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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

FORTUNE ARTERIAL SS 『赤いリボンの言い伝え』

創立200余年という歴史と伝統を誇る名門私立校『修智館学院』

さすがにこれだけ長い歴史を重ねてくると言い伝えや伝説的な話の一つや二つくらいはあるもの。
これから語る話もその一つである。


本敷地にある監督生棟の傍に一本の大きな木がある。
特別何の変哲もない木なのだが、何故か誰が始めたのかこの木は沢山の蝶々結びになった赤いリボンが掛かっている。
まだ昨日掛けたばかりのような真っ赤なのもあれば年月を経るうちに色があせて白くなっているのもある。
結構高い所にも掛かっているので多分よじ登って掛けたのだろう。
もちろん生徒会や教職員は安全のため木に登ることは禁じている。
見つかれば当然ながら御説教と清掃等の奉仕活動が待っている。
だがそれが分かっているにも関わらずこの木に登ってまでリボンを掛ける生徒は後を絶たない。

そして今日もこの木の傍には一組のカップルが。
女子は髪の左右に真っ赤なリボンをつけている。
二人ともダッシュで来たのか息を切らしている。
「はぁはぁ・・・誰にも見つからなかったな」
「そう・・・みたいね・・・校舎を出てからこのリボンをつけているんだから見られたらバレバレだもんね。でもそうしなければいけないんだから仕方がないよ」
二人はキョロキョロと周囲を見回して
「誰もいないな。よし!!行ってくるよ」
「気をつけてね」
そう言って女子が髪の左右につけていた二つの赤いリボンの片方を外してそれを男子に手渡した。
「分かってるよ。俺達の永遠の為に一番上に掛けてくるからな」
「ムリしなくてもいいからね。危ないと思ったらすぐ降りてよ」
「だってリボンを付ける場所が高ければ高いほど二人の永遠が約束されるんだから頑張ってこないと」
「う・・・うん」
男子が赤いリボンを手に木に登っていった。
その間、女子はもう一つの赤いリボンを自分の髪に付けたまま、手を合わせて祈っている。


「やれやれ、今日もまた来てるのか・・・この学校も結構な数のカップルがいるもんだな」
教室棟を出て監督生棟に向かおうとしていた金髪のイケメン生徒会長が驚異的な視力でこの光景を見ていた。
本当なら注意して止めさせるべきなのであるが、さすがにカップルの共同作業に水を差す様な行動をするのも野暮だと思ったのだろう。
知らない振りをしてコトが終わるまでその辺でゆっくりすることにした。
しばらくして
「お、終わったみたいだな。とりあえず木から落ちなくてよかったよかった。さて、俺も監督生棟に行くかな」
イケメン生徒会長が本敷地にたどり着いた時に、当のカップルとすれ違った。
「あ、会長 こんにちは」
「あぁ、こんにちは。二人とも仲いいね」
「はい、ありがとうございます。それじゃ失礼します」
二人は会長に頭を下げた後、駆け足で去っていった。
その二人の後姿を見ながらイケメン生徒会長は苦笑いしながら呟いた。
「おいおい、コトが終わったら髪に付けたリボンは外しとかないとバレバレじゃないか?そんなに説教されたいのかい?」


