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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

夜明け前より瑠璃色な SS   『秋を探しに』

「ねぇ達哉、この前私が来た時と比べて涼しくなったわね」
公務のため地球に来ていたフィーナが呟いた。
この日の仕事も無事終わり、地球での滞在先である朝霧家に帰ってきていた。


さすがに留学中は夏の暑い時だったので久しぶりに地球に来て気候の変化を感じ取ったのだろう。
「そりゃそうさ。もう秋だしね」
「気候調節されている所に住んでいる私達にはちょっと馴染みの無い現象ね」
「あぁ、そうかもな。もっとも同じ地球でも四季のある所とない所もあるけどね」
「そうらしいわね。でもここにはその四季というのがあるのよね」
「あぁ。山に行ったらそういうのを体験できるんだけれどな」
「山に?」
「“紅葉”と言って木の葉が真っ赤に色付くんだよ」
「木の葉が紅くなるだけならそこの公園の木の葉も紅くなってたわね」
「確かにそうだけど山の木々の紅葉と言ったらそりゃ凄いぞ!!」
これまで生活してきた環境が環境だけに自然というのを殆ど体験したことがないフィーナは目を輝かせて
「そうなんだ。是非見てみたいわね。よかったら明日連れて行ってくれないかな?」
「え?!明日って・・・仕事は?」
フィーナは『任せなさい!!』という顔で
「その点はぬかりないわよ。達哉としっかり遊ぶために明日は休みをとったから。国の一大事でも起きない限りは連絡とかはないわよ」
「さすが!!恐れ入りました」


翌日
「おはよう、達哉」
「あぁ、おはよう・・・って、フィーナ!何してるんだ?」
「え?見ての通りお弁当を作ってるのよ。これでも帰った時にミアからしっかりお料理を習ってきたんだからね」
「お兄ちゃん、フィーナさんの料理の腕、前に比べてすっごく上がってるよ。楽しみにしておいた方がいいよ」
「へ~~こりゃ美味しそうだ」
フィーナが後ろを向いている時に摘み食いをしようと手を伸ばすと
パシッ!!「コラ!!!お行儀が悪い」
菜箸で手を叩かれた。
俺は叩かれた手を押さえながら
「フィーナが剣術の達人だってことを忘れてたよ。いててて・・・」
「全く油断も隙もないんだから。これはお昼まで我慢しなさい」
「は―――――い」


「それじゃあ、行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」
「それで達哉、どこに連れて行ってくれるの?」
「うん、電車に乗って行くんだけれど近くの山にある展望台だよ。そこからだったら山の紅葉もこの街も一望なんだ」
「そう?楽しみね」
「あぁ、期待通りの絶景を見せてやる」
目的の場所へは先ず電車で行くため二人は駅にやってきた。
「駅に来る度にいつも思うんだけど『満弦ヶ崎中央連絡港市中央駅』って何か長ったらしい名前だな」
「うふふ、確かにね」
「そう言えばもしかしてフィーナは電車も初めて?」
「そうね。月でも地球でも移動は一応専用車だし」
「そりゃそうだ。一国のVIPたる人が普通こういったのに乗る事はないしな」
「でもこれも一つの経験ね。面白そう」

電車に揺られて最寄の駅に到着。
「さぁ、ここからは歩くぞ。ちょっと時間がかかるけど着いたら物凄い絶景が拝めるはずだから」
「うん、頑張ろう!!」


「もうこの辺りの木も紅くなってるわね」
「そうだな。秋真っ盛りってとこだな」

「ぜ――は――ぜ――は――・・・」
最初は問題ないのだがさすがに若いといっても普段から鍛えていない俺には山道はちょっとキツイ。
しばらく歩くと息が切れてきた。
そんな俺をよそにフィーナは登山道をズンズンと上って行く。
さすがに鍛え方が違うのかな・・・
「なぁフィーナ、ちょっと休憩しないか?」
「あら達哉、もうへばっちゃったの?しょうがないわね。・・・じゃ10分休憩ね」
「10分って・・・鬼・・・」
「私は早く絶景を見たいのよ」
「・・・そうだな。それにこれからフィーナの旦那になろうってヤツがこんなところでへばってたら洒落にならないな」
「うふふ、言うじゃない。さ、頑張って行きましょう」


それからどれくらい歩いたのだろう?視線の先に目的の展望台が見えてきた。
「着いたぞ。あそこに上って見たら絶景が拝めるぞ」
「わ―――い、達哉 早く行こう!!!」
俺の手を引っ張って走り出すフィーナ。どこにそんなスタミナがあるんだ?
「ちょっと焦るなよ。足がもつれるだろ?」
二人で展望台の階段を駆け上って屋上に。
「うわ―――――!!!!すっごい!!!ねぇねぇ達哉!!あれが紅葉なのね!!キレイ!!!」
フィーナは興奮しながらそこから見える山々を指差して叫んでいた。
「まったくだ。今までの疲れも吹っ飛ぶってもんだね。それにフィーナがこんなに喜んでくれたら本当に連れてきた甲斐があったよ。ほら、こっちを見てごらん」
「わ―――――!!!町が一望できるなんて。あそこがカテリナ学院ね。それからあそこに大使館とか博物館があるから・・・家はあの辺かな?」
「さすがにここからは見えないだろ?」
「分かってるわよ。言ってみただけ。じゃぁお楽しみのお弁当にしましょう」
「お!!待ってました!!」
「ホントはこれが目当てなんじゃないのかしら?」
「・・・否定はしません」
それから二人で絶景を眺めながらフィーナ手製の弁当に舌鼓を打った。


「さて、目の保養とお腹の保養をしたところで帰りますか?」
「そうね。楽しかったわ。ありがとう」
「あ!そうだ。そう言えばもう一つ紅葉スポットがあったな」
「え?どこ?」
「ここ」
と言っていきなりフィーナの頬っぺたにキスをしてみた。
「ちょっと達哉!!いきなり何するのよ!!」
「ほら、紅くなった紅くなった」
「もう・・・・まぁいいわ。今日は素敵な景色を見せてもらったから気分がいいし、誰も見てなかったみたいだから許してあげる」
「ははは、ゴメンゴメン。それじゃ帰ろうか」
「うん」



あとがき・・・らしきもの
久しぶりの「夜明け前より~」です。
もしかしたら時期的に若干遅いかな・・・?という感はあったのですが・・・
今回も話がややこしくなりそうだったので二人以外の人物をほとんど登場させませんでした。


追記
マクさん、SSの紹介と感想どうもありがとうございました。
気付かずに御礼が遅れてしまいまして申し訳ありません。

TMさん「九州・広島旅行レポート」
凄い大掛かりな旅ですね。電車好きには堪らないでしょうね。
呉では大和ミュージアムには行かれなかったんですか?
『桐葉菓』は思わず噴出しました。これでも一応現地人ですが知らんかった(^^;
てかこれって何かネタになりそうな気が・・・


やまぐうさんSS「は、は、初体験」
まぁ、瑛里華にとっては全ての医者が初体験になるわけでしょうけど、もしかしたら一番体験したくない医者でしょうね。ってか何度経験しても痛いんですけど(^^;




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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。