそのために一生懸命勉強はしているつもりだ。 でも・・・」
フィーナ「そんなことないわ!! 私の選択は絶対間違っていないつもりよ。 あなたじゃなければダメなの! だからこそカレンを通して推薦してもらった。 それに私達の未来はまだまだこれからなのよ。

あなたと一緒なら、きっと大丈夫────。

あなたには私が、そして私には、あなたがいるわ────。

私はどんな難問でもあなたと二人でぶつかればきっと解決できると信じてる。 あのカレンから課せられた試験がそうだったように!!  ・・・だから」
俺「そうだな・・・ごめん。 つまらない事で悩んでいたみたいだ。 そうだ!俺にはフィーナがついているんだ!!」
俺は拳を上げて叫んでいた!
フィーナ「そうよ!!」

グ~~~~~~

俺・フィーナ「あ・・・・・」
二人の腹の虫の見事な合唱
俺「・・・お互い気合が入るとお腹も減るみたいだな。 ま、『二人とも今日も頑張った!』っていうことか?」
フィーナ「・・・・そう・・・ね」

ミア「姫様、達哉さん、夕食の準備ができました」
俺「さあ、行こう」
フィーナ「ええ」





あとがき
自分はこの「『夜明け前より瑠璃色な』は今年になって(というかごく最近)やりました(PC版)。
その中でこの話は二人の剣術勝負が出てきた時から考えていたのですが、どうやって話を膨らませようかというところで悩みました(とは言ってもそれ程膨らませているわけじゃありませんけどね)



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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。