監督生棟にやってきた会長は言い伝えの元となっている赤いリボンだらけの木を眺めて
「やれやれ、只の木にそんな力なんてあるわけないのにな・・・まるで昔あったケヤキの話そっくりだ・・・。ん?」
「なかなか来ないと思ったらやっぱりここにいたのか?」
「まったく・・・で、今日もまた誰かリボンを付けに来てたの?中にいたら分からないから」
銀色の長髪で眼鏡を掛けた財務担当と黒い長髪にスタイル抜群でクールな女子役員が現れた。
「らしいね。以前のケヤキとある意味似たような話だけど、この木も当時の生徒会長と副会長がただ単に卒業記念として植えただけなのに何時の間に“リボンをつけたら永遠の愛が約束される”なんて言い伝えになったんだろうか?」
「さぁ?ただ単に二人が恋人同士だったからそれにあやかってじゃない?二人ともこの木にまつわる詳しい事情なんて話してくれなかったし・・・もっとも聞く気もなかったけど。それよりもそれから次期会長のあなたの妹さんが精魂込めて世話をしたものだからこの木の世話が代々生徒会の仕事になっちゃったんだけど」
「フッ、それを言うな。それにしてもこれを植えた当の二人がこの状景を見たら何と言っただろうか?」
「ま、さすがに今となっては・・・だけどね」
「あぁ」
「そうね」
そう言って3人は晴れ渡った空を見上げた。


「あ、皆さん こんなところにいたんですか?書類が溜まってるんですよ。早くお願いします!!」
今年新しく生徒会に加わった一人の役員が現れた。
「あぁ、支倉さん ごめんなさい。すぐ行くわ」
新役員はちょっと渋い顔をして
「もう~~~~、お願いしますよ」


「しかし・・・俺達もあの二人の子孫の世話をするようになってしまったか」
「いつだったか志津子ちゃんの顔を見た時の俺の気持ちが分かったかい?」
「分かりたくないが・・・」
「でもやっぱりあの二人の子孫ね。顔も性格も何となく受け継いでるんじゃない?」
「フッ、確かにな」
「おいおい、だからと言って喧嘩は止めてくれよ」
「しないわ。私の喧嘩の相手はあの人だけだから」
と言って黒髪の女子役員は赤いリボンの掛かった木を見上げた。





あとがき・・・のようなもの
一応TRUE STORY後の話です。
こういった話を書いてみたくなったので書いてみました。
副会長が誰かは・・・考えていません。
最初は黒髪の女性役員を副会長に・・・と考えたんですけどやっぱり・・・


追記
TMさん朝霧さん SSの紹介と感想どうもありがとうございます。
TMさん>とりあえず教科書には事欠かないでしょうね(笑
朝霧さん>まぁ・・・大きな子供(?)もいますからね(笑


朝霧さんSS
やっぱりかなでさんはいろんな意味でスゴイということでしょうかね。
いてもいなくてもそこに存在を感じる、とでもいいますか・・・

早坂さんSS 冬のないカレンダー #8「百聞は一見に如かずって言うけど」
惚れた者の弱みとでも言いましょうか。
こりゃ逆立ちしても勝てる相手じゃありませんな(^^;
で、お披露目はいつになるんだろう?


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コメント

「監督生塔」は「監督生棟」ですね。高い敷地にあるとはいえ建物は「塔」じゃなかったはず。

赤いリボンを着けているだけでなにかと言われることになる言い伝えというのは逆に困ったものかもしれない^^。

No title

誤字のご指摘ありがとうございます。
もう一度一通り読み直して修正しました(たぶん大丈夫かと・・・)

まぁ、確かにそう考えれば当の二人も草葉の陰で渋い顔をしているかもしれませんね(^^;

と言うか本編から未来の世界においてこのリボンをカップルのおまじないとして何らかの形で使うというネタ自体は結構前から考えていたんですが、どういう話にするかという点で悩んでいたわけでして。

>当の二人も草葉の陰で渋い顔をしているかもしれませんね(^^;
「創立200余年」ということは孝平や瑛里華は80歳になろうという辺りだから、紅珠もあることだしまだ生きていそうな気もしますが^^;。

おまじないとは関係なく、白ちゃんが赤いリボンを着ける話なんてのがあってもいいなあとこのSSを読んで思いました。

No title

ごもっともですね。
もうちょっとその辺も考えるべきでした。

とりあえず誤字以外の内容に関わる事は基本的に一度アップしたら極力修正しないことにしているので今回はこのままにしておきます。
次回からの参考にさせていただきます。

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