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気ままな場所

主にオーガスト系のゲームとかのSSや類する小ネタ等を書いていこうと思います

夜明け前より瑠璃色な SS   『あなたのいないクリスマス』

一応時節モノということで思いついたので書いてみました。




今夜は地球ではクリスマスという行事で持ちきりらしいんだけど月にはクリスマスという習慣はないから特別関係ないのよね。
まぁ、別に月にそれに類する日がないというわけじゃないんだけれど・・・。
だから私は、いやもとい私達は普段と特に変わりなく御仕事でございます。
『あ~~~~ぁ、今夜は地球の恋人達はさぞやお忙しいことで・・・それはそれは大変結構なことでございます・・・っと』
私は内心半ば僻みぎみで、でもそれを顔には出さないようにしていつもと変わらず王室の公務に勤しんでおります。


「姫さま、お茶が入りました。少し休憩なされてはいかがですか?」
「あ、ミア ありがとう。う~~~~~~~~ん・・・」
仕事で疲れた背筋を思いっきり伸ばす。
「今夜は地球ではクリスマス・イブだそうですね」
「そうね。『恋人達の聖なる日』だそうだけど、今の私には余り関係ないわね」
そう、今の私には・・・

地球での留学期間が終わって私は月に帰った。
その留学中に私は朝霧達哉という人と運命の出会いをし、そしてお互いに将来を誓い合った。
でもその恋人である達哉は今はまだ38万キロの彼方。
簡単には会いに行ける距離ではない。
まだ国交が完全に回復していない現在においては達哉もまだ正式にこちらに来ることはできないし、私が行くことも公務となるため簡単には行けない。
もっとも軌道トランスポーターといった裏技を使うという手もないではないが、いくら私でもそんなに頻繁に使えるものではない。
万が一にもバレでもしたら密航であり重罪である。
それにさすがに職権乱用みたいな形にも見えてあまり気が進まない。
でも私は必ず会える、そして一緒になれると信じて毎日の公務に勤しんでいる。
きっと達哉もそれは同じ気持ちでしょう。
達哉のその気持ちは彼から届くメールを見ればよく分かる。


そして・・・今日も公務が終わって一人部屋に戻る。
静かだ。自分の足音しか聞こえない。
部屋の扉を開ける前に、もしかして扉を開けたらサプライズで達哉が待っててくれたりなんかして・・・なんて考えちゃったけど、世の中そんなに甘くはないわね。
でも達哉はいないと分かっているんだけれどそれでも万が一と思って部屋の中をキョロキョロ見てみるが・・・やっぱり・・・部屋の中には誰もいない。
「・・・達哉」
私は肩を落として遠くに浮かぶ地球を眺めた。
「あ~~~ぁ、この世には神も仏もないのかしら・・・?」
もっとも私たちは信仰する宗教が違うから神はともかく仏は最初からないんだけどね。
でも・・・今までは考えたことなかったけど一人で過ごすこういう日がこんなに寂しいものだなんて思わなかった・・・。
時として全ての立場を投げ出してでも今すぐ達哉のもとに走って行きたい衝動に駆られてしまうときもある。
私とて一度公務を離れれば遠く離れた恋人を想う一人の女性。
できるものなら私だって巷の女性と同じように流行の服を身にまとい、目一杯のお洒落をして達哉と腕を組んでキレイなクリスマスイルミネーションを見ながら街を歩きたい。
そしてお洒落なお店で素敵な夜景を眺めながら一緒に食事をして聖なる夜を一緒に過ごしたい。
でも・・・やはり私は月王国の姫であり時期王位継承者。
民衆の為を思うとそんな軽率で無責任なことは絶対できない。

二人の間に立ちはだかる38万キロという距離や二人の置かれている立場という壁が恨めしく思えた私のクリスマス・イブもこのまま終わるのかと思ったとき
「姫さま、ケーキを焼いてみたんですけど、もしよろしかったらいかがでしょうか?」
ミアがケーキを持って部屋に来た。
「ミア、あなたこのケーキは?」
「はい、地球では今夜からクリスマスで、ケーキを食べると聞きましたので作ってみました」
「わぁ~~~~!美味しそうね。是非いただくわ。でも別にケーキを食べる日でもないんだけどね」
「そうですけれど、クリスマスケーキとかあるくらいですからいいのではないでしょうか?」
「そうね。それにミアのケーキはいつ食べても美味しいし」
「ありがとうございます、姫さま」
「・・・正直言うとね、今夜は一人でいると凄く寂しかったの。ミアが来てくれて嬉しかったわ」
「姫さま・・・」
「あ・・・ごめんなさい」
何となくミアも気を使ってくれたのだろうか、達哉のことは一言も口に出さなかった。

ミアがケーキを切り分けてくれ、お茶も入ったところで
「私たち二人だけですけれどクリスマスパーティーですね」
「ささやかだけどミアのお陰で素敵なクリスマスをおくれそうよ」
「ありがとうございます。来年はみんなでパーティーをやりませんか?」
「それ、いいわね。公務関係ナシの仲間だけで」
「そうしたら私、お料理の腕を振るいます」
「うふふ、今から楽しみね。それじゃいただきましょう」

「メリークリスマス」





追記
紙飛行機さん、早坂さん、TMさん、SSの紹介と感想どうもありがとうございます。

紙飛行機さん>やっぱりフィーナもミアが可愛くて仕方がないんです(ということでw)

早坂さん>・主役はモテるんです。羨ましい・・・(ToT)
・ミアはみんなから好かれるタイプですしね。

TMさん>心配なのやら面白がってるのやら・・・(^^)




早坂さんSS 夜明け前より瑠璃色な sideshortstory 「約束の証」
ミアらしく少々遠慮気味なところがあるけど、でもやっぱりどこかで自分を主張しているんですね。
菜月の料理の腕は相変わらずなんでしょうか・・・(^^;



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『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』は2009年2月27日に発売です。