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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

『二人の天の川』   夜明け前より瑠璃色な SS

ようやく今月一発目です。
ってかまたしても相変わらずの事後処理であります。


というわけで今日は時間がないので早速本編に ↓

夜明け前より瑠璃色な SS  『二人の天の川』


今日は7月7日
何故か『トラットリア左門』にも外に一応飾り付けられた笹が飾られた。
「なぁ菜月、確かここってイタリアンレストランだったよな?」
さすがに俺は一応気になってバイトの合間を見て菜月に聞いてみたのだが、当の菜月は
「うん、そうだよ。って何よ、今更」
と特に不思議がる様子もなく答えるので俺は七夕飾りを指さしながら
「あれはいいのか?」
「あぁ、あれね。気にしない気にしない。和洋折衷ってことでいいんじゃない?」
何とも能天気な声。
それに“和様折衷”ってそういう意味じゃないと思うんだがな……。
「なんだそりゃ? 大体イタリア料理の店で東洋の風習って……」
何か納得しない……。するとそれが顔に出てたのか
「あははは。達哉、難しく考えないの。ほらほら、お客さんだよ」
「ま、いいか」
さすがにこんな下らない理由でお客さんを待たせるわけにはいかないので俺も仕事に戻った。
それにしても今日は空模様が怪しいな。天気予報では夜には雨が降るって言ってたけど……。

そして今日も無事バイトが終わり、家に帰った俺は風呂に入って自分の部屋に戻ろうとしていた。
「あ~~~、今日も疲れた疲れた……っと」
と呟きながら外を眺めるとウチも例にもれず笹の葉が飾られている。
「そういえば確か麻衣が頑張って作ってたな」
何処から持ってきたのか麻衣が笹を引っ張りながら学校から帰ってきたので
「おいおい、お前何処からそんなのもってきたんだよ?」
「ん? 友達の家に生えてたからもらってきたんだよ。今夜は七夕だからね。さて、頑張って飾り付けないとね」
「だけど雲行きが怪しいから雨が降ったらその努力もパーになってしまうぞ」
「いいの。年に一度のお祭りみたいなものだし、降ったら降ったでそれは仕方ないでしょ?」
ま、いいか……。
ということなのだが、その麻衣の努力も空しく(?)やっぱり降り出したみたいだが、幸いにも七夕飾りは軒下に飾られているので雨ざらしにはなっていないようだ。

とりあえず部屋に戻ると暫くして
トントン……
窓を叩く音がする。
誰だよ? なんて言うまでもないか。カーテンを開けて窓を開けると
「どうしたんだ? 菜月」
「うん……何となく……ね。達哉の顔が見たいな~、と思ってね」
「なんだそりゃ?! そんなことなら別に今じゃなくてもいつでもできるじゃないか?」
「そう……なんだけどね。何となく今見たくなったの」
何かいつもの菜月と違うような気がするんだが……。
「まぁ、俺の顔を見てすむ話ならいくらでも見てくれていいんだが」
「うん、じゃあ見てる」
こういうニコニコしている時の菜月の顔は何とも言えずカワイイものだ。
「そういえば達哉、今日は七夕だったよね」
「何を今更だよ。店の前にあんなに派手な飾りをしてたクセに」
「それを言わないでよ。話には順序ってものがあるの」
何やら訳わからない理屈ではあるがとりあえずここは大人しく従っておこう。
「それで?」
「今夜は雨が降ってるから織姫と彦星は会えないんだよね?」
「そうだな。だけど実際この日は雨が多いからもしかして何年も会えないなんてことになってたり?」
「私だったらそんなことになったらイヤだよ。達哉に何年も会えないなんて考えられない」
「そりゃ俺だって菜月に何年も会えないなんてことになったら気が狂うかもしれないな」
「達哉にそう言ってもらったら嬉しいのか嬉しくないのか……」
「嬉しくない、ってのはどういう意味だよ?」
「だって、達哉が“気が狂った”なんてことになったらイヤだよ」
嬉しいといえば嬉しいけど……、突っ込みどころは“そこ”かい?!

「ねぇ達哉、今ふと思ったんだけど私達二人の間のこの距離って何だか“天の川”みたいだね」
と言って菜月はお互いの家の間の距離を指さした。
確かに2軒の間にはわずかだが距離がある。
また面白い発想をするんだな……と思いつつ
「ははは、なるほどな。うまいたとえかもな。結構高いところにあるし、それなりに距離もあるしな」
「それに今日は雨も降ってるから間に水もあるしね」
「まぁ縦に流れるか横に流れるかの違いかな?」
「この距離で隔たれているんだから私達ってまるで織姫と彦星みたいだね」
「だけど俺達の場合は織姫と彦星よりよっぽど恵まれていると思うぞ」
「え? なんで?」
「だって別に俺達は年に一度しか会っていけないと言われているわけじゃないし、それに俺だったらちょっと頑張ればいつでもこの天の川を越えて菜月のいる所に行くことができるからな」
「あはは、確かにそうだよね。だけど落ちたら危ないし特に今日は雨で滑りやすいから来ちゃだめだよ」
「そうだな。危ないことはしないに越したことはないか。さて、そろそろ寝ないと明日に差し支えるな。それじゃあおやすみ」
窓を閉めようとすると
「あ、達哉 ちょっと……待って!」
「ん? まだ何かあるのか?」
何だか菜月が切なそうな目をしてる。
そして少しソワソワした後、なんだか思い切ったように窓から身を乗り出すと静かに目を閉じた。
「菜月……」
突然の行動ではあるが、それが何を望んでいるかはさすがに俺でも分かる。
そうだ、俺達にとってはこの距離も降り続く雨も関係ない。
そう思った俺も目を閉じると窓から身を乗り出した。そして、俺達の距離がゼロになった。
俺達は降り続く雨も全く気にせず、まるで織姫と彦星に見せつけるかのようにお互いの唇を求め続けたのだった。




あとがき……みたなの
やっと久々に一つ思い浮かびました。
と同時におよそ半年ぶりの“夜明け前~”のSSです。
2軒の距離は……そういうことができるような距離ということにしておいてとりあえず適当に考えてください。あまり真面目に突っ込まれても困りますので(^^;





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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。